"Stay a Little Longer"や"Rum" のシングルヒット、そして2016年の
デビュー・アルバム「Pawn Shop」で一躍注目を浴び、既にメインス
トリーム・カントリー界の一画を担う存在となった兄弟デュオ、ブザ
ーズ・オズボーンの、これは2018年のセカンドです。粘り腰のバリト
ン・ボイスでメロディアスに歌う弟、TJ・オズボーンと、ダウンホー
ムなブルーグラス・リックからアリーナを揺るがすロック・リフまで
縦横無尽に弾きこなす兄、ジョン・オズボーンのコンビで、ありがち
なポップ・ギター・サウンドとはまるで違う、カントリー・ミュージ
ックならではのアーシ―な音世界を提供してくれる、良いアーティス
トと思います。
出身は、メリーランド州のディールという漁業が産業の中心となる所。
父のレコード・ライブラリーで音楽に親しんだ兄弟は、10代になる
頃にはカバー・バンドで音楽をプレイするように。ボブ・シーガーか
らハンク・ウィリアムス、トム・ペティ、ジョージ・ジョーンズ、そ
してレイナード・スキナードまで、あらゆるタイプのダウンホーム
(「Pawn Shop」にこの名のナンバー有り)な音楽をプレイできる
事が売りで、地元の労働者達を虜にしたようです。
二人は別々にナッシュビル入りをしますが、2011年にデュオとしての
活動を開始。2013年にキャピトルからデビュー曲を発表、翌年には
"Rum"をリリースしました。そして、リトル・ビッグ・タウン、エリッ
ク・チャーチ、キャリー・アンダーウッドのプロデュースで著名な
Jay Joyceと組んだ"Stay a Little Longer"がビルボード・カントリ
ー・チャートの4位に到達、最終的にプラチナ・レコードになります。
2016年のアルバム「Pawn Shop」でその存在感を不動のモノにし、同年
のCMAアワードでボーカル・デュオ賞を獲得してしまうのです。
2018年まで3年連続で受賞し続けています。
この「Port Saint Joe」は、ファーストで確立した、エッジの効いた
硬質なカントリー・サウンドとワイルドなアメリカン・ロックのミッ
クスというスタイルをしっかり守っていますが、"Slow Your Roll"
や"A Couple Wrongs Makin' It Alright"では、ユルいファンキー
感がユニークで心地よいです。"Shoot Me Straight"では、豪快な
ロック・リフと後半のジャム・セッション的な展開が彼ららしい。
TJ・オズボーンの粘りのギターが冴えてます。
個人的には、スロー・ナンバーが特に気に入っています。アコーステ
ィックなワルツ"Tequila Again"、ソウルフルでドラマチックに展開
する"Weed,Whiskey and Willie"、サザン・ソウル調のギター・リフ
がペースを造る"Pushing Up Daisies (Love Alive)"あたりですね。
彼ら自作の、まさにダウンホームなメロディ・ラインが心に染み入
ります。
デュオといえば、あのFlorida Georgia LineやDan + Shay等のライバ
ルが多い中のCMAアワード連続受賞は立派です。その中で、ブラザ
ーズ・オズボーンが個性を維持して活躍し続けてくれる事を期待して
います。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます