自分はコーヒーを焙煎することが仕事なのですが、コーヒー豆の味を表現する言葉として『酸味』と『苦み』があります。
このたった2種類の表現だけで世界中のコーヒーの味を表現できるとも思ってはおりませんが、お客様に味をお伝えするにはどうしても頻繁に使ってしまいがちな言葉です。
そして自分がコーヒー豆を焙煎する時には苦みを強く表現しようとか、酸味を引き出そうとかいう考えで焙煎をしようとは思っていません。
自分が焙煎時に考えていることはただ一つのことです。焙煎の温度上昇を正確にコントロールして焙煎機の中のコーヒー豆に正しく熱が加えられているかを判断しています。
そしてその結果がコーヒーの味になるのだと考えています。コーヒーにはその土地の土の成分や気候風土が直接味となっていますので、その味を最適な形で焼き上げることしか自分の仕事は無いと考えております。
コーヒー焙煎人の仕事はコーヒーの栽培から収穫までの中では最終段階の部分になりますが、自分に与えられた仕事は味の最後の仕上げの工程を任されているという意識で取り組んでおります。
焙煎は単純な作業に過ぎないと私の師匠は言いますが、その言葉の背景にはもっとたくさんの意味や意義が含まれていることは明確です。
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