ダイアリー・オブ・カントリーミュージック・ライフ

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Candi Staton キャンディ・ステイトン& Tammy Wynette タミー・ワイネット - Stand By Your Man ~カントリーをベースに花開いたサザン・ソウル~

2007-05-10 | カントリー業界情報、コラム

 原曲は、いわずと知れたタミー・ワイネット(Tammy Wynette)のカントリー・ヒットですが、まずここではその大胆なソウル・カバーをタイトル曲にした、キャンディ・ステイトン(Candi Staton)による1970年のサザン・ソウル・アルバムを。ロックにも影響を与えたヘヴィーでブルージーなサザン・ソウル・サウンドに、ほのかに暖かいカントリー・フレイバーが散りばめられた、この時代でしかありえない奇跡の宝石。今から20年前にViVidから再発されたLPは、私をサザン/ディープ・ソウルの迷宮に迷い込ませました。録音はSTAXとならぶサザン・ソウルの聖地、マッスル・ショールズのフェイム・スタジオ。リック・ホールがプロデュース。
 
 タイトル曲と並んでお気に入りは、同じくカントリー・レジェンドであるパッツィ・クラインの"He called me baby"。うねりつつも軽やかなリズムと、中盤のソウルならではの盛り上がりがドラマティックで素晴らしいです。必殺のバラード"How can I put out the flame"にはただ涙。

 リック・ホールが"Stand by your man"を選んだのはただ良い曲だったからだけか?この原曲をタミーと作曲しプロデュースしたのはビリー・シェリル。カントリーのプロディーサとして一時代を築いた人ですが、リック・ホールと友達で、フェイム・スタジオの立ち上げ時に一緒に仕事をしていたとの事。やり方が合わずに、ビリーはナッシュビルに行き、そこで成功。ビリー制作の大ヒット曲を選ぶ事に、リックに何か思いがあったと勘ぐるのは仕方ないでしょう。

 2004年に、フェイム時代のキャンディの作品集がCD化されていますので、是非お勧めします。

 



 一方、タミーのこの曲をタイトル曲にしたオジリナル・アルバムもリイシュー物で聴けまして、しっとりした佳曲ぞろいで好きです。女性カントリー・シンガーで初めてミリオンセラーになったアルバムです。あのヒラリー・クリントンに「私は、タミーのように男性の横に立っているような女性ではない」と引き合いに出された事があるそうで、タミーがアメリカ女性像のある部分を代表した重要な存在である事を感じさせるエピソードと思います。





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