大山淳子「猫弁」

今日はいつもの倍の時間働いたので　疲れました。
そのせいじゃないでしょうけれど　汗かきました。
もしかして　ちょっと痩せた？（楽天家かい？）

さて　大山淳子の「猫弁」を読みました。

本屋さんでリサーチしていて　猫好きなので　面白そうだなと思い買いました。
うん　大当たりです。

東大法学部を首席で卒業した優秀な頭脳を持つ弁護士　百瀬太郎。
しかし彼は　ある有名な裁判を境に　動物専門の弁護士と世間にみなされるようになります。
大手事務所からは　それを理由に　体よくリストラされて　独立するも
なんだかんだで　事務所には猫が11匹。
雇っている事務員の仕事は　猫の世話になってしまうという　通称？猫弁です。

優秀な頭脳と人の良さを持っているにもかかわらず　うだつの上がらない百瀬。
温かい家庭を夢見て　結婚相談所に登録するが　
弁護士という高ブランドをかかげても　30連敗。

そんな猫弁　百瀬のもとに　珍しく動物トラブル以外の依頼がまわってくる。
それは　ある大会社の会長の社葬中に霊柩車が遺体ごと盗まれ　遺体の身代金要求が・・・という事件の解決依頼。
果たして　猫弁　百瀬は無事解決し　夢の家庭を築くことができるのか。



うーーん。なんといっても　大山淳子さんの笑いのセンス　好きです。

たとえば　依頼者の猫に対する百瀬の感想。
チンチラゴールデンという種類の猫は　いつ見ても「不機嫌なことがあったんです。」という顔をしている。
とした後で

『目の前にいるチンチラゴールデンは特に、そう、際立って、不機嫌に見えた。
　「とても嫌なことがありすぎて、人にも分けてあげたいです。」と　不幸を越えた先の意地悪顔をしており、そのくせ女主人とお揃いのエルメスのスカーフを首に巻いている。』

とか・・・

とても嫌なことがありすぎて人にも分けてあげたいです・・・な不機嫌顔。ぷぷっ。

そのほかにも　思わず　笑っちゃう内容満載です。

一見関係なさそうな登場人物たちがつながっていくさまも　予定調和なんだけれど上手いです。
全体を通して温かく　ラストは思わず　じわっと涙が・・・

ほのぼの系の話が好きなので　この『猫弁』は　お気に入りにランクインです。

大山淳子さんのほかの作品も読みたいなと思いましたが　もともと脚本家を目指していた方だそうで
残念ながら　小説はまだこの作品のみみたいです。
が・・・アマゾンで検索したら続編が6月に出るみたいです。
うわ～　楽しみ。

この「猫弁」　TBSでドラマになったんですね。
大山さんはその脚本を手掛けられ　本とはまた微妙に違ったよい作品らしい。
見損なったし・・・TT
再放送を期待します。

お勧めです。

しかし　副題の「天才百瀬とやっかいな依頼人たち」。
そりゃそうかもしれないけど　いらないんじゃない

いがぐりおも猫顔だよね。
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