ダイアリー・オブ・カントリーミュージック・ライフ

現代カントリー・ミュージックのアルバム・レビューや、カントリー歌手の参考になりそうな情報を紹介しています

Sugarland シュガーランド Love on the Inside レビュー

2008-07-26 | カントリー(女性)
 先日予告情報をご紹介させていただいたシュガーランドのサード・アルバム「Love on the Inside~Deluxe Fan Edition」が発売されました。ボーナストラック5曲が多めに収録されています。その音は予告どうり、彼ららしくロッキッシュなイメージは保ちつつも、サウンドの表層は今までに比べたら幾分マイルド、オーガニックでアコースティックな響きがメインになっています。そして厚く重いリズム・セクションと絡み合って、実に聴き応えのある音なのです。プロデューサは前作と同じByron Galimoreなのですが、ボーカルのジェニファー・ネトルズ(Jennifer Nettles)曰く、「私達は我が家で・・・地元アトランタで録音したの。ラッキーにも素晴らしいByron Galimoreがナッシュビルから来てプロデュースしてくれて、そしてミュージシャン達もナッシュビルやロサンジェルスから来てくれたの。丸々一ヶ月アトランタで過ごしてくれたわ」こうして、このアルバムは、ミュージシャンが一同に会してプレイして録音すると言うオーソドックスな録音スタイルで短期間で収録されたのです。それはシュガーランドがメジャー・デビュー以前に親しんでいた、そして今のナッシュビルとは違うやり方であり、結果として躍動感に満ちたライブ感とともに和み感のあるアルバムが出来上がったのです。

(※このLove on the Insideの制作エピソードを語ったインタビューをコチラで紹介しています

 

 リード・シングル"All I Want to Do"にしても、楽曲はダンサブルでキャッチーですが、結構音に隙間が多く、その分リズム・セクションのファンクネスがジワジワと効いてくるという個性的なサウンド。ジェニファーも終盤でソウルフルなアドリブを聴かせてくれます。続く"It Happens"がアコースティック・ギターのストロークが気持ちよく快調なロッキン・カントリー。コーラスがカッコイイお気に入り曲です。"Take Me As I Am"はアルバム中最もヘビーなナンバー。前作の軽やかにキレまくっていたサウンドとの音の違いが良く分かります。オープリーのレジェンド・スターで有能なコンポーザーであるBill Andersonとの共作曲"Joey"は、さすが御大!シンプルで親しみやすいメロディの爽快なミディアム曲。ジェニファーの声もノビノビしていて、いつもながらに上手いなぁと思います。それにしても"Joey" "Genevieve" "Maggie Durant" "Steve Earle"など、第3者を設定するのがシュガーランド作品の特徴のようです。ポール・マッカートニーみたいね。メロウ系のスローでは"Already Gone"が印象的です。スケールの大きい"Love"もグッド。

 

 さらにこのアルバムを特徴付けているのが、よりプリミティブなアコースティック・サウンドをフィーチャーしたトラディショナル・スタイルのカントリー・ナンバーです。"We Run" "Genevieve"(歌いだしのメロディーは"Long Black Veil"とおんなじ)、「Steve Earle、私に曲を書いてよ」と歌うノヴェルティ・ソング"Steve Earle"あたりがハイライトのトラディショナル・スタイルで、コレを待ってました!と言いたいくらいカントリーらしさに溢れたジェニファーの歌声がありがたい。カントリー・バラード系では、"Keep You""What I'd Give"そしてレギュラー盤ではラストの"Very Last Country Song"あたりが、ピュアなアコースティック・アレンジのおかげでこれまで聴く機会の少なかった、ジェニファーの切々と静かに、しかし強く訴える歌声が楽しめます。

 ボーナス曲の冒頭3曲もレギュラー盤に負けず劣らず(チョッと地味ですが)佳曲ぞろいで、アレンジが少しシンプルめのカントリー・バラード2曲、コーラスのリフレインがなかなかキャッチーなアップテンポ1曲が入れられています。そしてラスト2曲のライブ。"Life In A Northern Town"は聴いてビックリ。1980年代にヒットしてMTVでも良く見た、ポップ・グループDream Academyの懐かしい曲。それもLittle Big TownとJake Owenとの共演というもの楽しい話題。結構ポップな曲よ。2007年12月ノースカロライナはFayettevilleでの録音。もう1曲"Come On Get Higher"はシンガーソングライターMatt Nathansonの「Some Mad Hope」収録曲のカバー。アコギ1本で歌われるフォーキーな曲です。2008年5月、バージニアはBristowでの録音。

 
 Dream Academy

 このCD、ボーナスヴィデオ("All I Want to Do"と、アルバムのメイキング映像20分)も見れるようですが、CDに収録されているのではなくウェッブからダウンロードする形になっています。あと、今年のCMAアワードへの旅行チケットも5人当たるとか・・・

 ●SugarlandのMySpaceサイトはコチラ


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
出だし好調 (t@ke)
2008-08-03 17:36:29
早速アルバム・チャート1位になりました。
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出だし好調 (bigbird307)
2008-08-04 23:47:33
t@keさん、こちらにも有難うございます。

Deluxe Fan Editionとしてチャートインして
いますね。ではレギュラー盤も別にランキング
されるのかな?

スーパースターのSugarlandが原点回帰に向いた
事で、カントリー・サウンドのトレンドも変化
してくるかもしれませんね。
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