ダイアリー・オブ・カントリーミュージック・ライフ

現代カントリー・ミュージックのアルバム・レビューや、カントリー歌手の参考になりそうな情報を紹介しています

Wade Bowen ウェイド・ボウェン - Live at Billy Bob’s Texas

2011-03-06 | Texas・RedDirt テキサス・レッドダート レビューまとめ

 これぞ、現在テキサス・ミュージック・シーンだ!と言いたくなるような、絶好のライブCD&DVDのセット、Wade Bowenの「Live at Billy Bob’s Texas」です。Wadeは前作2008年の「If We Ever Make It Home」をビルボード・カントリー・アルバムの29位に食い込ませた実績を持つ、テキサス・ミュージック界のスター。その代表曲のオンパレードであるこのライブアルバム、Wadeのよく通るシワガレ声のテナー・ボイスの強さにまず脱帽。実に個性的なシンガーです。そして、骨太なリズムセクションとネチッこい音色のリードギターがタイトに引き締まった(ギター2本とキーボード、ベース、ドラムの)バンド・サウンドは、ここでしか味わえない南部らしいノリを生み出しています。そしてこのライブ・アルバム、嬉しい事にCD収録曲の全てが、ボーナスDVDで映像付きで楽しめるのです。カントリー・フィールドでは伝説な存在感を発散しているBilly Bob’s Texasの雰囲気や、コンパクトなステージでWade Bowenとバンドが観客と共に躍動する様子を見る事が出来て、テキサス・ミュージック・シーンの熱さが手に取るように確認できます。



 Wadeは、テキサス州Wacoで生まれ育ち、テキサス工科大学を卒業しました。現在はNew Braunfelsに、奥さんと2人の息子と共に暮らしています。2002年に自主制作盤「Try Not To Listen」でデビュー。同名曲がTexas Music Chartのトップ10に入り、一躍テキサス・シーンに躍り出ることに。2006年の「Lost Hotel」では、"God Bless This Town"が同チャートのトップを獲得。ビデオがCMTにおいてトップ20に入っただけでなく、同局の番組”CMT’s Pure Country 12 Pack”で数週間トップにランクされたのです。テキサスで確立された人気は、リー・アン・ウォマックLee Ann Womackのツアーに同行した事をキッカケに広がりを見せます。

 2008年には飛躍作、「If We Ever Make It Home」をリリース。ビルボードでは先述のカントリー・チャート29位だけでなく、 Top New Artistでは2位を獲得。またiTunesでは、リリース後1週間で最もダウンロードされたカントリー・アルバムの3位にランクされたのです。テキサスでは、"Nobody’s Fool"や"If We Ever Make It Home""Trouble゛ら4曲が、Texas Music Chartで1位をゲット、その人気を確固たるものにしました。そして2010年、本ライブアルバム「Live at Billy Bob’s Texas」をリリース。このアルバムには、ボーナスと題して2曲のスタジオ録音が収録されていて、"Matches"がシングル・リリースされました。この2曲のプロデュースは、ミランダ・ランバートのプロデュースで知られるFrank Liddell 。



 最後にBilly Bob’s Texasについて。テキサス州フォートワースにある、この6000人が収容可能なカントリー・ナイト・クラブの殿堂は、1981年、Billy Bob Barnettによってオープンし、Country Music Associationによる”Club of the Year”の2回の受賞を始めとして、様々なアワードを獲得してきました。別名、”The World’s Largest Honky Tonk”。元々は家畜小屋として20世紀の初めに建設されたもので、フォートワース市の100周年事業の一環で、保存の為か閉鎖された時期もあったよう。現在、メインストリームの大御所となっているアーティスト達~ジョージ・ストレイト、アラン・ジャクソン、リバ・マッキンタイア~が、無名時代にこのBilly Bob’sでブレイクして、スターダムを駆け上がって行きました。そしてカントリー界だけでなく、ポップ、R&B界のスター達~B.B.キング、ジェームス・ブラウン、ゴー・ゴー・ズ、メン・アット・ワーク、マーヴィン・ゲイ、ティナ・ターナー、パット・ベネターら~も出演していてその知名度は絶大なものになっています。



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