アメリカン・ミュージック・シーンのエンターテイナーと言っていい、キース・アーバンの2010年リリースの最新作です。既にCMAアワードでエンターテイナー賞を獲得した実績(2005年)もある彼。既に確立された、彼らしい実にスマートでスッキリ爽快なパワー・ポップ~アメリカン・ロック基調のサウンドで今回も楽しませてくれます。自分のモノにならない愛おしい女性を、せめて自分の歌の中に留めようという、キースお気に入りのテーマを歌った"Put You In A Song"。リードシングルとしてスマッシュ・ヒットしましたが、とにかくストレートなパワー・ポップ・ソングで、余計な解釈は不要。ロマンに満ちた人生の幸せを多くの曲で取り上げたアルバムの幕を開けるのにふさわしいスタイルです。
実はキースは"Put You In A Song"よりも、この曲を切りたかったと噂の"You Gonna Fly"。タメのあるミディアムとリズムとシャープなギター・リックが実にカッコよく、シングルにしたかったとの話も納得です。バンジョーでアーシーなテイストを加えているのが、これぞキース・アーバン・サウンド。サザン・ロック風のダウンホームさと、エモーショナルにむせび泣く渾身のギター・ソロ部分でのブリティッシュ・ハード・ロック調をドッキングさせた"Georgia Woods"と共に、私お気に入り曲です。
セカンド・シングルとしてリリースされた素敵なスロー・ナンバー"Without You"。ポール・マッカートニー~ジェームス・テイラーらが得意としたスタイルである、ポップでモダンなアコースティック曲です。そこにバンジョーのリズムと穏やかな響きのフィドルを加えることで、昼下がりのようなくつろぎを与えてくれます。見事なサウンド・デザイン、上手いねぇ。ところでこのアルバム。曲数が8曲と少な目なのが気になります。ブレイク・シェルトンの6Pack EPのようなビジネス戦略を狙ったのかな?なんか中途半場な感じもするけど、その分密度は濃い(いい曲のヒット率が高い)と言えるかな。
な~んて思ってたら、この度デラックス・バージョンがアメリカでリリースされました。未発表やライブ・バージョンを含む全15曲にボリュームアップしています。
1. Put You In A Song
2. You Gonna Fly
3. All For You
4. Long Hot Summer
5. Without You
6. Georgia Woods
7. Right On Back To You
8. Shut Out The Lights
9. Big Promises
10. The Luxury Of Knowing
11. Winning
12. Once In A Lifetime (Live in Gwinnett, GA)
13. You Look Good In My Shirt (Live in Gwinnett, GA)
14. Better Life (Live in Gwinnett, GA)
15. Everybody (Live In Gwinnett, GA)
アメリカで暮らしていますが日本語でのカントリーブログに出会えて嬉しいです☆