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明け方の夢 / A Strange Day

2004年09月14日 22時07分08秒 | 現実と虚構のあいだに
 数年前に体験した、クラブ帰りの、ある朝の出来事。

 (ちなみに、「クラブ」 とは、オトナの夜の社交場のことではない ... って、まえにも書いたような ... )

 この話を周囲の人に話しても、「夢でも見てたんじゃないの?」 とか 「酔っ払って幻でも見てたんだろ」 と、流されてしまったのだが ... 。

 その日は、いつものように、明け方まで飲んだくれ、がんがんに踊り狂って、イイ気分で帰路についていた。

 考えていたことは、くだらないことで、<お酒がおいしかったなあ> とか、<はやく、あったかいお布団で寝たいなあ> とか そんなことくらいだった。

 はんぶん、夢見ごこちで、てくてくと歩いていたら。

 ふと、がさっという音がしたので、その音がしたほうに目をやってみた。 すると、貸し駐車場のようなところに、レスラーふうの覆面をかぶった男のひとがいて、私のほうに向かってのしのしと歩いてきた!

 覆面も仰天だったのだが、それよりも、びっくりしたのは、その男が、真っ裸だったこと (たぶん ... なにも着ていなかったはず。 確認したくなかったので、股間部には目をやらないようにしていたが)。

 私は、「あひィーッ」 という、楳図かずお氏の漫画の叫び声のような、うめき声のようなものをあげて、もちろん逃げ出した。

 そして、ちょうど前方を歩いていた、不倫カップル (?!) のような人たちに助けを求めたのだが、そのオジサンとオバサンは、知らんふりして、相手にもしてくれなかった ... 。

 仕方なく、自力で逃げのびようとしばらく走りすぎ、大きな通りに出てから、後ろをふり返ってみると、とりあえず覆面男が追ってくる気配がなかったので、私はほっとして、やや急ぎ足ながらも、ふたたびフツウに歩きはじめた。

 あの覆面は、いったいなんだったのだろう? こんな近所に変態がいるなんていやだわ ... などと考えながら、しばらく歩いていると。

 若い男の子が、路傍でバイクをふかしながら、なにやらごそごそやっていた。 私は、とくに気にもとめず、通りすぎようとしたのだが、ふと、なにげなく目をやってみると ...

 その男の子はズボンを履いていなかった!

 ごそごそしていたのは、じぶんでじぶんを慰める行為 (ひえ~ん!) をしていたのだ。

 私は、やはり、「あひィー」 と (心の中で) 叫び声を上げて、足早に通り過ぎた。

 なんなの?! このまちって、こんなに変態が多かったのかしら??

 そう考えるとだんだん不安になってきた。 いくら朝とはいえ、やはり怖かったし。

 もう、早いこと帰って、迎え酒でも飲んで、寝てしまおう。

 そう思いながら、早歩きしていると、今度は、私のとなりに、自転車に乗った男が、すっとやってきた。

 え? と思った瞬間には、もう胸をさわされていて、私は、「ギャー」 と叫び、酔ったいきおいもあってか、持っていたバッグで、思い切り殴りつけた。

 その一撃で、その自転車男はあきらめたのか、よろめきながら、あっというまに去っていった ... 。



 いったい、なんだったのだろう?

 たった十五分くらいのあいだに、二人の変態と、一人の痴漢に出くわしてしまったなんて。

 やはり夢でも見ていたのか。 あるいは、そういうアブナイ街というだけのことだったのか。 はたまた、「男たち」 が もんもんとしてしまうような、そういう季節だったのだろうか ... ?

 もしかして、だれかのイタズラだったとか、「ドッキリカメラ」 (古っ) だとか、そんなんじゃないかしら、などと解釈しようとしたけれど。

 その後も、件のクラブに行く途中で覆面男を見かけた (!) ので、やはり現実に起きたことなのである。

 (そんなことがあっても、懲りずにクラブ遊びしていたのかい!)





 なにが、「彼ら」 をそうさせてしまったのか、私には知る由もないけれど。

 不思議な世界を垣間見てしまったような、そんな夏の終わりのできごとだった。





 BGM:
 The DOORS “Strange Days”

 (やっぱり ドアーズ ... )



 奇妙な日々がぼくたちについてまわる
 ありふれた日常をぶち壊そうと
 そうなったら、もう、ぼくたちは
 はしゃぐか、他のまちを探すかしかない

コメント (8)
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