ダイアリー・オブ・カントリーミュージック・ライフ

現代カントリー・ミュージックのアルバム・レビューや、カントリー歌手の参考になりそうな情報を紹介しています

Marty Stuart マーティ・ステュアート & His Fabulous Superlatives - Way Out West

2018-11-07 | カントリー(男性)
2010年の「Ghost Train, The Studio B Sessions」が気に入ってから
は、古典的なバンド・アンサンブルをベースに、常にルーツに根差し
た質の高い音楽を提供してくれる人として、結構フォローしてきま
した。本作は、Fabulous Superlatives 名義の2017年リリース作で
す。まずは、プロデューサーに、トム・ペティのバンド、ハートブ
レイカーのギタリスト、マイク・キャンベルMike Campbell を迎え
た事に注目が行きます。

本作も、近年の一連の作品同様、Buck Owensのベイカーズフィール
ド・サウンドを支えたBuckaroosを南部に持って行ったようなアー
シーなサウンドが展開しているのですが、そのレンジの広がりが
半端でなく、さらに未来への展望まで感じられる作風になってます。
ストリングスやコーラスの装飾がキッチリはまり、効果音やリプ
ライズを要所で入れて、コンセプト・アルバムのような雰囲気も湛
えていますね。



"Air Mail Special"では、ベイカーズフィールド・サウンドをさらに
スピーディに、"Time Don't Wait"は12弦ギターがフィーチャされ
たフォークロックをエネルギッシュに現代的に再現。ベテランらしか
らぬパワーを見せつけてくれる一方、"Old Mexico"は、Marty Robbins
のクラシック曲"El Paso"を想起させるコーラスと、Johnny Cashのギ
ター・サウンドをミックスしたミディアム曲で聴かせてくれます。
タイトル曲の"Way Out West"に至っては、前例が思い浮かばない程の
新鮮な曲想の、浮遊感溢れる個性的なスロー曲です。

適度なバランスでフィーチャ―されるインスト曲も、このアルバム
の魅力です。いわゆるサーフィン・ミュージックっぽいものもあり、
そこまで広げてもアルバム全体に強力な一体感が維持されてるのは
素晴らしいと思います。やはり、わかっている人ですね。




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