
●「あしたの、喜多善男」第11話(11日目)
「衝撃の最終回へ!!生きるか、死ぬか 」
衝撃というほどの最終回ではなかったものの、
気持ちに響いてくるものがある、感動的な「11日目」でした。
善男(小日向文世)は、「自分を壊す」と言ってましたよね。
自分を客観的に見て、「世の中からの戦力外通告」をする、
という感覚なんでしょう。
それ、ちょっと理解できます。
「壊す」という感覚は、世の中への恨み、自分への怒り、
そんな要因が言わせたのではないでしょうか。
「自由」というのは、最後の自己主張だったように思えます。
そして宵町しのぶ(吉高由里子)が「(善男を)許さない」と
言ったのは、やはり「逃げる」事に対してだったんでしょう。
そのしのぶを始め、幾つかの力が重なって、
平太(松田龍平)は、善男の居場所へとたどり着きました。
平太は、自殺した父親の存在と重ね合わせ、
逃げて欲しくないと願う。
そして「それ」を止める、最後の決め手は「空腹」「カレー」でした。
美味しいカレーを食べても、憧れのアイドルに会えても、
年老いた母親を目にしても、その気持ちは変わらなかった善男。
でもそれらは、善男の気持ちにボディブローのように
効いていたと思うんです。
それがあの瞬間、空腹に気付き、身体が反応してしまった。
善男がニュートラルに戻った、瞬間ではなかったでしょうか。
『人は人を恨み、怒り、裁いて罰を与えようとする。
怒りに身をゆだね、行動することは、
実はそれほど困難なことではないのだ。
人間にとってもっとも困難なこと、
それは他者を、そして自分を許すことなのだ。
その先にこそ、調和があると知りながらも
人は許すことをなかなかできない。
誰もがその内側に黒いものをかかえている。
誰かを傷つけることもある。
罪を犯すことも。
悲しみにうちひしがれることもあるだろう。
だが、その同じ人間が、純粋に愛を求めることがある。
本当の愛を手に入れたいのであれば、
許すことを知りなさい。
他者を、そして自らを。』
死なないで・・。
おそらくドラマを見られた方のほとんどが、
宵町しのぶのこのセリフ、詩が、記憶に深く残ってるんじゃ
ないでしょうか。
僕も少し救われたような気がしました。
カレーパーティの様子も、宵町しのぶやみずほ(小西真奈美)、
みずほの会社の「その後」も、描かれませんでしたが、
それもこのドラマの渋いところかもしれません。
単に、時間がなかっただけかもしれませんが(笑)
そういえば、結局「にし」さん出てきませんでしたね。
原作では、みずほの名字が「西」だったとか。
そのかわりに「小西」さんが、演じてたからいいのか(笑)
滅多にドラマのDVDには手を出さない(出せない)んですが、
11大特典のついたDVDボックス、欲しい。