バスストップから基地ストップの会  

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2021年7月定例申し入れ行動

2021-07-19 | 日記
7月17日(土)、前日梅雨明けしたばかりの夏の太陽のもと、11名で7月の定例申し入れ行動を行いました。
相武台駅前に集合しキャンプ座間に向かって歩き出すと、いつもは人通りの少ない歩道に行きかう人がそこそこに? 駅とキャンプ座間の中間にある体育館が新型コロナワクチンの集団接種会場になっていたのです。道行く人に見えるようバナーをせいいっぱい広げて歩きました。
大規模な集会は難しいけれど、各地で様々な運動が続いています。この日も「沖縄の集い」や反オリンピックの行動に参加した仲間たちも。私たちは戦争や差別のない、人が人として大切にされる社会をめざして歩みたいです。


 周回飛行訓練中のP-3C哨戒機


申し入れ書

在日米陸軍司令官・米陸軍第一軍団司令部司令官 ジョエル・B・ヴァウル准将 様
陸上総隊日米共同部長     垂水達雄 様
座間駐屯地司令・第四施設群長 小野一也 様

 6月18日から7月11日までの日程で、日本各地で「オリエントシールド21」と名付けられた日米実動訓練が行われました。岸信夫防衛相は、動員兵力は過去最大で陸自隊員1,600名、米陸軍兵士1,400名が参加すると、記者会見で明らかにしました。
しかし、訓練会場の一つである滋賀県の饗庭野演習場では6月23日に、迫撃砲の射撃訓練中に砲弾が演習場から1キロも飛び出し、道路工事の現場近くに着弾する事故が起きました。滋賀県の三日月大蔵知事は「再三、事故防止を要請してきたところに起きた事故で極めて遺憾だ」と強く抗議し、吉田圭秀陸上幕僚長は、饗庭野演習場でのすべての実弾演習を当面中止すると発表しました。
陸上幕僚監部は「米陸軍の高機動ロケット砲システム(HIMARS)と陸上自衛隊の多連装ロケットシステム(MLRS)が、北海道の矢臼別演習場において初の共同火力戦闘訓練(実射)を実施」と発表しています。高機動とは軽量化を図りC-130などの小型輸送機でも移動させることができるという意味だそうですね。地元自治体・標茶町に通報された情報では、6月28日~30日までの3日間、8時30分から16時30分と、19時から22時まで、夜間も含め252発を発射、7月1日、2日の2日間で多連装ロケット弾168発を発射となっています。
 また、奄美駐屯地では陸自の中距離地対空誘導弾と米陸軍のペトリオット部隊、昨年10月に厚木基地にやってきた第1防空連隊第1大隊が展開。普段は沖縄の嘉手納基地にいる部隊です。発射機には「INERT」(不活性)と表記されており、実弾を持ち込まず、発射手順を確認する訓練だったようです。
 ジョエル・B・ヴァウル准将は7月1日、奄美駐屯地を訪れ、「陸自ミサイル部隊が奄美大島にある地勢的な意味が非常に重要だと思う。そして、訓練で能力を向上させている事実こそ、抑止力としての効果がある」(南日本放送のニュースより)と発言されました。
 奄美駐屯地は2019年3月に完成、地対空ミサイルと地対艦ミサイル(瀬戸内分屯地)が配備されました。奄美大島には以前は、航空自衛隊の奄美分屯基地(レーダーサイト)があるだけでした。それでも、安全保障上の問題は何も起きていなかったと、私たちは考えます。
 今回、矢臼別演習場では実弾訓練をやりましたが、奄美駐屯地では地対艦ミサイルを海上に発射するような刺激的な訓練をやらなかったのは、陸自の政治判断でしょうか。
 私たちは南西諸島での自衛隊増強に反対します。環境アセスメントを実施せず、火薬庫の貯蔵量と危険性について住民に説明もしないという防衛省・沖縄防衛局のやり方には怒りを覚えます。
 最後に古い話になりますが、准将が勤務されたブルッキングス研究所の主任研究員であったラルフ・N・クロフ博士は1975年に執筆した『米国のアジア戦略と日本』の中で、「軽武装非核のままでいるという日本人の考えは驚くほど強い」と指摘しています。半世紀近い歳月が流れ、中国は強大化しましたが、多くの日本人は現在もそう考えています。一部の政治家は防衛費をGNP1%の制約を超えて拡大しようとしていますが、私たちは日米軍事協力がこれ以上拡大しないこと、米軍が南西諸島に長射程のミサイルを配備することがないよう心から願っています。
 かつての沖縄戦では、日米両軍の兵士、沖縄の市民から20万人を超える死者を出しました。米軍はロケット弾だけでも2万発以上を沖縄に撃ち込みました。苛烈な戦場を体験したために、いまでもPTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しむ市民がいることを私たちは知っています。アフガニスタンとイラクで3回も戦闘任務を経験された准将も、PTSDに苦しむ米軍兵士が多数いることをご承知だと思います。
かかる歴史を繰り返さないことこそ、私たちの責務ではないでしょうか。
2021年7月17日   バスストップから基地ストップの会と申入れ行動参加者一同


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