ダイアリー・オブ・カントリーミュージック・ライフ

現代カントリー・ミュージックのアルバム・レビューや、カントリー歌手の参考になりそうな情報を紹介しています

Margo Price マーゴ・プライス - All American Made

2019-01-16 | カントリー(女性)

 昨年12月に発表された、2019年グラミー書のノミネートで、
オールジャンルの新人賞にマーゴ・プライスの名が有ったことは、不意
を突かれたような感じがありました。その原動力は、2017年にリリース
された、このセカンド・アルバムにより生まれた事は間違いないでしょ
う。いわゆる批評家筋からの評価は確かに高かったですから。コチラで
 の、デビュー作「Midwest Farmer's Daughter」のレビューへ頂いたコ
メントで、オーストラリアでも精力的なライブ活動をしている情報を
頂きましたが、そういったグローバルな活躍も力になってる感じがしま
す。

2016年の「Midwest Farmer's Daughter」は、クラシカルなホンキー・
トンク・スタイルを現代的にパワフルに蘇らせた注目盤でした。太い軸
のようなものが通った感じとでも言いましょうか。対して今作、オープ
ニングの"Don't Say It"からハイテンポなロカビリーで飛ばして行きま
す。サウンドの重心は前作より高めで軽やか、そして何より、楽曲のス
タイルが実に幅広くなっているのです。8ビートのロカビリー"Don't
Say It"からダンス・チューンの"Weakness"、テンポ・チェンジが印象
的なテックス・メックス調の"Pay Gap"。"Cocaine Cowboys"や"Do Right
by Me"に至っては、ユルめなファンク・ビートをフィーチャしています。



そんなバラエティに富んだ中でも、やはり心に染み入るのが、カントリ
ー・バラードの"Learning to Lose"。マーゴの飛び切り美しく艶やかな
声と、ゲストの超レジェンド、ウィリー・ネルソンの枯れた魂の声の
折り重なる様が良いです。それぞれ自分の持ち味で個性をぶつけ合いな
がらも、絶妙に溶けあっている感じがします。バラードでも、"Nowhere
Fast"の方は、複雑で深み有るサウンドも交えてオルタナ・カントリー
的な雰囲気の曲です。

歌詞の面では、デビュー作での自身の内面の描写から、例えば"Pay Gap"
で給料の性差を取り上げる等、社会状況へモノ申す姿勢も垣間見えた
りで、音楽のみならずアーティストとして幅を広げる意欲を見せていま
すね。こういったあたりが、ヒット・カントリーとは一味違う個性とし
て、アメリカ音楽界で認められたと思います。



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