ダイアリー・オブ・カントリーミュージック・ライフ

現代カントリー・ミュージックのアルバム・レビューや、カントリー歌手の参考になりそうな情報を紹介しています

2022年カントリーミュージック・ベスト5・アルバム

2022-12-28 | カントリー業界情報、コラム

 

今年は取り上げた数がすくなめだったのですが、自身の整理(?)の意味も含めて今年も5枚を選んでおきます。まだ取り上げきれてない気になる新作もあったのですが、また来年に取り上げれればと思います。基準は、個人的に好んで繰り返しよく聴いた事と、将来のカントリー界への貢献に対する期待を込めて選びました。全て女性アーティストになってしまいましたが・・・順番は、5位からリストアップします。

 

【5】ケルシー・バレリーニ Kelsea Ballerini - SUBJECT TO CHANGE

年甲斐もなく(?)、この人の穏やかな歌声や楽曲が結構好みです。"HEARTFIRST"がグラミー賞のカントリー部門でノミネートされており、評価も受けているようです。グランド・オール・オープリーのレギュラー・メンバーでカントリー・スターとしての正統性を持ちつつ、華やかでポップ界にも顔が利く稀有な存在で、引き続き今後も期待したいと思います。個人的には、"IF YOU GO DOWN(I'M GOIN' DOWN TOO)のクールな歌いっぷりや、単独作の小品"MARILYN"に、この人のセンスを感じます。

 

 

 

【4】ミランダ・ランバート Miranda Lambert - Palomino

この人の作品の品質の高さは相変わらずで、もっと上位でも良いのですが、すっかりベテランの余裕を感じるいぶし銀の作品ということで、この辺りにしました。ミニマムなロカビリー的なバンド・サウンドに立ち返り、そこにロックのカバーやファンク、そしてブルージーな曲想も取り込んで、今の南部サウンドを聴かせてくれた、と感じています。

 

 

 

【3】 マレン・モリス Maren Morris - Humble Quest

改めてこの人の歌声の深み、懐の深さに感心した作品です。結構、トラディショナルで地味目な曲調も配されてて、シングル・ヒットは"Circles Around This Town"くらいでしたが、CMAアワードとグラミー賞カントリー部門の両方でアルバム賞にノミネートされるほどで、トータルとして醸し出す雰囲気が豊かで奥行きを感じます。蛇足ですが、今年CMAカントリー・クリスマスで聴かせてくれたブルース"Merry Christmas Baby"もすこぶるノリが良くて、さすがと思いました。

 

 

 

【2】 ヘイリー・ホイッターズ Hailey Whitters - Raised

 

中堅クラスのアーティストですが、シンプルなカントリーのバンド・サウンドを堅持し、のどかなアコギでほっこりした音楽をベースとしつつ、ジョン・メレンキャンプばりのかつてのアメリカン・ロック・テイストも取り込みながら、シャープな歌声で個性を主張します。ちょっぴりひねったようなユーモラスな存在感は他では得難く、90年代カントリーを懐かしむ向きにもマッチする音楽です。

 

 

 

【1】アシュリー・マクブライド Ashley McBryde - Ashley McBryde Presents: Lindeville

 

今年はこの怪作、いや快作に尽きる!、という感じです。当たり前のようにグラミー賞カントリー部門のアルバム賞にノミネートされましたが、これは賞を獲ってほしいと思います。カントリーで、あまり好まれないイメージのコンセプト・アルバム(さらにジャケットに本人の顔が出ないことも稀)というスタイルで、しかも本人は主だったところしか歌わず、共作者とボーカルを分かち合うというのも常識はずれで、それがコンセプト作という敷居の高さに陥らずにイベント的な楽しさを醸し出しています。アシュリー・マクブライドという人は、実に思慮深い頭の良い人だと改めて感じました。

 

 

 

来年も、気になった作品に出合った時に、時期をみつけて記事を投稿という感じになりそうですので、ご理解をお願い致します。とにかく今のところは、来年(2023年)のグラミー賞が楽しみです。



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