石川ひとみさんのライブに行ってきました。会場は浅草のアミューズカフェシアター。昭和歌謡のレビューショーなども行われている場所で舞台は妙に片方の袖が長く、円卓が並ぶ客席の真ん中にバーカウンター、向かって左側奥にはステージを斜めに見る感じのひな壇があるという独特の雰囲気が特徴です。
石川ひとみさんは10月にTFMホールでアコースティックコンサートを実施し、今年はもう見納めかと思っていたのですが、急きょこのアミューズカフェシアターの公演が告知され年内にもう一度見ることができました。この日は昼夜2回公演なのですが、客席のキャパが100名程度であることからチケットは即日どころか数分で完売。彼女のファンにとっては人気の公演となっています。
今回はというと、演奏のメンバーはギターの山田直毅さんとピアノの斉藤哲也さんのみ。そし山田さんはアコースティックギターと一五一会のみだったので完全にアコースティックスタイル。(一五一会が何か知らない人はどっかで調べて下さい) 10月もピアノと弦楽のメンバー3人が中心のスタイルだったし、今回もこういう編成だったので今後のライブは今回のような省エネスタイル(?)が基本になるかと思いきや、山田さんによると「こういう編成はもう見られないかもしれない」とのことだったので今回限りの特別企画なのかもしれませんね。たしかに一五一会を入れたアレンジは色々と趣向を凝らさねばならないので、結構制約ありそうですし。実際一五一会曲ごとに取り替えたりチューニング変えたりしてました。
で、ステージは「三枚の写真」でスタート。序盤は山田直毅さんがほとんど一五一会で、ひとみさんも数曲で一五一会の弾き語りを披露。その関係で一五一会のアルバムからのフォークソングや唱歌、洋楽カバーが多かったため、いつもに比べるとオリジナルは少なめ。ただし、バックの演奏がシンプルなだけにひとみさんの歌声はいつも以上に存在感があるというか堪能できました。
中盤以降は山田直毅さんがアコギに持ち替え、「わたしの毎日」のアルバム曲を中心にオリジナル曲を披露。今回私が初めてライブで聞いたのは「あなたの天使」でした。セットリストは、私は特にメモをしてないのでその辺はどなたかがネットにアップしてくれることでしょう。
そして本編の最後は「まちぶせ」、アンコールでは「くるみ割り人形」と「君は輝いて天使にみえた」の2曲でした。(「君天」はステージ上で確認もあったので追加だったような?)
ここでのステージはアーティストを身近に感じられるだけではなく、今回のような編成だと本当に歌声をじっくりと聞けます。また、ステージは近いし低いし、照明はあれこれと効果も凝らされてますが完全に暗転することもないので立ち姿全部ず~っと見えるわけで、私なんぞは終始ひっちゃんをガン見してたので瞬き忘れてドライアイになりそうなくらい(笑) そういう意味では、演者側としてはなかなか勇気のいる会場かもしれません。
それでも今日も彼女の歌声は絶好調で、私は昼の部のみの参加だったので「まだ夕方もステージあるのにそんなに飛ばして大丈夫?」という感じがありました。その辺は百戦錬磨のプロなのでうまくこなすのでしょうが、ご本人もデビュー40周年をきっかけにオリジナルアルバムが出せて、またちょくちょくコンサートができて大勢の前で歌えるということが本当に嬉しいという事でした。まさに歌うためにいる人です。ずっと歌い続けていくという決意を今回も聞けたので、ファンとしてもずっと応援していきましょうと思った次第です。
ところで、10月のコンサートに続いて今回も「ミス・ファイン」が聞けました。10月に聞いたときは不意打ちだったので心の準備ができておらず、感激とともに心がザワザワした感じがあったのですが、今回は割と冷静に聞けたのであの驚異の歌声の謎がちょっとだけ解けました。
というのも、あのサビの高音の部分。レコードのヴァージョンでは完全に裏声なのですが、10月のコンサートでは「裏声だった?」という疑問が残ったので。で、今回聞いてみて、あれは裏声は裏声なのですが声の出し方の感じが違うのだろうと。裏声に変わると普通は引いたというか力を抜いた感じになって、レコードではそっと綺麗に出してちょっと力込める感じなのが、今回は声がグッと力強く、言うならば引くのではなく押してる感じだったんですね。それで印象が違ったんだなぁと。何よりアレンジがハードだったので歌い方もそうなったのかもしれませんが、この曲に限らず40年間で蓄えたいろんな発声法や表現法が随所に活かされてると思いました。まぁそこまで細かく考えてるのは私だけかもしれませんが…。
ということで、石川ひとみさんに関心がある方はあの歌声を堪能しに、是非コンサートにお出かけ下さい。直近では来年1月17日(金)に神奈川県藤沢市民会館でコンサートがあります。光友会チャリティコンサートというものですが、詳細は彼女の公式サイトをご覧いただければと。二階席だと1000円で見られるというお得感です。(今回の画像もその告知パンフの写真です。)
なんにしても、これで2019年のドラマはすべて終わりました。私は2020年に行きます…。と、言ってみる(笑)