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ハム無線での修理記録

2019-03-03 |  無線と実験

わが家に送られて来た大きなダンボールに入った荷物。

ハム無線で使うアッテネーターといって無線機の電波を出して調整する道具だ。

東京のハム友さんがebay-USAで購入した。

200ドル以上の送料を掛けてUSAから航空便で送ってもらったらしい。

輸送中にショックで故障したのか、調子が悪いとうちに送って来た。
金属の塊のようなものでとても重い。

 

 

型番はバードのアッテネーターで 8329-300。

2kwまでの送信機の電波を外部に出さないで熱に変えるものだ。

周波数の保証値は500MHzまで。

 

 

輸送途中で曲がったのか両端が曲がっている。

 

 

入力側は高電力でも耐えられるHNコネクターが最初から付いている。

 

 

出力側は30db減衰されているのでNコネクターだ。

こちら側に測定器を接続して電波の出力を測定したり、質を見たり出来る。

 

 

このアッテネーターの重量は、25.9kg。

 

 

どの程度問題があるのかをネットワークアナライザーという機械にかけてみる。

 

 

あら !!  あかんやん。

ゼロやないといかんのに、こらおかしか。

多分何処かで折れとるばい。

 

 

実はこの中に沢山のシリコンオイルが入っているので、まずこれを全部出さないとバラせない。

 

 

バケツいっぱいのシリコンオイル。

 

 

ジャーン !!   これが問題の中身。

さて、何処が悪いんやろう ?

内部には陶器の表面に抵抗体を焼き付けたものが入っていて折れやすい。

 

 

内部の抵抗の折れを一番心配したが大丈夫だった。

こちらは出口側の小さな抵抗。

 

 

一番問題だったのは、大きな抵抗が差込む受けの金具が甘いこと。

これじゃあいかんやろ。という事で受け金具を少しだけラジオペンチで曲げた。

これは曲げた後。

抵抗体を差込んできつくなるように調整した。

 

 

再度組直して測定した。

0でないといけないのは直ったが、全般的にSWRが高い。

(SWRが高いというのは、周波数によって消費されずに無線機側に帰って熱になるので良くない。)

シリコンオイルを入れれば下がるのかは少し疑問。

しかし、他に壊れたような箇所がないのでこれで組んで、最初に入っていたシリコンオイルを入れる。

 

 

そしてハラハラ、ドキドキしながら再度測定する。

 

 

ほとんどフラットな測定データ。

うーん。いい調子。これでバッチリだ。

今回もいい勉強になった。

シリコンオイルを入れるとSWR特性が変わるのが分かった。

 

 

SWRは1GHzまで1.1以下で全く問題なく、1.5GHzまで使えそう。

完全に修理できて良かった良かった。

快適化やトラブル事例はこちらに沢山あります。

 

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