続きまして小林先生のお話
僕ね、子供の頃から音楽が好きでよく妹に曲を作ったりして歌わせていたの。父は音楽を志して挫折していたんだけれども、おまえになんかが出来る訳無い! やめておけ! と僕が音楽をすることに大反対だったから、作品を見つけられたりすると燃やされてしまったりしていたんだ。
独学だったんだけれど、あるとき作曲のコンクールで1位になったことで音楽をすることを許されて晴れて東京芸術大学に入学して、在学中に指揮に興味を持って指揮科に入りなおしたんだ。
卒業はしたがオーケストラに指揮者は一人しかいらないため就職口がない。コンクールで名をあげるにも年齢制限ででることが出来ない。どうしたらいいのか悩んでいる時に音楽の友社から雑誌が届き、そこに第1回ブタペスト国際指揮者コンクールの応募要項を見つけ恐る恐る見てみると35歳まで!
これしかない! と思ったがそこに無情なる一文
締め切り25日
雑誌の発売日が28日なのに締め切りが25日だったのだ。
これを逃したら次はない!
考え抜いた末、数回に渡る直談判の結果出場権を獲得したのだ。
意気揚々と詳しい要項が送られて来るのを待つ先生に2度めの苦難。
なんと課題曲が60曲もあるのだ。
実際辞退されたかたもかなりあったそうだ。
現地に入り1回目の審査を迎えた先生に3度目の苦難。課題曲はくじ引きなのだ。全国生中継されるコンクール、曲は華やかな方が受けがよい!!! 華やかな曲 華やかな曲 と念じながら引いたクジに書いてあった曲は、これだけは何があっても当たりたくないくら~~~~~い曲だったのだ。
俺の指揮人生もこれで終わりかとトボトボと指揮台に向かう小林先生。その脳裏には様々な華やかな曲が走馬灯のように流れ… この曲だったらよかったのに、と頭の中はその曲でいっぱい。指揮台で曲の指示をするのに口をついてでたのはその演奏したかった曲のタイトルだった。
慌てて止めに駆け付けようとする係員。
曲が違うなぁと思いつつも楽譜を差し替える楽団員。生中継の中指揮を振り上げる小林研一郎…
賽は振られたのだ!
これを止められる人間はそこには存在しなかった。
嵐のような拍手喝采の中演奏を終える小林研一郎。
そぉ 彼はこのコンクールで5次審査を乗り越え、無事1位を獲得。そして特別賞も受賞。
ここに世界に名だたる小林研一郎が誕生したのである。
僕の人生はここから変わりましたねぇ~~~ と感慨深い小林先生
夢は見るものじゃなく自分の手でもぎ取りつかみ取るものだよ。夢をつかみ取るためにはどんな努力も惜しんでは行けない…と聞こえた気がした
僕ね、子供の頃から音楽が好きでよく妹に曲を作ったりして歌わせていたの。父は音楽を志して挫折していたんだけれども、おまえになんかが出来る訳無い! やめておけ! と僕が音楽をすることに大反対だったから、作品を見つけられたりすると燃やされてしまったりしていたんだ。
独学だったんだけれど、あるとき作曲のコンクールで1位になったことで音楽をすることを許されて晴れて東京芸術大学に入学して、在学中に指揮に興味を持って指揮科に入りなおしたんだ。
卒業はしたがオーケストラに指揮者は一人しかいらないため就職口がない。コンクールで名をあげるにも年齢制限ででることが出来ない。どうしたらいいのか悩んでいる時に音楽の友社から雑誌が届き、そこに第1回ブタペスト国際指揮者コンクールの応募要項を見つけ恐る恐る見てみると35歳まで!
これしかない! と思ったがそこに無情なる一文
締め切り25日
雑誌の発売日が28日なのに締め切りが25日だったのだ。
これを逃したら次はない!
考え抜いた末、数回に渡る直談判の結果出場権を獲得したのだ。
意気揚々と詳しい要項が送られて来るのを待つ先生に2度めの苦難。
なんと課題曲が60曲もあるのだ。
実際辞退されたかたもかなりあったそうだ。
現地に入り1回目の審査を迎えた先生に3度目の苦難。課題曲はくじ引きなのだ。全国生中継されるコンクール、曲は華やかな方が受けがよい!!! 華やかな曲 華やかな曲 と念じながら引いたクジに書いてあった曲は、これだけは何があっても当たりたくないくら~~~~~い曲だったのだ。
俺の指揮人生もこれで終わりかとトボトボと指揮台に向かう小林先生。その脳裏には様々な華やかな曲が走馬灯のように流れ… この曲だったらよかったのに、と頭の中はその曲でいっぱい。指揮台で曲の指示をするのに口をついてでたのはその演奏したかった曲のタイトルだった。
慌てて止めに駆け付けようとする係員。
曲が違うなぁと思いつつも楽譜を差し替える楽団員。生中継の中指揮を振り上げる小林研一郎…
賽は振られたのだ!
これを止められる人間はそこには存在しなかった。
嵐のような拍手喝采の中演奏を終える小林研一郎。
そぉ 彼はこのコンクールで5次審査を乗り越え、無事1位を獲得。そして特別賞も受賞。
ここに世界に名だたる小林研一郎が誕生したのである。
僕の人生はここから変わりましたねぇ~~~ と感慨深い小林先生
夢は見るものじゃなく自分の手でもぎ取りつかみ取るものだよ。夢をつかみ取るためにはどんな努力も惜しんでは行けない…と聞こえた気がした