ダイアリー・オブ・カントリーミュージック・ライフ

現代カントリー・ミュージックのアルバム・レビューや、カントリー歌手の参考になりそうな情報を紹介しています

ロレッタ・リン Loretta Lynn - Still Woman Enough

2021-03-27 | カントリー(女性)

 

60年代からの長いキャリアを通じて、カントリーミュージックと

は何たるかを定義付けてきた、アメリカの宝の一人とも言うべき

ロレッタ・リンが、何と単独アルバムとして50作目(アーネスト・

ブやコンウェイ・トゥイッティらとのデュオ作含めるとさらに

くなる)をリリースしました。まもなく89才になろうかと言う

年齢など関係なし、と言わんばかりのタイトル、そして歌声を聴

かせてくれます。

 

※楽曲はプレミアム会員しか視聴できないようです

 

作風としては、2016年の「Full Circle」以降プロデューサーを務め

てきた、ジョン・カーター・キャッシュ(ジョニー・キャッシュ

とジューン・カーターの息子)とパッツィ・リン・ラッセル(ロ

レッタの娘)が引き続き担当し、キープ・コンセプトの壺を得た

本物のカントリー・アンサンブルで全体が貫かれています。今回

の話題は、ロレッタ以降の各世代の゛後輩達゛がゲストで彩をそ

えている事が注目です。

 

 

そのハイライトが、オープニングのタイトル曲"Still Woman Enough"

でしょう。ロレッタと娘さんパッツィのアーシ―な共作曲で、

ーバ・マッキンタイアキャリー・アンダーウッドがゲストで歌

声を聴かせます。この二人が80年代から最近までの時代を担った

代表ですね。目玉曲でメインストリームの大物二人がロレッタを

サポートした事に、何となく安堵しました。それと、キャリーが

゛皆は私の事をヒルビリーと言ったわ/でも私は最後に笑ったの゛

と歌われるトラディショナルな曲を歌うなんて珍しいな、と心し

てます

 

ロレッタの後、70年代にシーンに出て来た代表として、タニヤ・

ッカーが"You Ain't Woman Enough"で客演しています。共にベ

テランになって以降にグラミー賞カントリー・アルバムを復活受

賞した二人です(ロレッタはジャック・ホワイトとコラボした20

05年「Van Lear Rose」。タニヤはブランディ・カーライルとの2

020年「While I'm Livin'」)。現在とこれからという意味で抜擢

たのが、マーゴ・プライス。"One's on the Way"でいつもの

くキレのある声を聴かせています。マーゴは新作ではルーツ・

ック風なってしまったので、これは貴重なカントリーの歌声で

す。マーゴの抜擢は、カントリーの王道に留まれ、とのご指導で

しょうか??

 

 

他の曲目は、クラシック曲("Keep On the Sunny Side""I Saw the

Light"など)の他は自身の曲のセルフカバーがほとんどになって

ますが、ゲストの顔ぶれ共々女性達へのメッセージが本アルバム

のテーマなようです。"Where No One Stands Alone"は、60年代か

ら歌い続けているセイクリッド・ナンバーで、真に大切な曲を選

でいると感じられます。細かく聴けば、歌声のテンポがわずか

に急ぎがちな時がまれにあったりしますが、歌声の力はさすが89才

とは思えない力があります。心して聴くべし、と言ったところでし

ょうか。まだまだ頑張って欲しいです。

 



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