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七番目の女 / 一番目の孤独

2004年09月03日 18時28分53秒 | about him
 先日、音楽好きの仲間たちと集まって、飲んでいたときのこと。





 私と 「彼」 が付き合っていることは、諸所の事情があって、みんなのまえでは、ないしょになっている。

 それゆえ、音楽仲間たちといっしょのときは、私たちは、あまり会話をしないことに。

 不自然にならないように、あくまで、「仲間」 という関係を演じているのだが。

 たまたま、彼のとなりに座っていた女の子が、どうやら彼に相談ごとをしている様子だった。 どうやら、「恋の悩み」 らしい。

 彼は、「恋に悩んでるときは、海に向かって叫べ!」 だとか、「もし、恋に破れたときは、おれのむねに飛び込んで来い!」 だとか言っていたりして。 どこまで本気なのか、わからない。

 終いには、「おれでよかったら、いつでも相手してやるぜ!」 などと言って、ズボンのチャックを下ろすふりまではじめる始末 ... 。

 (ええと、べつに露出狂とか、そういうのではなくて、つい、冗談でそういうことをしちゃう人なのです ... 。 念のため)
 (ちなみに、ちょっとまえ、この女の子に勢いでチューしていたこともある ... 。 はあ~ ... )

 おかしかったのは、私のほうをじっと見つめながら、チャックを下ろそうとしていたこと。

 そんなに私の視線が気になるのなら、さいしょから、しなければいいのに ... 。 と思ってしまう。

 大胆なのだか、臆病なのだか ... 。 (やれやれ)





 そして、さらに。

 「おまえがもうちょっと女を磨いたら、おれの七番目の女にしてやるよ」 なんてことを、例の女の子に言っていたりして ... 。

 それを聞いた別の女の子が、「ええ~、わたしは~?!」 なんて言ってくると、

 「じゃあ、おまえは六番目の女」 とか、「おまえは四番目の女」 なんてことを言い出して、女の子たちのあいだで、「やったあ~、○○ちゃんに勝った~」 とか 「△△ちゃんに負けた~」 なあんて、みんな喜んだり、悲しんだり。

 なんだか、たのしそう。

 「一番目の女」 であるはずの私は、ひとり、ぽつんと、お愛想わらい。

 ああ、かなしい、かなしい。

 気のとおくなるような、せつなさ。

 「一番目」 であることを知られてはならない女は、とっても孤独なのね。

 「一番目の女」 になってしまったら、その座を維持するか、あとは、落ちるしかないものね。

 ... なんてね。





 あとで、彼と二人きりになったとき、「さっき、変なこと言ってたよね?」 なんて、私がちょっと言ってみたりすると、

 彼は、「しょうがないじゃん! あれがおれなんだから! おれはああいうことを言っちゃうやつなの!」 と開き直る。

 別に詰め寄ろうとしているわけではないのに、むきになって反論するところが、まあご愛嬌かしら ... というところだろうか。

 逆に、「そうだけど、それがなに?」 なんて、あっさり流されてしまうよりは ... 。





 「一番目の女」 であるはずのことに、あぐらをかくな、ということなのかしらね。

 と、良いように解釈することに、しておこう。 (強がり)





 ※ちなみに。 「彼」 は、はっきり言って、そんなにかっこいいわけではない。 世話好きな人なので、慕われやすいのである ... 。





 BGM:
 Eric Serra ‘My Lady Blue’

 (『Le Grand Bleu (グラン・ブルー)』 の ending theme)

コメント (12)
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