ほんの2年前にはジョージアで少々名を知られている程度の存在だったのに、アルバム「Foundation」からの“Chicken Fried”をキッカケとした大ブレイクで、今年2010年のグラミー賞のオールジャンル部門で新人賞を獲得してしまったザック・ブラウン・バンド(ZBB)。それは、アメリカ南部~カリブ海にかけての豊かで幅広い様様なジャンルの音楽スタイルを、カントリーをガッチリと基軸に据えたルーツ嗜好を漂わせながら、現代流のロック・センスとキャッチーなメロディの親しみやすさでまとめ上げた功績への賞賛だったように思います。今回の2CDとDVDの豪華セットは、そんな彼らの豊かな音楽性が一番発揮されると評判のライブ・レコーディング集です。ここで聴かせてくれる、「Foundation」からの多くのヒット曲や初披露となる新曲、そしてロック・クラシックのカバーなどの幅広いライブ・レパートリー24曲(CD)は、スタジオ作以上に彼らの守備範囲の広さを見せつけてくれて圧巻です。一部の曲では、ホーン・セクションがフィーチャされ、サザン・ソウル風な雰囲気に思わずニンマリ。リトル・ビッグ・タウン、ジョイ&ローリー、そしてキッド・ロックらのゲスト・パフォーマーとの共演も、そのバラエティに彩りを添えます。CDとDVDでは同じ音源が使われていますが、CDのみで聴ける曲が6曲、一方DVDにはボーナストラックとしてジョーイ+ローリーや同じSouthern Ground Recordsレーベルの若手アーティストらをフィーチャーした演奏が4曲収録されています。
彼らの確かな演奏テクニックに圧倒されるのが、"It's Not OK"や、 カントリー・レジェンド、チャーリー・ダニエルズ曲のカバー“The Devil Went Down To Georgia”、そして、ブレイク曲“Chicken Fried”らのリズム・ナンバー群。スタジオ・レコーディング以上にテンポ・アップし、グイグイと観客を引っぱっていきます。"It's Not OK"で聴かせる、フラット・トップ・ギター、エレクトリック・ギター、フィドル、そしてドラム(!)・ソロのスピード感溢れるバトルは圧巻。ザック・ブラウンも含めたバンドメンバーのソロ・パートも彼らのライブの大きな魅力で、その演奏に適度な荒さがある辺りがライブならではの臨場感があり、ナイスです。一方、"Whatever It Is""Jolene"や"Highway 20 Ride"などのスロー曲は、テンポを落としてリラックスした演奏。ザック・ブラウンの良く伸びるテナー・ボイスはライブでも強力で、イ~イ歌を聴かせてくれていますね。一方、ザ・バンドのクラシック"The Night They Drove Old Dixie Down"でリード・ボーカルを取っているのが、ギタリストでありマルチ・プレイヤーのClay Cook。ザックと対照的な、搾り出すようなソウル系ボイスで聴き手に訴えてきます。このバンドのタレントの幅広さに脱帽!ザ・バンド曲は"I Shall Be Released"も取り上げていて、確かに全てを理解しているかのような円熟感と、オヤジ系(!?)ルックスは共通するものがありますね。 ザ・バンドに比べてZBBは、カラッと明るくユーモアセンスに溢れるところが、カントリー・バンドの面目躍如。
キッド・ロックと
共演のゲスト陣の顔ぶれも、ZBBならではの人選。最も大物といえるのが、最近すっかりカントリー界におなじみのキッド・ロック。マーシャル・タッカー・バンドのロック・クラシック"Can't You See"のグルーヴィーなカバーで、雰囲気たっぷりのアーシー・ボイスを聴かせてくれています。メインストリーム・カントリー界からは、リトル・ビッグ・タウンとジョーイ+ローリーという、ザック・ブラウン同様にカントリーのルーツを大切にしているアーティストを招いています。ゴスペル風"Cold Whether"でのリトル・ビッグ・タウンによるコーラスの美しさはさすが!この4人組のニューアルバムも待ち遠しいです。一方、ジョーイ+ローリーが共演の“Free/Into The Mystic”は、もっとジョーイの歌声を聴かせて欲しかったな。サラリとコーラスを歌っている程度で、ちょっとモッタイナイ共演です。ZBBのファースト・アルバムに収録されていたJunkyardでは、ものすごいハイトーン・ボイスの持ち主、Angie Aparoが参加。この人、フェイス・ヒルでメジャー・ヒットした"Cry"のソングライターで、フェイスより先にレコーディングしていた人です。こんな人とも繋がっているとは、さすがザック・ブラウン、人脈が広い。ピアノの弾き語り“Trying To Drive”で、ザックと素晴らしいデュエットを聴かせるAslynは、地元アトランタのアーティスト。DVDのボーナストラック共々、同郷のアーティスト達を応援したいと言う、ザック・ブラウンの信念が感じられます。
ジョーイ+ローリーと
DVDの映像は、少しザラッとしたラフな画像。冒頭、"Intro"と題して、"Who Knows"のギター・ソロパートからスタートして意表を突かれます。ザック・ブラウン自身の語りが随所に挿入されたり、曲中にも突然リハーサルの映像(キッド・ロックとの"Can't You See"など)が差し込まれるなど、ドキュメンタリーっぽい編集も随所にされていて、映像ならではの趣向をこらしていますね。音楽をジックリ楽しみたい向きには、チョッとウザいかもしれないけど、まあ気にならないレベルでないかな・・・
3枚組みというフルボリュームのセットですが、この豊かな恵みを与えてくれる音楽、パフォーマンスは、カントリー・ファンはもちろん、ダウンホーム・ミュージックを愛する全ての人に体験して欲しいものです。
●ZBBのMySpaceサイトはコチラ●
彼らの確かな演奏テクニックに圧倒されるのが、"It's Not OK"や、 カントリー・レジェンド、チャーリー・ダニエルズ曲のカバー“The Devil Went Down To Georgia”、そして、ブレイク曲“Chicken Fried”らのリズム・ナンバー群。スタジオ・レコーディング以上にテンポ・アップし、グイグイと観客を引っぱっていきます。"It's Not OK"で聴かせる、フラット・トップ・ギター、エレクトリック・ギター、フィドル、そしてドラム(!)・ソロのスピード感溢れるバトルは圧巻。ザック・ブラウンも含めたバンドメンバーのソロ・パートも彼らのライブの大きな魅力で、その演奏に適度な荒さがある辺りがライブならではの臨場感があり、ナイスです。一方、"Whatever It Is""Jolene"や"Highway 20 Ride"などのスロー曲は、テンポを落としてリラックスした演奏。ザック・ブラウンの良く伸びるテナー・ボイスはライブでも強力で、イ~イ歌を聴かせてくれていますね。一方、ザ・バンドのクラシック"The Night They Drove Old Dixie Down"でリード・ボーカルを取っているのが、ギタリストでありマルチ・プレイヤーのClay Cook。ザックと対照的な、搾り出すようなソウル系ボイスで聴き手に訴えてきます。このバンドのタレントの幅広さに脱帽!ザ・バンド曲は"I Shall Be Released"も取り上げていて、確かに全てを理解しているかのような円熟感と、オヤジ系(!?)ルックスは共通するものがありますね。 ザ・バンドに比べてZBBは、カラッと明るくユーモアセンスに溢れるところが、カントリー・バンドの面目躍如。
キッド・ロックと
共演のゲスト陣の顔ぶれも、ZBBならではの人選。最も大物といえるのが、最近すっかりカントリー界におなじみのキッド・ロック。マーシャル・タッカー・バンドのロック・クラシック"Can't You See"のグルーヴィーなカバーで、雰囲気たっぷりのアーシー・ボイスを聴かせてくれています。メインストリーム・カントリー界からは、リトル・ビッグ・タウンとジョーイ+ローリーという、ザック・ブラウン同様にカントリーのルーツを大切にしているアーティストを招いています。ゴスペル風"Cold Whether"でのリトル・ビッグ・タウンによるコーラスの美しさはさすが!この4人組のニューアルバムも待ち遠しいです。一方、ジョーイ+ローリーが共演の“Free/Into The Mystic”は、もっとジョーイの歌声を聴かせて欲しかったな。サラリとコーラスを歌っている程度で、ちょっとモッタイナイ共演です。ZBBのファースト・アルバムに収録されていたJunkyardでは、ものすごいハイトーン・ボイスの持ち主、Angie Aparoが参加。この人、フェイス・ヒルでメジャー・ヒットした"Cry"のソングライターで、フェイスより先にレコーディングしていた人です。こんな人とも繋がっているとは、さすがザック・ブラウン、人脈が広い。ピアノの弾き語り“Trying To Drive”で、ザックと素晴らしいデュエットを聴かせるAslynは、地元アトランタのアーティスト。DVDのボーナストラック共々、同郷のアーティスト達を応援したいと言う、ザック・ブラウンの信念が感じられます。
ジョーイ+ローリーと
DVDの映像は、少しザラッとしたラフな画像。冒頭、"Intro"と題して、"Who Knows"のギター・ソロパートからスタートして意表を突かれます。ザック・ブラウン自身の語りが随所に挿入されたり、曲中にも突然リハーサルの映像(キッド・ロックとの"Can't You See"など)が差し込まれるなど、ドキュメンタリーっぽい編集も随所にされていて、映像ならではの趣向をこらしていますね。音楽をジックリ楽しみたい向きには、チョッとウザいかもしれないけど、まあ気にならないレベルでないかな・・・
3枚組みというフルボリュームのセットですが、この豊かな恵みを与えてくれる音楽、パフォーマンスは、カントリー・ファンはもちろん、ダウンホーム・ミュージックを愛する全ての人に体験して欲しいものです。
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