マリリン・モンローのようなブロンドの女性が、南部の片田舎でブルージーなカントリー・ソングを歌う・・・・この手の音楽が好きな輩には何とも言えないクールな光景でしょう。そんな幻想を高い実力で実現してくれるのが、このアルバムの主役、マギー・ローズです。このデビュー・アルバム、マイナー・レーベルのリリースで、けしてヒットにはなっていませんが(カントリー・アルバム36位、シングル"Better"も46位止まり)、いわゆる評論化筋から大変高い評価を獲得しています。楽曲的にも佳曲ぞろいで、いい音を求めて止まない我が国の洋楽ファン、かつてのスワンプ系ロックや南部ソウルがお好きな方には結構気に入ってもらえると思います。
オープニングからどっぷりブルージーで聴き手を圧倒します。ゴスペル・タッチの重々しいコーラスからブルースへと展開する"Preacher's Daughter"。これでスタートするとは、只者ではないね。歌われる内容は、そのイメージどおり、南部では民謡時代からの伝統的なスタイルである殺人をテーマにしたマーダー・バラッドです。本アルバムからのシングル"Better"は、乾いたギター・サウンドで色付けされた美しい泣きのメロディが心を打つ名曲。マギーの切々と訴える表現力は新人とは思えない。お気に入りはサザン・ソウル調バラード"Put Yourself in My Blues"。ドブロによるアルペジオが神々しくもダウンホームな響きを奏で、ここでのマギーはコクのあるソウルフルな歌唱を聴かせてくれます。
一方、リズム・ナンバーでのパッションも強力です。"II Ain't Your Mama"のようなファンキーなミディアム・ナンバーでのエモーショナルな粘り腰や、カントリー・ストンプ"Hollywood"での切れ味など幅広い表現力を見せてくれるのです。"Hollywood"では、人間関係とか人の感情に関する限り、ハリウッドもナッシュビルも大差ないわ、と歌われていて、彼女自身の所信表明のようにも思える。
艶やかなヒット・カントリーとはひと味違う乾いた音色。クオリティは高く、とてもディープな肌触り。強い意志を感じさせるサウンド。しかし残念ながら、今のメジャー・カントリー界では売れないだろうな、と感じさせます。ただし、彼女自身の持つタレントは、キャリー・アンダーウッドやミランダ・ランバートなどには全く引けを取らないと思います。ルックスもね。自身のやりたい音楽とメジャー・カントリー・ファンの嗜好とをどうマッチさせていくか。。今後に注目したいアーティストです。
(プロフィール) 本名Margaret Rose Durante。1988年にメリーランド州Potomacで生まれました。ステージで歌い始めたのは16才の頃。Bストリート・バンドというブルース・スプリングスティーンのカバー・バンドのライブで頻繁にプレイしました。Clemson大学に入る前の事です。その大学も、2年で退学してしまいます。音楽活動に専念する為です。そして、ホール&オーツやマライア・キャリー、そしてマイケル・ジャクソンと仕事で知られる、アメリカン・ミュージック界の仕掛け人、Tommy Mottolaのアドバイスによりナッシュビルへ向かうのです。彼のおかげで、Universal Republicとの契約にもこぎ着け、King of Leonの"Use Somebody"をデビュー・シングルとしてリリース。翌年そのレーベルは離れますが、新たにEmrose Recordsと契約し、Margaret Durante名義で幾つかのシングルやEPをリリースします。そして2012年にその名をマギー・ローズとして"I Ain't Your Mama"を、続く2013年ついにデビュー・アルバム「Cut to Impress」のリリースにこぎ着けたのです。本アルバムのプロデューサーの一人、Jemas Stroudに彼女を紹介したのがTommy Mottolaだったよう。
オープニングからどっぷりブルージーで聴き手を圧倒します。ゴスペル・タッチの重々しいコーラスからブルースへと展開する"Preacher's Daughter"。これでスタートするとは、只者ではないね。歌われる内容は、そのイメージどおり、南部では民謡時代からの伝統的なスタイルである殺人をテーマにしたマーダー・バラッドです。本アルバムからのシングル"Better"は、乾いたギター・サウンドで色付けされた美しい泣きのメロディが心を打つ名曲。マギーの切々と訴える表現力は新人とは思えない。お気に入りはサザン・ソウル調バラード"Put Yourself in My Blues"。ドブロによるアルペジオが神々しくもダウンホームな響きを奏で、ここでのマギーはコクのあるソウルフルな歌唱を聴かせてくれます。
一方、リズム・ナンバーでのパッションも強力です。"II Ain't Your Mama"のようなファンキーなミディアム・ナンバーでのエモーショナルな粘り腰や、カントリー・ストンプ"Hollywood"での切れ味など幅広い表現力を見せてくれるのです。"Hollywood"では、人間関係とか人の感情に関する限り、ハリウッドもナッシュビルも大差ないわ、と歌われていて、彼女自身の所信表明のようにも思える。
艶やかなヒット・カントリーとはひと味違う乾いた音色。クオリティは高く、とてもディープな肌触り。強い意志を感じさせるサウンド。しかし残念ながら、今のメジャー・カントリー界では売れないだろうな、と感じさせます。ただし、彼女自身の持つタレントは、キャリー・アンダーウッドやミランダ・ランバートなどには全く引けを取らないと思います。ルックスもね。自身のやりたい音楽とメジャー・カントリー・ファンの嗜好とをどうマッチさせていくか。。今後に注目したいアーティストです。
(プロフィール) 本名Margaret Rose Durante。1988年にメリーランド州Potomacで生まれました。ステージで歌い始めたのは16才の頃。Bストリート・バンドというブルース・スプリングスティーンのカバー・バンドのライブで頻繁にプレイしました。Clemson大学に入る前の事です。その大学も、2年で退学してしまいます。音楽活動に専念する為です。そして、ホール&オーツやマライア・キャリー、そしてマイケル・ジャクソンと仕事で知られる、アメリカン・ミュージック界の仕掛け人、Tommy Mottolaのアドバイスによりナッシュビルへ向かうのです。彼のおかげで、Universal Republicとの契約にもこぎ着け、King of Leonの"Use Somebody"をデビュー・シングルとしてリリース。翌年そのレーベルは離れますが、新たにEmrose Recordsと契約し、Margaret Durante名義で幾つかのシングルやEPをリリースします。そして2012年にその名をマギー・ローズとして"I Ain't Your Mama"を、続く2013年ついにデビュー・アルバム「Cut to Impress」のリリースにこぎ着けたのです。本アルバムのプロデューサーの一人、Jemas Stroudに彼女を紹介したのがTommy Mottolaだったよう。
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