ダイアリー・オブ・カントリーミュージック・ライフ

現代カントリー・ミュージックのアルバム・レビューや、カントリー歌手の参考になりそうな情報を紹介しています

Alison Krauss アリソン・クラウス - Windy City

2018-10-25 | Bluegrass ブルーグラス レビューまとめ
2017年に満を持してリリースされた、アリソンのソロ名義として
は1999年の「Forget About It 」以来18年ぶりだったアルバム
です。Union Stationとの連名でも、2011年の「Paper Airplane」
から出てなかったので、文字通り待ちに待ったという感じでした。

これも入手以来よく聴き続けていてお気に入りになっています。現代
の、すっかりプログラミングなどの電子テクノロジー(?)に席巻
された音楽シーンにあって、文字通り珠玉のサウンド、そして歌声
だと有難く聴いてます。カントリー界でも、プログラミングやオート
チューンのようなボーカルが当たり前になって、元気出すには
良いけれど、落ち着いて聴きたい年配リスナーには過ごしにくい
この頃になってきてましたから。

スタイル的には、1960年前後に時代を席巻したナッシュビル・サウ
ンド(レイ・チャールズが惚れ込んで"愛さずにはいられない"で採用した
サウンド)がベースになっていて、現代的な演奏と録音技術による、奥
行きと艶のある美しい響きに、聴くたびに夢心地になっています。これに
アリソンのエンジェル・ボイスが乗るのですから、見事なマッチングです。
年齢的に40代半ばとなり、そのキャリアにふさわしくゆったりしたサウ
ンド造りをした、って感じがします。


Union Stationのメンバーも要所で参加

それにしても、90年代は結構こんな感じの奇麗なバンド・アンサン
ブルで聴かせるのが、当時のカントリー音楽だったですね。アップテ
ンポ曲のビートが強くなりだしたけれども、やはりカントリーの主役
はスロー曲。心和むいいスロー・バラードが当時は沢山ありました。
パワー・バラードなんてまだなかった。懐かしいです。

この「Windy City」のプロデューサー、 Buddy Cannonは、その当時
にもよく名前を見ていましたし、見事なギターを全般で披露している
Brent Masonも特に90年代に引っ張りだこだったセッション・ギタ
リストです。アリソンの、常にメインストリームの流行とは一線を
画し、自身の求める歌世界を守る姿勢が、こうして安定して高いクオリ
ティの音楽を製作し続ける源になってると思います。

日本盤を入手したのですが、赤尾美香氏のライナーノーツに、この
カバーアルバムのオリジナルの情報がまとめられていたので、ご参
考に記しておきます。


Losing You : Brenda Lee (1963)

It’s Goodbye and So Long to You : Osborne Brothers (1979)

Windy City : Osborne Brothers (1972)

I Never Cared for You : Willie Nelson (1964)

River in the Rain : ブロードウェイ・ミュージカル「Big River」劇中歌 (1985)

Dream of Me : Vern Gosdin (1982)

Gentle on My Mind : John Hartford (1967)~Glen Campbell

All Alone Am I : Brenda Lee (1962)

Poison Love : Bill Monroe (1951)

You Don’t Know Me : Eddy Arnold (1956)

Make the World Go Away : Ray Price (1963)

Till I Gain Control Again : Emmylou Harris (1975)

Angel Flying Too Close To the Ground : Willie Nelson (1980)






最新の画像もっと見る

コメントを投稿