ダイアリー・オブ・カントリーミュージック・ライフ

現代カントリー・ミュージックのアルバム・レビューや、カントリー歌手の参考になりそうな情報を紹介しています

Maddie & Tae マディ&タエ - The Way It Feels

2020-06-06 | カントリー(女性)

2015年のデビュー・アルバム「Start Here」以来となる、マディ

&タエ待望のセカンド・アルバムが、ようやく今年リリースされ

ました。これほど間が空いたのは、デビューしたDotレーベルが

停止してしまい、ユニバーサルUMGに移籍した間のブランクが影

響したと思われます。

 

容的には、およそ1年前にご紹介したEP「One Heart to Another」

の5曲と、続けて昨年秋にリリースしたEP「Everywhere I'm Goin'」

の5曲に、らに新曲5曲を追加した全15曲となっていて、多くが

既発曲ですが、やはりアルバム単位でのリリースは何より存在感

が有ります。ングル・ヒット中のスロー・バラード”Die From a

Broken Heart”が、カントリー・シングルでトップ20入りしており、

売り上げでも既にゴールド・シングルになるなど、根強い人気が

有るところを見せてくれます。

 

 

全体としては、彼女達のこれまでのイメージ通りの安心して聴け

るカントリー・ポップ曲集という感じで、最近はリズム・ループ

でなんとなくせわしないサウンドが多くなっているメインストリ

ーム・カントリーの中では、有難い風です。オープニングの

”Everywhere I'm Goin'”は、スティール・ギターのフレーズも聴け

て豊かな曲想のコーラスが印象的な佳曲でお気に入りになってま

す。とにかく、彼女たちの個性である柔らかいハーモニーを上

く聴かせるスロー系に力点が置かれた作品集と言えますね。

 

 

という訳で、昨年、EP「One Heart to Another」で感じた心配も

同様に感じます。つまり、彼女達に好感をもってる私のよう

人間がゆったり楽しむには十分なんですが、はたしてこれで業界

内でアピールするかしら?という印象が残るのです。そもそも、

ャケット写真も、その1年前のEPのと同じフト・セッションで

撮られただろうショットを使ってるようで、待望のアルバムなの

にあまり手を掛けられてない印象がありありです。新たに追加さ

れた新曲は、かつてのモータウン風な”My Man”や、”Write a Book”

あたりで新たにグルーヴィーなテイストが加えられており、音

性を広げる方向性は見て取れるのですが、既発表曲との寄せ集

ルバムですので、新鮮さは限定的になりますね。

 

 

それでも、EP「One Heart to Another」に納められていた”Die From

a Broken Heart”がなかなかの中ヒットになってるので、余計な心配

であればよいのですが。意図しないレーベル移籍という不運な中で

も、CMAアワードのボーカルディオ部門では2015年からノミネート

れ続けていて、業界として不可欠な存在と認識されているので

ょう。ほとんどで二人がソングライティングに加わっているス

曲はいずれも十分なクオリティを持ちますので、引き続き堅にヒ

ットを重ねて欲しいと思います。

 

(追記)

その後、"Die From a Broken Heart”はじわじわとチャートを登り続け

8/17付けのカントリー・エアプレイ・チャートで1位に上りつめま

した! “Girl in a Country Song”に続き2度目。今後も楽しみです。

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿