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2008年のCMAアワードで、ギタリストとしてMusician of the Yearを獲得(今年もノミネートされてます)したマック・マカナリー。同じく昨年、ケニー・チェズニーのNo.1ヒット"Down The Road"もマックの作品で、デュエットで歌声も聴かせてくれていました。聡明なカントリー・ファンでも、なかなか彼の名を知る人は少なかったのではないでしょうか?しかし、90年代に彼の素晴らしいアルバムを楽しんでいた私は、この久々の露出振りはとても嬉しく感じました("Down The Road"は、1994年のアルバム「Knots」に収録)。自身のレコーディング作品は、その洗練されたプレーンなサウンドが災いしてか、ヒットに恵まれませんでしたが、かつてはアラバマAlabamaやスティーブ・ウォリナーSteve Warinerにヒット曲を提供した有能なソングライターなのです。そして今年、満を持して、このソロ・アルバムをリリース。90年代のMCAレーベル時代に聴かせてくれた、ジェームス・テイラーを思い出させるフォーク・マナーでセンスのよいアコースティック・ポップとはチョぴリニュアンスを変えて、アメリカ南部のルーツ・ミュージックを一通りマックなりに料理してショーケースした、アメリカーナ・アルバムと言えると思います。
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タイトルにある”River”は、もちろんミシシッピ川の事でしょう。アルバムは、そのミシシッピ川下流の町、ニュー・オリンズのディキシー・ランド・ジャズの雰囲気がたっぷりつまった"Blame It on New Orleans "でスタート。カントリー・ミュージックのオリジネイター、ジミー・ロジャースの影もチラホラ。続くタイトル・ソング"Down by the River"は、シンコペイトするリズムが印象的で、同じくニューオリンズのファンク・バンド、ミーターズMeters~ネヴィル・ブラザーズのサウンドが思い出されました。マックのルーツ探訪の旅は、"(Nothing Like A) Sunny Day"ではカリブ海にまで及び、彼の温かいテナー・ボイスがゆる~いグルーブを作るレゲエ・サウンドを聴かせてくれます。こうした雑多な要素を寄せ集めながらも、トータルとしてアコースティック・ギター・サウンドを基調としたテイストで貫かれていて、安心感があるのです。
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マックの過去の音楽を知る人には、ゴスペル・バラードの"On Account of You"や、文字通りリズムがバウンドする強力なブルース・ナンバー"Bound to Get Down"は意外に感じるかもしれません。これらで聴かれるマックの声は、これまで聴いた事がないソウルフルなしわがれ声。シンガーとしても意欲的な挑戦を聴かせてくれます。レイ・チャールズあたりを意識してるんだろうな。その一方で、トラディショナルなホンキー・トンク・カントリー"If You Hang Around Long Enough"や、軽快なウェスタン・ソング"Over and Out"も配するなど、自由自在に音を操るマック。さすが経験豊かな職人芸を見せてくれます。その中で、90年代の彼の音楽を愛した私には、モダンで雄大なスロー曲"You First"と、ラストのアコースティック・バラードの逸品"Until Then"の穏やかな響きが嬉しかったです。
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Live and Learn
1957年、アラバマ州Red Bay生まれ。子どもの頃は教会で歌い、8歳でピアノを習い始め、そこから5年も経たないうちにプロとしてプレイしていました。15歳の頃にはギターで"People Call Me Jesus"というスピリチュアル・ソングを自作する早熟振りを発揮。高校を早退後、アラバマはマッスル・ショールズのWishbone Studiosで働くように。ある夜、ハンク・ウイリアムスJrのレコーディングの合間、マックが演奏した自作曲にプロデューサが感銘を受けた幸運をキッカケに、1977年「Mac McAnally」でアルバムデビュー。ランディ・ニューマンRandy Newmanのサポート・アクトとしてツアーも行うようになりました。その後アルバムは「No Problem Here」、「Cuttin' Corners」とリリースしますが、デビュー作同様に売れませんでした。しかし彼の作曲能力の高さがナッシュビルで認められ、アラバマにはNo.1となった"Old Flame"を、リッキー・バン・シェルトンRicky Van Shelton には"Crime of Passion"を、そしてスティーブ・ウォリナーにはスマッシュ・ヒットした"It's a Precious Thing."を提供するなど、着実に実績を積み上げて行ったのです。その甲斐あって、メジャー・レーベルMCAとアーティスト契約を結び、売れっ子プロデューサー、トニー・ブラウンTony Brownのもと、1992年の忘れられない名盤「Live and Learn 」をリリース。素晴らしい"The Trouble With Diamonds"が何とかマイナー・ヒットとなります。1994年にも引き続きトニーと「Knots」を制作、"Down The Road"が生まれました。このMCAの2枚、機会があったら是非聴いていただきたいと思います。
●マックのMySpaceサイトはコチラ●
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タイトルにある”River”は、もちろんミシシッピ川の事でしょう。アルバムは、そのミシシッピ川下流の町、ニュー・オリンズのディキシー・ランド・ジャズの雰囲気がたっぷりつまった"Blame It on New Orleans "でスタート。カントリー・ミュージックのオリジネイター、ジミー・ロジャースの影もチラホラ。続くタイトル・ソング"Down by the River"は、シンコペイトするリズムが印象的で、同じくニューオリンズのファンク・バンド、ミーターズMeters~ネヴィル・ブラザーズのサウンドが思い出されました。マックのルーツ探訪の旅は、"(Nothing Like A) Sunny Day"ではカリブ海にまで及び、彼の温かいテナー・ボイスがゆる~いグルーブを作るレゲエ・サウンドを聴かせてくれます。こうした雑多な要素を寄せ集めながらも、トータルとしてアコースティック・ギター・サウンドを基調としたテイストで貫かれていて、安心感があるのです。
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マックの過去の音楽を知る人には、ゴスペル・バラードの"On Account of You"や、文字通りリズムがバウンドする強力なブルース・ナンバー"Bound to Get Down"は意外に感じるかもしれません。これらで聴かれるマックの声は、これまで聴いた事がないソウルフルなしわがれ声。シンガーとしても意欲的な挑戦を聴かせてくれます。レイ・チャールズあたりを意識してるんだろうな。その一方で、トラディショナルなホンキー・トンク・カントリー"If You Hang Around Long Enough"や、軽快なウェスタン・ソング"Over and Out"も配するなど、自由自在に音を操るマック。さすが経験豊かな職人芸を見せてくれます。その中で、90年代の彼の音楽を愛した私には、モダンで雄大なスロー曲"You First"と、ラストのアコースティック・バラードの逸品"Until Then"の穏やかな響きが嬉しかったです。
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Live and Learn
1957年、アラバマ州Red Bay生まれ。子どもの頃は教会で歌い、8歳でピアノを習い始め、そこから5年も経たないうちにプロとしてプレイしていました。15歳の頃にはギターで"People Call Me Jesus"というスピリチュアル・ソングを自作する早熟振りを発揮。高校を早退後、アラバマはマッスル・ショールズのWishbone Studiosで働くように。ある夜、ハンク・ウイリアムスJrのレコーディングの合間、マックが演奏した自作曲にプロデューサが感銘を受けた幸運をキッカケに、1977年「Mac McAnally」でアルバムデビュー。ランディ・ニューマンRandy Newmanのサポート・アクトとしてツアーも行うようになりました。その後アルバムは「No Problem Here」、「Cuttin' Corners」とリリースしますが、デビュー作同様に売れませんでした。しかし彼の作曲能力の高さがナッシュビルで認められ、アラバマにはNo.1となった"Old Flame"を、リッキー・バン・シェルトンRicky Van Shelton には"Crime of Passion"を、そしてスティーブ・ウォリナーにはスマッシュ・ヒットした"It's a Precious Thing."を提供するなど、着実に実績を積み上げて行ったのです。その甲斐あって、メジャー・レーベルMCAとアーティスト契約を結び、売れっ子プロデューサー、トニー・ブラウンTony Brownのもと、1992年の忘れられない名盤「Live and Learn 」をリリース。素晴らしい"The Trouble With Diamonds"が何とかマイナー・ヒットとなります。1994年にも引き続きトニーと「Knots」を制作、"Down The Road"が生まれました。このMCAの2枚、機会があったら是非聴いていただきたいと思います。
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