アメリカでは2004年に公開された映画です。ツタヤでレンタルして来たもので、amazonのDVD紹介によると<1994年、アフリカのルワンダでは、長年続いていた民族間の争いが大虐殺に発展し、100日で100万もの罪なき人々が惨殺された。世界中が黙殺したこの悲劇の中で、ひとりのホテルマンが、殺される運命にあった1200人の命を救っていた・・・。>というもので実話を基にしています。アカデミー賞やゴールデングローブ賞にノミネートされながら日本ではなかなか公開されなかったという作品です。
私が興味を持ったのはTBSラジオ「ストリーム」にて町山智浩氏が紹介していたため。町山氏はこの作品について絶賛していたのですが、「日本では映画はデートの一つのコースとして存在しているので、誰がアフリカ人の内乱をデートのネタにしますか?」と日本での公開予定がないことを嘆いていました。その後、町山氏も含めた人々の活動により、2006年に公開され各地でヒットを記録、現在はDVDも入手できるという状況になっています。私はアカデミー賞にノミネートされたような作品は日本でもすぐ公開されると思ってたのでこの件は意外でした。
元々実話を基にしているのでネタバレというのも妙な話ですが、結末知りたくない人はこの先は読まない方がいいです。今回見た感想としてはまぁ面白いと。夜中に見たので最初眠くなったのですが、ホテルの状況が緊迫してきたあたりから俄然面白くなって眠気は吹き飛びました。しかし、見るにあたっては背景をある程度勉強してからの方はわかりやすいです。なにしろルワンダ紛争により「フツ族」過激派が同族の穏健派や「ツチ族」を虐殺するのですが、フツとツチがどっちがどっちだっけ?というのがわかりにくいと。さらに、主人公とその奥さんはそれぞれ違う族なのでそれもどっちがどっちか余計わからんと。おまけに虐殺をするのはフチ族なのですが、フチ族の中でも過激派と穏健派の争いもあったり。
んで、国連軍とか海外メディアの人くらいはわかるのですが、唯一知っている俳優だったジャン・レノがどういう立場の人なのかもわかんなかったり。DVD見てる途中で一回中断してパソコンで調べてから、という気がせんでもなかったのですがいくらなんでもそれは邪道な気がしてやりませんでした。で、その辺理解した上でもう一回見るという手もあるのですが、それもそこまでせんでも…と思ったりします。
ただ、私は結構勘違いしてて、最後は主人公のポールが一休さんばりのトンチをきかせた行動で敵を煙に巻いて避難民を逃すというもんだと思ってたのですが、さすがに実話はそんな簡単にはいきませんね。あとは国連軍というものの立場もすごく微妙だというのがわかって、アメリカがミサイルを持ってくれば解決するって問題でもないのは、普段からもっと知っておくべきだとも思いました。
それにしても内乱ほど虚しいものはありません。それが虐殺にまで発展するって、目の前の女子供を殺害するのが戦闘行為というものでしょうか。「なんのために」って言っても一旦始まってしまうと止まらなくなってしまう狂気が存在するのでしょう。見てるときよりあとからそんなことをいろいろ考えさせられる映画でした。未見の方は是非どうぞ。