またまたポップ~ロック・フィールドからの”インベイダー”の登場です。しかもアフロ・アメリカン(ブラック・ピープル)。ロック・バンド、フーティー・アンド・ザ・ブロウフィッシュ(Hootie & the Blowfish)のフロント・マン、Darius Ruckerです。元々このバンド、カントリー・フィーリングも感じられるブルース~ルーツ・ロック・サウンドを身上としていたので、まあ、ありえない話ではないのでしょうが、また~?ってな印象があるのも確かで、すっかり雪崩的現象に乗っかった?ってな感じです。が、Dariusの今回の動きについては、日本でも東京でチェーン店を再び展開し始めている世界的なハンバーガー・チェーン、バーガー・キング(Burger King)の2005年のCMに、なんとヌーディー・スーツ姿で登場しており、カントリーへの接近の前兆はあったよう。満を持してのカントリー・スタイルへの挑戦ということ。
(※ダリアス・ラッカーが、カントリー転向の真意を語ったインタビューをコチラで紹介しています)
Hootie & the Blowfish
一通り聴いて、ビックリするような瞬間がある訳ではないんですが、凄くナイスな雰囲気のソリッドで骨のある媚びないギター・サウンドとフックのある楽曲が展開されてるなぁ、と思ったら、やっぱり!ブラッド・ペイズリー(Brad Paisley)やジョシュ・ターナー(Josh Turner)のプロデューサであり、現在のメインストリーム・カントリー・シーンにあってはトラディショナリストと言えるFrank Rogersがプロデュースしてるのです。しっかり、ブラッド・ペイズリーが得意のスペイシーなギターで参加・サポートしており、全編ブラッド・サウンドに通じる質感を感じる音です。つまり、西海岸をベースとした、トラディショナルなベイカーズフィールドのエレクトリックなサウンドをウェスト・コースト・ロックに融合させた、塩っ辛い21世紀のホンキー・トンク・サウンド。ブラッド以外にも大物として、アリソン・クラウスやヴィンス・ギルもコーラスで参加しており、カントリー・フィールドからのサポートは磐石。カントリーの人は皆良い人だから!
Dariusの歌声は決してカントリー・ボイスではありませんし、シャッフル・ナンバー"All I Want"では結構エモーショナルにシャウトもします。しかし、アフロ・アメリカン独特の幅と温かみを持つその声は、カントリー・シンガーに必須のダウンホームな魅力的に溢れています。ソウルとカントリーの共通性は昔からよく語られていますよね。サウンドも彼の声の引き立て役に徹しているように思います(このあたりのFrank Rogersの仕事の素晴らしさは、ジョシュ・ターナーの作品で立証済み)。ご挨拶の"Forever Road"の弾むバンジョーのリズムと爽やかなコーラス、そしてラフながらふくよかなRariusの歌声で早速引き込まれます。ブラッド・ペイズリーによると思われるリード・ギターが縦横無尽に音場を駆け周る様も聴きもの。アップ・テンポ曲での他の聴きものは、やっぱり"Alright"。コチラはシンコペイト気味の弾むリズムと気の効いたコーラスのメロが印象的な、このアルバム中でも多数収録されてる、Frank RogersとDariusの共作曲の一つです。リードシングルとしてヒットしている"Don't Think I Don't Think About It"などのスローも聴き所で、ストリングスでしっとりと盛り上げるカントリー・バラード"If I Had Wings"でのDariusの歌声は和みの極地。ミディアム・スローの"It Won't Be Like This for Long"ではキーボードがナイスなロンサム感をかもし出します。面白かったのが"While I Still Got the Time"で、コーラスやラストの盛り上げ様にブラッドのヒット曲"Alcohol"(「Time Well Wasted」収録)が思い出されて、思わずニンマリ。ラストはペダル・スティールの高く舞い上がるようなフレーズがカッコイイ"Be Wary of a Woman"で華々しく締めくくられます。
ジェシカ・シンプソンのアルバムがカントリー・チャートのトップに立ったとき、アメリカのカントリー・ファンの間で、”カントリー・ミュージックは魂を失った。私達は落ちぶれたポップ・スター達のためのマーケティング・システムなのか・・・”てな声が沸き立ったそうです。確かに、ポップ・スターがカントリー・フィールドに来るなんてかつてなかったし、それもこうして立て続けですから、この調子で行くと・・・・という気持ちも分からないではないですが、敏感すぎる意見と思います。ジュエルのアルバムは既に25位圏内から外れていますし、ジェシカ・シンプソンのシングル"Come On Over"はトップ10に入っていない。ジェシカのアルバムにしてもプロダクションがこじんまりして良心的で、南部で売れるかなぁ(私は結構好きなのですけれどもね)。そんなことよりも今回の現象、我が国に限れば、現在のニュー・カントリー・ミュージック・サウンドの認知度が上がる絶好の機会と捉えたいですね。
チャートをよく見ると、むさ苦しい(失礼)ジェイミー・ジョンソンのトラディショナルな素晴らしいアルバム(Country Weeklyのレビューで星5つなんて滅多にないですよ!)がしぶとく10位にいます。そして、Patty Lovelessの素晴らしいアルバムもチャート・インしてきました。こうしてカントリー・ミュージックのスタイルは守られていくのだと思います。
●DariusのMySpaceサイトはコチラ●
(※ダリアス・ラッカーが、カントリー転向の真意を語ったインタビューをコチラで紹介しています)
Hootie & the Blowfish
一通り聴いて、ビックリするような瞬間がある訳ではないんですが、凄くナイスな雰囲気のソリッドで骨のある媚びないギター・サウンドとフックのある楽曲が展開されてるなぁ、と思ったら、やっぱり!ブラッド・ペイズリー(Brad Paisley)やジョシュ・ターナー(Josh Turner)のプロデューサであり、現在のメインストリーム・カントリー・シーンにあってはトラディショナリストと言えるFrank Rogersがプロデュースしてるのです。しっかり、ブラッド・ペイズリーが得意のスペイシーなギターで参加・サポートしており、全編ブラッド・サウンドに通じる質感を感じる音です。つまり、西海岸をベースとした、トラディショナルなベイカーズフィールドのエレクトリックなサウンドをウェスト・コースト・ロックに融合させた、塩っ辛い21世紀のホンキー・トンク・サウンド。ブラッド以外にも大物として、アリソン・クラウスやヴィンス・ギルもコーラスで参加しており、カントリー・フィールドからのサポートは磐石。カントリーの人は皆良い人だから!
Dariusの歌声は決してカントリー・ボイスではありませんし、シャッフル・ナンバー"All I Want"では結構エモーショナルにシャウトもします。しかし、アフロ・アメリカン独特の幅と温かみを持つその声は、カントリー・シンガーに必須のダウンホームな魅力的に溢れています。ソウルとカントリーの共通性は昔からよく語られていますよね。サウンドも彼の声の引き立て役に徹しているように思います(このあたりのFrank Rogersの仕事の素晴らしさは、ジョシュ・ターナーの作品で立証済み)。ご挨拶の"Forever Road"の弾むバンジョーのリズムと爽やかなコーラス、そしてラフながらふくよかなRariusの歌声で早速引き込まれます。ブラッド・ペイズリーによると思われるリード・ギターが縦横無尽に音場を駆け周る様も聴きもの。アップ・テンポ曲での他の聴きものは、やっぱり"Alright"。コチラはシンコペイト気味の弾むリズムと気の効いたコーラスのメロが印象的な、このアルバム中でも多数収録されてる、Frank RogersとDariusの共作曲の一つです。リードシングルとしてヒットしている"Don't Think I Don't Think About It"などのスローも聴き所で、ストリングスでしっとりと盛り上げるカントリー・バラード"If I Had Wings"でのDariusの歌声は和みの極地。ミディアム・スローの"It Won't Be Like This for Long"ではキーボードがナイスなロンサム感をかもし出します。面白かったのが"While I Still Got the Time"で、コーラスやラストの盛り上げ様にブラッドのヒット曲"Alcohol"(「Time Well Wasted」収録)が思い出されて、思わずニンマリ。ラストはペダル・スティールの高く舞い上がるようなフレーズがカッコイイ"Be Wary of a Woman"で華々しく締めくくられます。
ジェシカ・シンプソンのアルバムがカントリー・チャートのトップに立ったとき、アメリカのカントリー・ファンの間で、”カントリー・ミュージックは魂を失った。私達は落ちぶれたポップ・スター達のためのマーケティング・システムなのか・・・”てな声が沸き立ったそうです。確かに、ポップ・スターがカントリー・フィールドに来るなんてかつてなかったし、それもこうして立て続けですから、この調子で行くと・・・・という気持ちも分からないではないですが、敏感すぎる意見と思います。ジュエルのアルバムは既に25位圏内から外れていますし、ジェシカ・シンプソンのシングル"Come On Over"はトップ10に入っていない。ジェシカのアルバムにしてもプロダクションがこじんまりして良心的で、南部で売れるかなぁ(私は結構好きなのですけれどもね)。そんなことよりも今回の現象、我が国に限れば、現在のニュー・カントリー・ミュージック・サウンドの認知度が上がる絶好の機会と捉えたいですね。
チャートをよく見ると、むさ苦しい(失礼)ジェイミー・ジョンソンのトラディショナルな素晴らしいアルバム(Country Weeklyのレビューで星5つなんて滅多にないですよ!)がしぶとく10位にいます。そして、Patty Lovelessの素晴らしいアルバムもチャート・インしてきました。こうしてカントリー・ミュージックのスタイルは守られていくのだと思います。
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その中でもお勧めなアルバムを教えてもらえますか?
ちょっとカントリーに興味を持ち始めています。できれば、TOP HITSのようなミックスされているのがあるといいのにな~なんて、思ってしまいますが、邪道でしょうか?
おひまなときで結構ですので、よろしくお願いします。
このブログは、それぞれのアーティストやアルバムに興味を持たれた方に、より愛着を持ていただけるような肉付け情報を提供する事をねらっています。また、カントリーには結構色々な音楽スタイルがあり、それぞれの注目作をなるべくバランスよくリスト・アップしたいとも思っています。従いまして、音楽スタイルの雰囲気をお伝えする事に主眼を置き、後はネットでお聴きいただいて判断していただく事をイメージして書いております。つまり、好き嫌いのレビューではなく、プレゼンターでありたいと考えているのです。でも、こらから探そうという方にとっては、どれが良いの?ってお感じになるのはもっともでしょうね。
先に書きましたとおり、ニュー・カントリーにはいろんな音楽スタイルがありますので、ponさんが今どんなアーティストにご興味を持たれているかを、お教えいただけませんか?つまり、あまりカテゴリー分けを強調するのも考え物ですし、実際はそんなに明快に分けられないのですが、①ホンキー・トンク~ストレート系、②ポップ~コンテンポラリー系、③ロッキン・サウンド系、④アメリカーナ系(売れ線でなく、ルーツ志向)、これらのどのあたりがお好みなのかです。
オムニバス的なモノとしては、今ちょうど良いアルバムがビルボード・カントリー・チャートにチャート・インしています。「Now That's What I Call Country」です。④のアメリカーナを除く、大方のスタイルの最近ヒット曲が収録されていますので、良いと思いますよ。
今後とも交信をよろしくお願いいたします。
こんなに細かくご親切に解説していただけるとは思ってもみなかったので、大変うれしかったです。
カントリーにもさまざまな音楽のスタイルがあるんですね。たしかに、ご紹介頂いているアーティストの中から、興味のあるものを
”YouTube”で聞いたりしましたが、
Darius Ruckerさんには驚きました。
差別的な考えではなく、黒人の方がカントリー
歌うとは思ってもみなかったので・・・。
気に入ったものは、そのDarius Ruckerや
Kenny Chesny、Crystal Shawanda、
Heidi Newfieldです。(多いですね)
オムニバス!そうそれです。希望していたものは。
ありがとうございます。
これからも、私の中でのヒットはまだ続きそうなので、ちょくちょく見させてもらいます☆
教えていただきましたこの4人がお好きとなると、ポップ~コンテンポラリー系をメインに、ロッキン系までカバーされてる、意気の良いサウンドがお好きな、立派な王道のカントリー・ピープルですね。シンガー的には、割と情熱派でラフな辛め歌声がお好きでしょうか。Kennyは綺麗な声ですけど、情感を込めますしね。
となりますと、「カテゴリー」欄でピックアップしている、Miranda Lambert、Lady Antebellumあたりはいかがでしょうか?それと、Darius Ruckerがお好きなら、Brad Paisleyがプロデューサーも同じで似たスタイルのサウンドです。Bradはデビュー当時はトラディショナル派である事をコメントしていましたが、最近作を聴くと硬派なカントリー・ギター・サウンドをメインとしたコンテンポラリー・サウンドです。後は、ベテランのMartina McBrideや、「カントリー(女性)」に入れているTrisha Yearwoodは、クオリティが高いです。
ご不明なところがありましたら、ご遠慮なくコメント入れてください。今後とも宜しくお願いします。
i Podで「K106.3」チャンネルをおうちで流しっぱなしにしているんですが、今日Darius Ruckerの「History In The Making」を初めて聴いて、きゅ~んとなって、今さらですが、さっそくYou Tubeをチェックしたら、びびび、びっくり。で、ググったら、ココに戻ってきたわけです。記事を読んで勉強させていただきました!!
ラインダンスをやっていましたが、ダンスやる人はダンスが目的の方も多く、なかなか純粋にカントリーミュージックのすばらしさをシェアできないのが、さみし~ので、今は踊っていません。
元々は映画「Urban Cowboy」からカントリー好きになり、Willie Nelsonが好きになって、マウイにまではまっちゃいました(笑)なーんて自己紹介?も含めて、長々と失礼しました。とっても良質なブログ(と呼んでいいんでしょうか)ですね、また寄らせていただきますね☆
KIKIでした。