パッと見は厳ついタダのおっチャン風だけれども、アーシーでエッジの効いた、輝きと憂いの同居した魅力的なテナー・ボイスを持つGary Allan。厳ついと言っても、最近のキース・リチャーズ(ローリング・ストーンズ)に比べたら可愛いもの・・・。2007年の作品です。南カリフォルニア出身なので、ベイカーズフィールド・サウンド(Merle Haggard、Buck Owens、Dwight Yoakam)をベースにした音楽で伸して来た人ですが、前作からロック路線に。この最新作のサウンドも硬質で結構緊迫感をはらんだサウンドが基調となっています。ポップとカントリー・チャートの両方で、3位到達済み。
今年に入ってカントリー2位を獲得したリード・シングル"Watching Airplanes"。これは佳曲!骨太なリズムと、マンドリンがうまく絡んだソリッドで辛いサウンドに乗ったGaryの声はメロディアスで魅力に溢れています。イイ声してますねぇ!ストリングスが曲にアクセントを与えますが、通常やるように雰囲気をマイルドにするというのではなく、乾いた音色でアグレッシブに曲を煽り立てるような、ロック的アレンジです(つまり、ビートルズとジョージ・マーティンが"エリナー・リグビー"で”発明”したアレ)。このストリングスの使い方は、アルバムのアチコチで聴かれ、トータルのイメージ作りに大きく寄与している、なかなかに個性的なモノ。そして、技巧的でエフェクトの類がふんだんにフィーチャーされたサウンド作りは、カントリー云々は別として、アルバムに適度な陰影を散りばめていてユニークであります。続く Jim LauderdaleとGaryの共作"We Touched the Sun"もハードなアレンジのバラード・ナンバーで、 乾いたブルーなイメージのスライド・ギターと歌声がなかなかにしみます。一方、"She's So California"は、カントリー・ロックのテイストが支配する、この作品の中では比較的ストレートなカントリー・ナンバーで、実に快調。"As Long as You're Looking Back"あたりも、キーボードが加わりますが、親しみやすい同系統のミディアム曲です。このアルバム中、オアシスのような貴重なバラードが"Yesterday's Rain"、スティールやフィドルがフィーチャーされ、ホッと一息つかせてくれる逸品です。Garyの枯れた力のある声がたっぷりと堪能できます。やっぱり、もうチョッとこの手のバラード曲が聴きたいかなぁ。
"Like It's A Bad Thing"、"Wrecking Ball"、"Trying To Matter"やタイトル・ソング"Living Hard"は、攻撃的なギター・リフが炸裂するダウンホームなスワンプ・ロック曲。Garyのエモーショナルな歌声もそのサウンドに負けじと燃え盛ります。"Living Hard"のエンディングはライブのクライマックスをイメージしてて、Garyのワイルドな締めのシャウトも飛び出します。こういうのを聴くと、この手のスタイルのハード・カントリーが、あくまでアリーナでファンを楽しませる事を想定してレパートリーに加えられているんだろうと思うのです。今のアメリカン・ミュージック界の中で、スワンプなロック・チューンを堪能できる事が、カントリーの大きな魅力の一つになっている事が見て取れます。
1967年カリフォルニア州はMontebello生まれ。10代からホンキー・トンクでプレイし高校生にして既にレコーディングをしていました。1996年に当時のDeccaレーベルからデビューし、早速カントリーでトップ10ヒットを飛ばします。そのDeccaの終息後はMCAに移籍し、1999年の「Smoke Rings in the Dark」ではプラチナ・ディスクを獲得するまでに。しかし、CMA アワードでHorizon awardにノミネートされたのは2003年になってからでした。2004年には奥さんが自殺を図る不幸に見舞われましたが、たくましく活動を続けて言います。
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今年に入ってカントリー2位を獲得したリード・シングル"Watching Airplanes"。これは佳曲!骨太なリズムと、マンドリンがうまく絡んだソリッドで辛いサウンドに乗ったGaryの声はメロディアスで魅力に溢れています。イイ声してますねぇ!ストリングスが曲にアクセントを与えますが、通常やるように雰囲気をマイルドにするというのではなく、乾いた音色でアグレッシブに曲を煽り立てるような、ロック的アレンジです(つまり、ビートルズとジョージ・マーティンが"エリナー・リグビー"で”発明”したアレ)。このストリングスの使い方は、アルバムのアチコチで聴かれ、トータルのイメージ作りに大きく寄与している、なかなかに個性的なモノ。そして、技巧的でエフェクトの類がふんだんにフィーチャーされたサウンド作りは、カントリー云々は別として、アルバムに適度な陰影を散りばめていてユニークであります。続く Jim LauderdaleとGaryの共作"We Touched the Sun"もハードなアレンジのバラード・ナンバーで、 乾いたブルーなイメージのスライド・ギターと歌声がなかなかにしみます。一方、"She's So California"は、カントリー・ロックのテイストが支配する、この作品の中では比較的ストレートなカントリー・ナンバーで、実に快調。"As Long as You're Looking Back"あたりも、キーボードが加わりますが、親しみやすい同系統のミディアム曲です。このアルバム中、オアシスのような貴重なバラードが"Yesterday's Rain"、スティールやフィドルがフィーチャーされ、ホッと一息つかせてくれる逸品です。Garyの枯れた力のある声がたっぷりと堪能できます。やっぱり、もうチョッとこの手のバラード曲が聴きたいかなぁ。
"Like It's A Bad Thing"、"Wrecking Ball"、"Trying To Matter"やタイトル・ソング"Living Hard"は、攻撃的なギター・リフが炸裂するダウンホームなスワンプ・ロック曲。Garyのエモーショナルな歌声もそのサウンドに負けじと燃え盛ります。"Living Hard"のエンディングはライブのクライマックスをイメージしてて、Garyのワイルドな締めのシャウトも飛び出します。こういうのを聴くと、この手のスタイルのハード・カントリーが、あくまでアリーナでファンを楽しませる事を想定してレパートリーに加えられているんだろうと思うのです。今のアメリカン・ミュージック界の中で、スワンプなロック・チューンを堪能できる事が、カントリーの大きな魅力の一つになっている事が見て取れます。
1967年カリフォルニア州はMontebello生まれ。10代からホンキー・トンクでプレイし高校生にして既にレコーディングをしていました。1996年に当時のDeccaレーベルからデビューし、早速カントリーでトップ10ヒットを飛ばします。そのDeccaの終息後はMCAに移籍し、1999年の「Smoke Rings in the Dark」ではプラチナ・ディスクを獲得するまでに。しかし、CMA アワードでHorizon awardにノミネートされたのは2003年になってからでした。2004年には奥さんが自殺を図る不幸に見舞われましたが、たくましく活動を続けて言います。
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