ダイアリー・オブ・カントリーミュージック・ライフ

現代カントリー・ミュージックのアルバム・レビューや、カントリー歌手の参考になりそうな情報を紹介しています

Sierra Hull シエラ・ハル- Daybreak

2011-06-19 | Bluegrass ブルーグラス レビューまとめ
 とても心地いい。

 2008年に若干16歳の天才少女!としてデビューし、なんと同年に来日ライブ・ツアーも行っている女性ブルーグラッサー、シエラ・ハルの2枚目です。19歳になり、グッと大人びて美しくなった姿がまず目に飛び込みます。ココら男性比率が高いと言われるブルーグラスファンは嬉しいところでしょう。そしてその音楽は、名だたる先達達~アリソン・クラウスロンダ・ビンセントクレア・リンらの影響をそこかしこに感じさせながらも、何より彼女の強みである若さをキーとした清涼感に満ち溢れたトラディショナル・スタイルが主軸になってると思います。その歌声には、キャリー・アンダーウッドの影もちらつき、楽曲含めてカントリー・ファンも楽しめますよ。自身のペンによる作品も中々のモノで、将来への期待が高まります。プロデュースはアリソン・クラウス&ユニオン・ステイションのベーシストBarry Bales。


 彼女の浮遊感漂う歌声の心地良さがフィーチャされているのが、シングルにもなったオープニングの"Easy come Easy Go"。この優しみ溢れるエンジェルボイスを聴いていると、やっぱりアリソン・クラウスの影響を感じるのですが、いまやすっかり大物の威厳を備えてしまったアリソンにはないフレッシュさがシエラならでは。同じく和み系作品は、"I'll Always Be Waiting For You"や牧歌的な"The Land of Living"あたりで楽しめます。一方、トラディショナルなブルーグラススタイルで唸らせてくれるのが、タイトな"Don't Pick Me Up"やインスト曲の"Bombshell"。スピード感溢れる展開の中で、存在感のある歌声と達者なマンドリンの腕前を披露してくれます。


 この"Bombshell"もそうですが、幾つかの曲では単独でソングライティングしており、その豊潤なタレントを感じさせてくれます。そのピークが、カントリー・バラードと言っても良いタイトルソング"DayBreak"。可憐ながらも物静かに感情を込めたシエラの歌声が感動的です。簡素なブルーグラスのバックが絶妙にサポートしシエラを引き立てます。ロンダ・ビンセントがやりそうなウェスタン・スウィング・スタイルの"Best Buy"も自作というのはビックリ。この若さでカントリーの伝統を吸収しきっているところは天才少女の面目躍如。

 このアルバム、一人の大人のアーティストとしてのアイデンティティが確立されつつある事を感じさせる、ナイスなセカンドアルバムだと思います。


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1 コメント

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購入予定です。 (I Love Country)
2011-06-20 19:35:46
いつも、ブログ拝見させてもらっています。
iTunesで早速視聴してみました。
年齢が19歳。
同年代の方のブルーグラスは初めて知りましたし、初めて聴きました。
素晴らしいですね!!
近々、購入しようと思っています。
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