ダイアリー・オブ・カントリーミュージック・ライフ

現代カントリー・ミュージックのアルバム・レビューや、カントリー歌手の参考になりそうな情報を紹介しています

Dierks Bentley 「Greatest Hits,Every Mile A Memory」

2008-06-02 | Dierks Bentley ダークス・ベントリー レビューまとめ
 まだ3枚しかアルバムをリリースしていないダークス・ベントリーが、早くもベスト・アルバムをリリースしました。それだけ彼の人気の立ち上がりがスゴイということですが、今年のカントリー・ゴールドで来日を控えている我々日本のカントリー・ファンには、ズバリ!のタイミング。というのも、新曲2曲だけでなく、ライブ・テイクが5曲も収められているのです。

 ダークス曰く、「僕のファンにエグゼクティブ・プロデューサーのような形で参加してもらうしか良い方法がないと思った。僕は、結果としてこのアルバムが熱心な僕のファンにとってパーフェクトになると共に、これから僕の音楽を知りたいと思っているカントリー・ファンにとっても僕のキャリアのクールな要約になる事を望むよ」その言葉のとうりこのベスト盤は、DB Hits/Fan Projectと命名されたプログラムによって、ライブ曲の選曲やジャケットそしてアルバム・タイトルに到るまで、ファンによって選考・決定されたもののようです。さすが、多い時には1年のうち300日以上ツアーに出ていた事もある、「カントリー界で最もハードに働く男」の異名を取るダークス。そのファンを大切にする心には脱帽です。

 新曲で注目は、Lyric StreetでアルバムをリリースしているSarah Buxtonをデュエット・パートナーとしてフィーチャーした"Sweet & Wild"。ダークスにしてはチョッと異色のポップで軽やかなミディアム、さり気なく歌いこなします。Sarahの声がキュートで、なかなかにほほえましいデュエットです。もう1曲の新曲"With the Band"は、バンジョーを隠し味にしたお得意のスカッと疾走するカントリー・ロック。

 
 Sarah Buxton

 そしてダークスが”熱心なファン”の為に収録したというライブ・バージョン5曲。彼のライブDVD「Live & Loud at the Fillmore」(日本のプレーヤーで再生できますよ)は既にリリースされていますが、3曲("So So Long ""Lot of Leavin' Left to Do""Free and Easy")はそれとも違うテイクということもあり、10月のライブ・イン・熊本を待ち望む日本のカントリー・ファンには大変嬉しいプレゼントです。スタジオ・バージョンとは違い、ミニマムな編成のツアー・バンドによるバックなので、音の厚みこそスタジオ・バージョンに劣ります(曲によって、バンジョーやスティールが省かれている)が、逆にロック・フレイバーを増幅した勢いと熱気で聴き手をねじ伏せてくれます。さらに観客の興奮ぶりが曲中でもキッチリ聴き取れて、彼がファンと一緒になってコンサートを創り上げている様子が手に取るように確認できますね。そしてダークスの歌声はまさにライブ感に溢れており、観客をグイグイ煽り立てる様は本当に頼もしくカッコイイ。"Lot of Leavin' Left to Do"なんて、演奏の適度な荒さが良くて臨場感タップリ、やはり生で楽しみたくなります。"Free and Easy"は、あのスティール・ギターがない分、ソリッドな曲の骨格が露になっていて、別アレンジの面白さが堪能できますよ。スタジオ盤を全部持っていたとしても、このライブ・テイクはファンなら聴いておかないと!商売上手い、というより、やはりサービス精神を称えるべきです。カントリーのライブCDって、本当にないから。

 

 良いタイミングでお得感タップリのベスト盤も出た事だし、とにかく今年の日本のカントリーは、ダークス・ベントレーで盛り上げていきましょう!

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