何度かここでふれたことがあるのだが、私は、音楽の趣味が高じて、ときおり、クラブ DJ というものをしている。
といっても、House とか Techno とか Hip Hop などの、いわゆるダンス・ミュージックをかけているのではなくて、Rock や Blues, Soul などの、お酒を飲みながら、ゆったりまったり聴けるような音楽を。
先日、いつも DJ をやらせていただいている場所で、いつものように曲をかけていたら。
ヨッパライのお客さんがやって来て、私に話しかけてきた。
曲かけ中に話しかけられるのは、気が散るので、ちょっぴり困るのだけど、じぶんのかけた曲に反応してもらえるのはうれしいので、にこやかに対応。
「レコード何枚くらい持って来てるの?」 なんて聴かれて、「今日は、四百枚くらいですね」 なんてこたえていたりしたら、「ちょっとさ、レコード見せてくれない?」 なんて、言い出されて。
内心、困惑したのだが、曲かけに忙しかったのと、ヨッパラっているから、止めても無駄だろう、と、放っておいたら、DJ ブースにまでズカズカと入り込まれてしまい。
私が DJ をしているあいだ、すぐうしろで、私のお宝たちを物色しながら、
「ああ、このアルバム、いいっすよねえ。 次、これかけてくださいよ」 とか 「おれ、Reggae とか好きなんですけど、持って来てないですか」 とか、あれこれ茶々を入れてくる。
そうしていたら、店員の若い男の子が、「ちょっと、なにやってるんですか? 飲みすぎですよ!」 なんて言って、そのお客さんを DJ ブースから引っ張り出そうとした。
DJ ブース内は、いちおう、関係者以外立ち入り禁止なのである。
そんなふうに言われても、そのお客さんは、ぜんぜんおかまいなしに、「いや、おれはこの人と話をしてるだけなんだから、いいじゃん」 なんて言って、そのままレコード物色をつづけていた。
そのうち、ほかのお客さんも出てきて、そのヨッパライのお客さんを、DJ ブースから連れ出そうとしても、頑としてきかずに。
そこへ、とうとう、おそれていたことが。
お店のマスターがなにごとかとやって来て、烈火のごとく、怒り出したのだ。
「おまえ、なにやってるんだよ! DJ ブース内は、DJ 以外は立ち入り禁止なんだよ!」
「いや、おれはただ、この人がひとりで曲をかけてて、さみしそうだから、話しかけただけなんだよ」
「話しかけるのは勝手だけど、このなかには、入るんじゃねえ! この貼り紙が見えねえのかよ!」
「そんなもん、見てねえよ」
「じゃあ、見ろ! そして、早く出ろ!」
「そんなに怒らなくたっていいじゃないですか」
「いいから、早く出ろ!」
... と、怒鳴り合いとなってしまい、結局そのお客さんは、逆ぎれ状態となって、店を飛び出してしまった ... 。
店主は、大切なレコードが無くなってしまったことがあったとかで、DJ ブースのなかに、関係者以外の人が入るのを、なによりもきらっているのだ。
ああ。 私のせいだ。 私がさいしょに注意しておけば ... と思っていたら、案の定、店主の怒りが私にも向けられた。
「○○○(筆者の DJ 名)! おまえがいちばん悪いんだからな! DJ ブースってのは、神聖な場所なんだぞ! 知らないやつが立ち入ろうとしたら、カラダをはってでも、まもらなきゃいけない場所なんだ! 死ぬ気でまもらなきゃ、駄目なんだよ!」
「 ... そうですね。 すみません」
「ほんとにおまえ、わかってんのかよ!」
「はい。今度から気をつけます ... 」
なんて。 怒られてしまって。 その場の雰囲気も、さいあくになってしまった。
しょんぼりしながら、その晩は、とぼとぼと、帰宅したのである。
ほんとうに、仕方がない。 私が悪いのだから。
きっと、じぶんのかけた曲に興味を持たれていると思って、いい気になっていたのだ。
店主の言うとおり、じぶんの、神聖な場所は、必死で、まもらなければならないのだろう。
ところで。 じぶんにとっての、まもるべき場所って、なんだろう? と、考えた。
まずは、DJ をしているときであれば、DJ ブース。 そして、DJ をやらせていただいているお店。
そして、もちろん、職場。 じぶんの住む部屋。 じぶんの住む地域。
たいせつな人と出会う場所。 たいせつな人の住む家。 たいせつな人の住む地域。 国。 星。 宇宙 ... なんて、どんどん大きくなっていくが。
じぶんのまもるべき場所 ―― "blog" ってのもあるのかもしれない。
万が一、じぶんの blog が、理由もなしに荒らされたら。 閉鎖されたら。
なんて考えたりして。
ありえないことではないし。
「まもる」 とは、もともと、「目」 で 「守る(もる)」 という意味の、「目(ま)守(も)る」 が語源であるとか。
「守る(もる)」 とは、
という意味だそうだ。 「子守り」 と同じように、注意深く、目を向けておく、ということであろうか。
注意深く、目で、番をする。
いや、べつに、荒らしとか、そういうことに目を向ける、という意味だけではなくて。
万が一のとき、うれしいとき、かなしいとき、いろんなときに、注意深く 「みまもって」 いれば、blog も、スクスクと、元気に、育ってくれるかな ... なんてね。
「まもり」 すぎは、良くないかもしれないけれど、ね。
―― こんなオチで、どうでしょう???
BGM:
The Police ‘見つめていたい / Every Breath You Take’
といっても、House とか Techno とか Hip Hop などの、いわゆるダンス・ミュージックをかけているのではなくて、Rock や Blues, Soul などの、お酒を飲みながら、ゆったりまったり聴けるような音楽を。
先日、いつも DJ をやらせていただいている場所で、いつものように曲をかけていたら。
ヨッパライのお客さんがやって来て、私に話しかけてきた。
曲かけ中に話しかけられるのは、気が散るので、ちょっぴり困るのだけど、じぶんのかけた曲に反応してもらえるのはうれしいので、にこやかに対応。
「レコード何枚くらい持って来てるの?」 なんて聴かれて、「今日は、四百枚くらいですね」 なんてこたえていたりしたら、「ちょっとさ、レコード見せてくれない?」 なんて、言い出されて。
内心、困惑したのだが、曲かけに忙しかったのと、ヨッパラっているから、止めても無駄だろう、と、放っておいたら、DJ ブースにまでズカズカと入り込まれてしまい。
私が DJ をしているあいだ、すぐうしろで、私のお宝たちを物色しながら、
「ああ、このアルバム、いいっすよねえ。 次、これかけてくださいよ」 とか 「おれ、Reggae とか好きなんですけど、持って来てないですか」 とか、あれこれ茶々を入れてくる。
そうしていたら、店員の若い男の子が、「ちょっと、なにやってるんですか? 飲みすぎですよ!」 なんて言って、そのお客さんを DJ ブースから引っ張り出そうとした。
DJ ブース内は、いちおう、関係者以外立ち入り禁止なのである。
そんなふうに言われても、そのお客さんは、ぜんぜんおかまいなしに、「いや、おれはこの人と話をしてるだけなんだから、いいじゃん」 なんて言って、そのままレコード物色をつづけていた。
そのうち、ほかのお客さんも出てきて、そのヨッパライのお客さんを、DJ ブースから連れ出そうとしても、頑としてきかずに。
そこへ、とうとう、おそれていたことが。
お店のマスターがなにごとかとやって来て、烈火のごとく、怒り出したのだ。
「おまえ、なにやってるんだよ! DJ ブース内は、DJ 以外は立ち入り禁止なんだよ!」
「いや、おれはただ、この人がひとりで曲をかけてて、さみしそうだから、話しかけただけなんだよ」
「話しかけるのは勝手だけど、このなかには、入るんじゃねえ! この貼り紙が見えねえのかよ!」
「そんなもん、見てねえよ」
「じゃあ、見ろ! そして、早く出ろ!」
「そんなに怒らなくたっていいじゃないですか」
「いいから、早く出ろ!」
... と、怒鳴り合いとなってしまい、結局そのお客さんは、逆ぎれ状態となって、店を飛び出してしまった ... 。
店主は、大切なレコードが無くなってしまったことがあったとかで、DJ ブースのなかに、関係者以外の人が入るのを、なによりもきらっているのだ。
ああ。 私のせいだ。 私がさいしょに注意しておけば ... と思っていたら、案の定、店主の怒りが私にも向けられた。
「○○○(筆者の DJ 名)! おまえがいちばん悪いんだからな! DJ ブースってのは、神聖な場所なんだぞ! 知らないやつが立ち入ろうとしたら、カラダをはってでも、まもらなきゃいけない場所なんだ! 死ぬ気でまもらなきゃ、駄目なんだよ!」
「 ... そうですね。 すみません」
「ほんとにおまえ、わかってんのかよ!」
「はい。今度から気をつけます ... 」
なんて。 怒られてしまって。 その場の雰囲気も、さいあくになってしまった。
しょんぼりしながら、その晩は、とぼとぼと、帰宅したのである。
ほんとうに、仕方がない。 私が悪いのだから。
きっと、じぶんのかけた曲に興味を持たれていると思って、いい気になっていたのだ。
店主の言うとおり、じぶんの、神聖な場所は、必死で、まもらなければならないのだろう。
ところで。 じぶんにとっての、まもるべき場所って、なんだろう? と、考えた。
まずは、DJ をしているときであれば、DJ ブース。 そして、DJ をやらせていただいているお店。
そして、もちろん、職場。 じぶんの住む部屋。 じぶんの住む地域。
たいせつな人と出会う場所。 たいせつな人の住む家。 たいせつな人の住む地域。 国。 星。 宇宙 ... なんて、どんどん大きくなっていくが。
じぶんのまもるべき場所 ―― "blog" ってのもあるのかもしれない。
万が一、じぶんの blog が、理由もなしに荒らされたら。 閉鎖されたら。
なんて考えたりして。
ありえないことではないし。
「まもる」 とは、もともと、「目」 で 「守る(もる)」 という意味の、「目(ま)守(も)る」 が語源であるとか。
「守る(もる)」 とは、
(1)注意して見張る。番をする。まもる。
「山田―・る秋のかりいほに置く露はいなおほせどりの涙なりけり/古今(秋下)」
(2)いつもそばにいて守る。保護する。
「しらとほふ小新田山の―・る山のうらがれせなな常葉にもがも/万葉 3436」
(3)いつも見ていてすきをうかがう。
「心なき雨にもあるか人目―・りともしき妹に今日だに逢はむを/万葉 3122」
goo 辞書 検索結果より
という意味だそうだ。 「子守り」 と同じように、注意深く、目を向けておく、ということであろうか。
注意深く、目で、番をする。
いや、べつに、荒らしとか、そういうことに目を向ける、という意味だけではなくて。
万が一のとき、うれしいとき、かなしいとき、いろんなときに、注意深く 「みまもって」 いれば、blog も、スクスクと、元気に、育ってくれるかな ... なんてね。
「まもり」 すぎは、良くないかもしれないけれど、ね。
―― こんなオチで、どうでしょう???
BGM:
The Police ‘見つめていたい / Every Breath You Take’