いかにも酒が好きそうなバンド名Whiskey Falls、2007年デビューの新人です。一言で言うなら、カントリー・ロック・スタイルのバンドと言って良いでしょう。セルフ・タイトルのデビュー作「Whiskey Falls」はカントリー・チャートで25位がピークと、まずまずのスタートを切っています。製作会社のプロデューサーやソングライターとして働いていたSeven Williams(メイン・ボーカル)と Wally Brandt(ベース)がたまたま自分達の楽曲がヒットした事に自信を持ち、ナッシュビルに来たのが2006年。そこで、ロックバンドBrother Caneの創立メンバーだったDamon Johnson(リード・ギター)と、ドゥービー・ブラザーズやマイリー・サイラスのサポートをこなしていたBuck Johnsonと合流(ここらでカリフォルニアと行き来していたのかな?)して、この経験豊かな新人バンドが誕生したのです。
左から、デモン、セブン、バック、ウォリー
私、彼らの曲はMySpaceでチェックしてた程度だったのですが、ライブを聴き終わって熊本タワーレコードの特設売り場にCDを買いに走りました。今はこの手のスタイルを積極的には求めないのですが、野外アリーナで聴くとやっぱり血がうずくというか、サウンドチェック時点のデモン・ジョンソンのギターの音色で既にしびれてましたから。奥行きとキレとラフさがすべてかね備わった、グッド・サウンド!そしてそのバンド・アンサンブルは、ワイルドなんだけど全く狂いなくガッチリと構築されてましたね。こんな連中が、まだ中堅だなんて、カントリー・フィールドの層の厚さったら!それにも増して彼らのトレードマークであるダウン・トゥ・アースなコーラスも凄かった。やってくれましたよ、イーグルスの"Seven Bridges Road"。イーグルスより、幾分熱気を投入して、それでも乱れないコーラスの妙技。会場の大半を占めるトラディショナルなファンの方々は面食らったかもしれませんが、ご勘弁ください。コレが今のアメリカの音なんですから、しょーがない。オリジナルのヒット曲"Last Train Running"、"Falling Into You(嗚呼!)"を終盤に持ってきて最高潮に達したところで、とどめの"Sweet Home Alabama"。全員でリード・ボーカルを廻していましたが、メインのセブン・ウィリアムスって、レイナード・スキナードの伝説的ボーカリスト、ロニー・ヴァン・ザントの再来、と言ったらほめすぎ?70年代のアメリカンロック・ファンの皆様、とにかく聴いてみてください。
Q: あなたがたにとって初めての来日ですか?日本のカントリー・シーンにどんな印象を持っていますか?
(セブン): みな初めてさ。僕たちにとってこれまででもっとも驚くべき体験で、人々はとてもフレンドリー、温かく歓迎してくれてる。町を歩く事から、カントリーゴールドの一員になれたことまで、思い出は忘れないだろう。
(バック): 日本の人たちのプレイするカントリーはとてもいいね。(バンド全員Yes、Yes)
(デモン): 短い時間だけれども、ウィスキー・フォールズのようなバンドにとって学ぶ事の多い体験だよ。カントリー・ゴールドはアメリカでも有名で皆知ってる。友達にCGに参加すると言ったら、関心してたよ。
(ウォリー): ニホンワキレイデスネ!
Q: あなた方は、自身の音楽を、特に影響を受けた“Hotel California” と“Sweet Home Alabama”から、“Cala-Bama”ミュージックと読んでるそうですね。 カントリー・ミュージックは、今後ロックに近づいていくのでしょうか?
(デモン): いい質問だね。僕はカントリーは常に幅広いジャンルをカバーしていくだろうと思う。そして、ウィスキー・フォールズはバンドとしてコンテンポラリーサウンドを目指すと共に、伝統やカントリー・レジェント達にも敬意を表しているよ。僕たちのクリエイトするボーカル・ハーモニーにフォーカスした音楽を誇りに思う。僕たちはアコースティックなプレイも出来るし、エレクトリックでも出来る。僕は、ナッシュビルは両方のスタイルのショーケースになり続けると思うし、全てがカントリー・ロックには行かないと思う。常に素晴らしいブルーグラスがあるし、偉大な伝統的ライターもいるしね。
(バック): カントリーは変わってないし、これからも変わらないだろうと思うよ。リラックスし、物語を伝え、メロディーは皆で歌うことが出来る、それがカントリー・ソングを形作ってるのさ。
Q: あなた方の素晴らしいハーモニーは、誰から影響されましたか?イーグルスはもちろんですね。
(全員で): そうさ!そうさ!
(デモン): 確かにね。皆それぞれに子供の頃から歌ったりバンドやってたりして、そして一緒になった時に話し合って、良いハーモニーを持つ伝統的なカントリーとクラシック・ロックに注目していくことにした。ガトリン・ブラザーズ(Gatlin Brothers)やオークリッジ・ボーイズ(Oak Ridge Boys)、アラバマ(Alabama)、イーグルス、CS&Nなど、僕たちは全てのバンドが好きさ。
Q: 最後に、日本の音楽ファンにカントリー・ミュージックの魅力を伝えるメッセージをお願いします。
(セブン): カントリー・ミュージックの凄いところとして僕が考えるのは、人々のリアルな生活の物語を伝えてる事。みなさんの文化や言語がどんなであろうと、経験を積んでいくには、皆ハードに働かなくちゃいけないし、恋に落ちたり、失恋しなきゃいけない。僕たちの人生全てについての物語、それが世界に通じるカントリー・ミュージックさ。人生こそが人々にとっての言葉なんだからね。
カジュアルないでたちやこの後の迫力のパフォーマンスとは裏腹に、とても真摯に答えてくれてプロフェッショナルなジェントルマン達という印象でした。バイオからすると、当然かもしれません。彼らのようなカントリー・ロック・バンドの口から、カントリー・ミュージックとは何なのか?、コンテンポラリー・カントリー・サウンドとは何なのか?を聞き出せた事は有意義でした。カントリー・フィールド全体への冷静な考察と伝統への敬意、その中での自分達の役割をしっかり認識していますね。特に感動的だったのが最後のセブンの言葉。そして、バックも簡潔に説明してくれています。直接彼らが語ると本当に説得力があるし、彼らがロック・バンドではなくカントリー・アーティストである根拠が、この言葉に凝縮されてると思うのです。
また、ついつい日本のカントリー・ファンが見落としがちな、カントリー・コーラスの伝統ってものもあるのだ、という事も気付かせてくれました。デモンが言及した3組以前にさかのぼっても、今年カントリー殿堂入りしたスタットラー・ブラザーズ、ジョーダネアーズ、サンズ・オブ・パイオニアーズなど、多くのレジェンドがいますからね。ホンキー・トンクだけが伝統のスタイルではない。彼らは、この脈々と受け継がれてきたカントリー・コーラスをベースにして、ロック世代ならではの感覚とテクニックを投入して現代のカントリーをクリエイトしてると主張しているのです。だから、俺達がカントリーの名の下にロックをやってる、だなんて言わせないヨ!てこと。
そして次回は、ヘッドライナーのダークス・ベントリーです。
左から、デモン、セブン、バック、ウォリー
私、彼らの曲はMySpaceでチェックしてた程度だったのですが、ライブを聴き終わって熊本タワーレコードの特設売り場にCDを買いに走りました。今はこの手のスタイルを積極的には求めないのですが、野外アリーナで聴くとやっぱり血がうずくというか、サウンドチェック時点のデモン・ジョンソンのギターの音色で既にしびれてましたから。奥行きとキレとラフさがすべてかね備わった、グッド・サウンド!そしてそのバンド・アンサンブルは、ワイルドなんだけど全く狂いなくガッチリと構築されてましたね。こんな連中が、まだ中堅だなんて、カントリー・フィールドの層の厚さったら!それにも増して彼らのトレードマークであるダウン・トゥ・アースなコーラスも凄かった。やってくれましたよ、イーグルスの"Seven Bridges Road"。イーグルスより、幾分熱気を投入して、それでも乱れないコーラスの妙技。会場の大半を占めるトラディショナルなファンの方々は面食らったかもしれませんが、ご勘弁ください。コレが今のアメリカの音なんですから、しょーがない。オリジナルのヒット曲"Last Train Running"、"Falling Into You(嗚呼!)"を終盤に持ってきて最高潮に達したところで、とどめの"Sweet Home Alabama"。全員でリード・ボーカルを廻していましたが、メインのセブン・ウィリアムスって、レイナード・スキナードの伝説的ボーカリスト、ロニー・ヴァン・ザントの再来、と言ったらほめすぎ?70年代のアメリカンロック・ファンの皆様、とにかく聴いてみてください。
Q: あなたがたにとって初めての来日ですか?日本のカントリー・シーンにどんな印象を持っていますか?
(セブン): みな初めてさ。僕たちにとってこれまででもっとも驚くべき体験で、人々はとてもフレンドリー、温かく歓迎してくれてる。町を歩く事から、カントリーゴールドの一員になれたことまで、思い出は忘れないだろう。
(バック): 日本の人たちのプレイするカントリーはとてもいいね。(バンド全員Yes、Yes)
(デモン): 短い時間だけれども、ウィスキー・フォールズのようなバンドにとって学ぶ事の多い体験だよ。カントリー・ゴールドはアメリカでも有名で皆知ってる。友達にCGに参加すると言ったら、関心してたよ。
(ウォリー): ニホンワキレイデスネ!
Q: あなた方は、自身の音楽を、特に影響を受けた“Hotel California” と“Sweet Home Alabama”から、“Cala-Bama”ミュージックと読んでるそうですね。 カントリー・ミュージックは、今後ロックに近づいていくのでしょうか?
(デモン): いい質問だね。僕はカントリーは常に幅広いジャンルをカバーしていくだろうと思う。そして、ウィスキー・フォールズはバンドとしてコンテンポラリーサウンドを目指すと共に、伝統やカントリー・レジェント達にも敬意を表しているよ。僕たちのクリエイトするボーカル・ハーモニーにフォーカスした音楽を誇りに思う。僕たちはアコースティックなプレイも出来るし、エレクトリックでも出来る。僕は、ナッシュビルは両方のスタイルのショーケースになり続けると思うし、全てがカントリー・ロックには行かないと思う。常に素晴らしいブルーグラスがあるし、偉大な伝統的ライターもいるしね。
(バック): カントリーは変わってないし、これからも変わらないだろうと思うよ。リラックスし、物語を伝え、メロディーは皆で歌うことが出来る、それがカントリー・ソングを形作ってるのさ。
Q: あなた方の素晴らしいハーモニーは、誰から影響されましたか?イーグルスはもちろんですね。
(全員で): そうさ!そうさ!
(デモン): 確かにね。皆それぞれに子供の頃から歌ったりバンドやってたりして、そして一緒になった時に話し合って、良いハーモニーを持つ伝統的なカントリーとクラシック・ロックに注目していくことにした。ガトリン・ブラザーズ(Gatlin Brothers)やオークリッジ・ボーイズ(Oak Ridge Boys)、アラバマ(Alabama)、イーグルス、CS&Nなど、僕たちは全てのバンドが好きさ。
Q: 最後に、日本の音楽ファンにカントリー・ミュージックの魅力を伝えるメッセージをお願いします。
(セブン): カントリー・ミュージックの凄いところとして僕が考えるのは、人々のリアルな生活の物語を伝えてる事。みなさんの文化や言語がどんなであろうと、経験を積んでいくには、皆ハードに働かなくちゃいけないし、恋に落ちたり、失恋しなきゃいけない。僕たちの人生全てについての物語、それが世界に通じるカントリー・ミュージックさ。人生こそが人々にとっての言葉なんだからね。
カジュアルないでたちやこの後の迫力のパフォーマンスとは裏腹に、とても真摯に答えてくれてプロフェッショナルなジェントルマン達という印象でした。バイオからすると、当然かもしれません。彼らのようなカントリー・ロック・バンドの口から、カントリー・ミュージックとは何なのか?、コンテンポラリー・カントリー・サウンドとは何なのか?を聞き出せた事は有意義でした。カントリー・フィールド全体への冷静な考察と伝統への敬意、その中での自分達の役割をしっかり認識していますね。特に感動的だったのが最後のセブンの言葉。そして、バックも簡潔に説明してくれています。直接彼らが語ると本当に説得力があるし、彼らがロック・バンドではなくカントリー・アーティストである根拠が、この言葉に凝縮されてると思うのです。
また、ついつい日本のカントリー・ファンが見落としがちな、カントリー・コーラスの伝統ってものもあるのだ、という事も気付かせてくれました。デモンが言及した3組以前にさかのぼっても、今年カントリー殿堂入りしたスタットラー・ブラザーズ、ジョーダネアーズ、サンズ・オブ・パイオニアーズなど、多くのレジェンドがいますからね。ホンキー・トンクだけが伝統のスタイルではない。彼らは、この脈々と受け継がれてきたカントリー・コーラスをベースにして、ロック世代ならではの感覚とテクニックを投入して現代のカントリーをクリエイトしてると主張しているのです。だから、俺達がカントリーの名の下にロックをやってる、だなんて言わせないヨ!てこと。
そして次回は、ヘッドライナーのダークス・ベントリーです。
Sweet Home Alabamaはプレゼントみたいでした。
所で教えて下さい。
今チャートに乗っている Kid Rock の All Summer Long はアレンジ版なのですか?
PS. 写真お役に立てましたね。
"All Summer Long"は、3曲を組み合わせたもののようです。コード的にはウォーレン・ジボンの"Werewolves of London"と、"Sweet Home Alabama”から持ってきてるとか・・・どうもジュークボックスやトラック・ドライバーに受けるように、クラシック・ロックにフォーカスしたよう。音はチョッと甘くてあまり良いとは思えませんねぇ。そういうところが逆に受けるのでしょうかね。
またよろしくお願いいたします。