昨日の記事で、「じぶんの見守(まも)るべき場所」 というものについて、書いてみた。
じぶんにとっての、神聖なる場所は、じぶんで見守(まも)らなくては、と。
さらに、少し考えたのだけど。
女性の場合、なによりも、まず、まもらなければならないもの、というものがあるのではないか。 なんて思っていたりして。
それは、「じぶん自身」。 ということなのだけれど。
いや、男性だって、じぶんをまもらなくてはいけないのだろうけれども。 身体的弱者として、女は、とくに注意深く、じぶんでじぶんの身をまもらなくてはいけないのじゃないか。 なんて思っていて。
痴漢、スリ、ストーカー、強盗、いやがらせ、いたずら、強姦、etc ... 。
女性は、つね日ごろ、いろんな危機にさらされている? ―― 自意識過剰かしら。
どうしても、避けられないこともあるけれど、じぶんの気持ちのひきしめ方ひとつで、被害に遭わずに済むこともあるのかもしれない。
いざ、というときのために、じぶんで、じぶんの身を、注意深く、見守っていなくては ... 。
ところで。
私の付き合っている人が、先週末も、いつものようにわが家に泊まりに来ていた。
ふたりで、ふがふがと眠りこけていたのだが。
彼が、変な夢を見ていたらしく、なにかむにゃむにゃ言っていたので、私は、うすぼんやりとした意識のなかで、どうしたのかな? と考えていた。
そうしたら、彼がいきなり、「なにすんだよ!」 みたいなことを言って、がばっと起きたので、びっくりしてふりかえってみた。
そうしたら。 彼が、まだ夢から醒めきっていないらしく、うつろな、それでいて、燃えるような目つきで私を凝視していた。 まるで、親の敵でも見るみたいな表情をしていたので、私のなかで、なにかが弾け飛んで、瞬時にこわくなった。 私は、彼の腕をつかんで、ゆさぶりながら、
「どうしたの?! しっかりして! だいじょうぶ?!」 と、何度も何度も、彼に呼びかけた。
私の尋常でないおびえように、彼のほうがびっくりしたらしく、はっとして、逆に、「どうしたの?」 なんて、言われてしまった。
どうやら、変な夢を見ていたらしく、がばっと起きたあとも、まだ夢をひきずっていて、それで、怖い顔をしていただけだったようなのだが、私は、とっさに、「いけない!」 なんて思ってしまって、あわてふためいてしまったのだ。 そう、彼に、「殺される」 かも知れない、なんて思って。
彼が、そんなこと、するわけない、というのはわかっているのだけれど。
怖い顔で見つめられると、われ知らず、戦慄が走り、じぶんのなかの恐怖を押さえつけることができない、それもこれも、数年前に体験したできごとのせい、かもしれない。
その当時付き合っていた人に、別れを告げたときのこと。
そのときの彼は、まさかのできごとで、気が動転したらしく、泣きながら、私に、「殺してくれ!」 と言った。 一人になったら、生きている意味がない、というのだ。 私が、おびえて、なにも言えずにいたら、「じゃあ、おれがおまえを殺す!」 と。
もちろん、口でそう言っているだけで、ほんとうにそんなことをするような人ではない。 そんなこと百も承知なのに。 決して、力でかなうことのできない相手から受けた恐怖心が、私のこころにふかく根ざしてしまったのか、そのできごと以来、いろんなことにおびえるようになってしまった。
男の人の、叫び声、怒鳴り声。 瞬間的に、あのときのことが思い出されて、「コロサレル」 と思ってしまう。 ときには、小学生が叫んでいても、女性が叫んでいても、街中で、酔っぱらった人がいきおい叫んでいても。
道を歩いていて、後ろから誰かが走ってくると、そのまま背中をぶすりと刺されるのではないか、と、おびえ。
通りの向こうから、むずかしい表情をした人がやって来ると、すれちがいざまに刺されるのではないか、と、おびえ。
部屋のそとで、物音がすると、だれかいるのではないか、と、おびえ。
こんなにおびえてばかりで、われながら、ばかみたいだ。
それもこれも、みんな、あのできごとの、せい?
でも、元・彼のことを、うらんでいるわけではない。 怒ってもいない。 もう過ぎ去ったこと。 仕方のないこと。 もとはといえば、じぶんの撒いた種。
... 頭ではわかっているのにね。
じぶんでじぶんの身をまもらなくてはいけないという意識に輪をかけて、反射的に、過剰に反応するようになってしまったのかもしれない。
もしかすると、元・彼は、私のこころのまもるべき場所 ―― 「聖域」 (サンクチュアリ) に、二度と消えないような、傷跡を残したのだろうか。
でも。 しつこいけれど、元・彼のことは、怒っていない。
これは、元・彼に対してではなく、多くの男性、そして、女性に対して、願っていることなのだけれど ... 。
どうか、どんなことがあっても、怒声を浴びせるまえに、その拳をふりあげるまえに、その行為が、相手のこころにどんな傷をのこすか、考えてもらえたら。 というのが、こんな私の、ささやかな願いなのである。
BGM:
Dionne Warwick ‘小さな願い / I Say a Little Prayer’
じぶんにとっての、神聖なる場所は、じぶんで見守(まも)らなくては、と。
さらに、少し考えたのだけど。
女性の場合、なによりも、まず、まもらなければならないもの、というものがあるのではないか。 なんて思っていたりして。
それは、「じぶん自身」。 ということなのだけれど。
いや、男性だって、じぶんをまもらなくてはいけないのだろうけれども。 身体的弱者として、女は、とくに注意深く、じぶんでじぶんの身をまもらなくてはいけないのじゃないか。 なんて思っていて。
痴漢、スリ、ストーカー、強盗、いやがらせ、いたずら、強姦、etc ... 。
女性は、つね日ごろ、いろんな危機にさらされている? ―― 自意識過剰かしら。
どうしても、避けられないこともあるけれど、じぶんの気持ちのひきしめ方ひとつで、被害に遭わずに済むこともあるのかもしれない。
いざ、というときのために、じぶんで、じぶんの身を、注意深く、見守っていなくては ... 。
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ところで。
私の付き合っている人が、先週末も、いつものようにわが家に泊まりに来ていた。
ふたりで、ふがふがと眠りこけていたのだが。
彼が、変な夢を見ていたらしく、なにかむにゃむにゃ言っていたので、私は、うすぼんやりとした意識のなかで、どうしたのかな? と考えていた。
そうしたら、彼がいきなり、「なにすんだよ!」 みたいなことを言って、がばっと起きたので、びっくりしてふりかえってみた。
そうしたら。 彼が、まだ夢から醒めきっていないらしく、うつろな、それでいて、燃えるような目つきで私を凝視していた。 まるで、親の敵でも見るみたいな表情をしていたので、私のなかで、なにかが弾け飛んで、瞬時にこわくなった。 私は、彼の腕をつかんで、ゆさぶりながら、
「どうしたの?! しっかりして! だいじょうぶ?!」 と、何度も何度も、彼に呼びかけた。
私の尋常でないおびえように、彼のほうがびっくりしたらしく、はっとして、逆に、「どうしたの?」 なんて、言われてしまった。
どうやら、変な夢を見ていたらしく、がばっと起きたあとも、まだ夢をひきずっていて、それで、怖い顔をしていただけだったようなのだが、私は、とっさに、「いけない!」 なんて思ってしまって、あわてふためいてしまったのだ。 そう、彼に、「殺される」 かも知れない、なんて思って。
彼が、そんなこと、するわけない、というのはわかっているのだけれど。
怖い顔で見つめられると、われ知らず、戦慄が走り、じぶんのなかの恐怖を押さえつけることができない、それもこれも、数年前に体験したできごとのせい、かもしれない。
その当時付き合っていた人に、別れを告げたときのこと。
そのときの彼は、まさかのできごとで、気が動転したらしく、泣きながら、私に、「殺してくれ!」 と言った。 一人になったら、生きている意味がない、というのだ。 私が、おびえて、なにも言えずにいたら、「じゃあ、おれがおまえを殺す!」 と。
もちろん、口でそう言っているだけで、ほんとうにそんなことをするような人ではない。 そんなこと百も承知なのに。 決して、力でかなうことのできない相手から受けた恐怖心が、私のこころにふかく根ざしてしまったのか、そのできごと以来、いろんなことにおびえるようになってしまった。
男の人の、叫び声、怒鳴り声。 瞬間的に、あのときのことが思い出されて、「コロサレル」 と思ってしまう。 ときには、小学生が叫んでいても、女性が叫んでいても、街中で、酔っぱらった人がいきおい叫んでいても。
道を歩いていて、後ろから誰かが走ってくると、そのまま背中をぶすりと刺されるのではないか、と、おびえ。
通りの向こうから、むずかしい表情をした人がやって来ると、すれちがいざまに刺されるのではないか、と、おびえ。
部屋のそとで、物音がすると、だれかいるのではないか、と、おびえ。
こんなにおびえてばかりで、われながら、ばかみたいだ。
それもこれも、みんな、あのできごとの、せい?
でも、元・彼のことを、うらんでいるわけではない。 怒ってもいない。 もう過ぎ去ったこと。 仕方のないこと。 もとはといえば、じぶんの撒いた種。
... 頭ではわかっているのにね。
じぶんでじぶんの身をまもらなくてはいけないという意識に輪をかけて、反射的に、過剰に反応するようになってしまったのかもしれない。
もしかすると、元・彼は、私のこころのまもるべき場所 ―― 「聖域」 (サンクチュアリ) に、二度と消えないような、傷跡を残したのだろうか。
でも。 しつこいけれど、元・彼のことは、怒っていない。
これは、元・彼に対してではなく、多くの男性、そして、女性に対して、願っていることなのだけれど ... 。
どうか、どんなことがあっても、怒声を浴びせるまえに、その拳をふりあげるまえに、その行為が、相手のこころにどんな傷をのこすか、考えてもらえたら。 というのが、こんな私の、ささやかな願いなのである。
BGM:
Dionne Warwick ‘小さな願い / I Say a Little Prayer’