ダイアリー・オブ・カントリーミュージック・ライフ

現代カントリー・ミュージックのアルバム・レビューや、カントリー歌手の参考になりそうな情報を紹介しています

「ロックを生んだアメリカ南部」ジェームス・M・バーダマン著

2007-05-01 | カントリー業界情報、コラム
 最近読んだ新刊本を御紹介します。この本は、ロックンロールの開発者の一人であるエルビス・プレスリーを起点に、ロックのルーツとなったブルース、ジャズ、コスペル、そしてうれしい事にカントリー・ミュージックについて、そのスタイルが形成される社会的背景、文化、歴史を、コンパクトながら丁寧に記したものです。今回はルーツということで昔のカントリー(ハンク・ウィリアムスあたりまで)がメイン・テーマですが、少しリーバ・マッキンタイアやガース・ブルックスの名が出てきたり、ドリー・パートンやロレッタ・リンに関するエピソードも紹介されています。他のジャンルと同じレベルのボリュームでカントリーにもページを割いているのがうれしいところです。ルーツ・ミュージックにご興味をお持ちになった方にお勧めと思いました。
 その中で、カントリーとはアパラチア山脈の伝承音楽から直結するのではなく、故郷から都会に出てきた人たちが故郷の山河を失った喪失感から生まれた音楽、という事が書かれています。カントリーを聞いている人でも、カントリーで何?と聞かれるとハタと困ります。現在のカントリーは、昔ながらのいかにもの(ホンキー・トンク)スタイルもあれば、ぱっと聞いた感じだけではロック/ポップスと変わらない物もあり、音楽のスタイルだけでは説明できないところがあります。そんなカントリーのアメリカでの位置づけを理解する参考になる考え方かな、と思いました。


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