タイで子連れ狼

何の因果か運命か、異国の地にて親父単独で二人の子を育てることに。

さあ大変の、てんやわんや育児&生活日記

娘の里帰りは4日間

2019-08-27 17:33:07 | 育児

小学校夏休み中の盆休みを利用して娘がタイに帰省した

付き添ってくれる姉からの説明では、塾のスケジュール上この日程しか組めなかったという。

8月のその日は母親の誕生日、息子の誕生日、シルキット王妃の誕生日(母の日)が連続していて、子供達にとっては毎年のスペシャルな三日間でもあるし、娘を喜ばすという意味では打ってつけの日程だ。

久しぶり両親に甘えることで日本での苦労や葛藤の息抜きにもなるだろうし、また過去の自分を振り替えり、向き合う事で心境に何かの変化があるかもしれない。

娘から二人分の誕生日を祝ってあげれば良い想い出にもなるわけで、なかなか粋な計らいだなと思っていた。

 

しかし、そんな気持ちも姉からの報告でぶっ飛んでしまった。

母親の家には男(エジプト人)が来ているというではないか。

「しまった!、女の誕生日に男が来ないはずはない」

慌ててフライトの延期を打診してみたが娘はすでに行く気満々だという。

「くそ!いらんことしやがって」

誰に向かってでもなく悪態が口から漏れ出てしまうが、それでも娘の気持ちを考えると中止にはできない。

 

娘のスマホにはラインアプリが入っているが、4G-LTEではネット接続できないよう設定してある。

Wi-fiのある姉の事務所からのみ接続可能という約束になっているので、娘と話す機会も減って寂しい気持ちだ。

そんなある日、母親とのライン通話中にエジプト人とも英会話していると姉から知らされた。

「あなたのためにタイに来たよ~、早く会いたいよ~、またプレゼントあげるよ~」と浮いた甘い言葉でささやかれた娘

日本では何かとお荷物扱いされがちな身分であるし、あたたかい大歓迎ムードに嬉しくないはずはない。

たぶん浮かれポンチなバカップルよろしく、二人で盛り上がった所を娘に見せたかったのだろう

Line通話を終えた娘は「メ~(お母さん)は幸せそう・・」と呟いたらしい。


母親が願うのは「自分の幸せ」で、娘が願うのは「母親の幸せ」、それって逆だろ?

 

娘がタイに住んでいた3年生の頃からちょくちょく家に入り込んでいたらしいエジプト男、自国では中古車販売業だという息子からの情報。

元嫁家の駐車場にはこれ見よがしにマウンテンバイクが吊り下げてあり、小6時の息子に買ってあげた卓球台が畳んだまま埃を被っているのは目撃した。

また、来る度にしょぼいオモチャなど買ってくれるし「優しくて良い人だ」と幼い子供たちは思い込んでいるようでもあったが、その実は母親の意向には逆らえないという子供なりの事情があったはず。

子供たちはオヤジに気を使って「エジプト」という単語を我が家ではタブーにしていたと姉から知らされた。

 

母親の真実やその危険度を知らせるにはまだ子供達は幼すぎた。

なにしろ娘の親権があちらにあるわけで、強い事は言えないジレンマもあった。

しかし今では親権はこちらにあるわけで、母親の逆ギレを覚悟で拒絶できる。

早速、親権所持者としての権利を発動させることにして、母親宅でのお泊りを禁止!!

少なからずショックを受けた娘であるが、小6の今では多少大人の事情も理解しているらしく、また自分に関する決定権が父親にある事を熟知しているので反発はなかった。

そして、その決定を自分から母親へ知らせ、チェンマイ空港到着時へのお迎えも約束していたが「来なくていいよ」と断りを入れてくれた。

これが親子の会話だとは自分でも愕然とするし、とても寂しく不憫に思えたが娘の安全のためには非情に徹する必要がある。

 

 

パパーと一緒に!といって隅っこで寝ちゃったね 

 

さて、久しぶりに帰宅した娘は自分の部屋がそのままの状態である事に安心したのか、置いていった縫いぐるみやおもちゃを引っ張り出してベッドに並べたりしている。

しかし以前の娘とは少し違う、必然的に家庭の中で飛び交う言葉が日本語ばかり

オヤジと娘とは100%日本語での会話となるので、息子からすると普段から聞かないような単語や熟語がズラズラ続いて話に割り込めないようで無口になっている。

借りてきた猫のように黙りコクる息子を横目にベラベラとしゃべる娘は、感嘆詞からリアクションまでが日本人のそれになっていた。

シャワーの後にいつものアヒル柄のパジャマに着替えた娘を見て、やっと「いつもの〇子だ~」と実感が湧いてきた息子は「太りすぎだろう!」と挑発し始め、しばし幼い頃に戻って追いかけっこ。

 

帰宅したその晩、時差的に寝る時間ではあるが早々と夏休みの宿題をさせてみた。

夏休み明けに一学期のまとめテストがあるからと、タイでも毎日のノルマをこなすように姉から指示されている。

特に歴史の暗記が苦手だからとプリントを開いてみると、これがまたとんでもない内容。

聖武天皇、聖徳太子、中大兄皇子から始まり、小野妹子だの蘇我氏だの清少納言だの、また平家、源氏、義経だの頼朝だの

足利義光、信長秀吉家康、家光、歌川広重と難しい漢字名をカッコ内に書いて行かなければならない。

「オイオイおいおい!」と思った

確かに日本人学校補習校へは幼稚園部から参加させてもらってはいたが、それは土曜日のみ、しかも社会や理科の授業はない。

8ヶ月前と同じように自分の椅子に座った娘は、それらの漢字名をかなり覚えていてスラスラ書いてゆくのに驚いた。

それでも「日米修好通商条約」が早口言葉的に話せなくて覚えられない。

「ニチベー、チューコー、、しゅーしょ?」

何度もトライさせるうちに集中力が切れてしまって、次の西郷や大久保まで行かずに終わり。

 あ~、ここからがオヤジの得意な話題なんだけどな~、残念!

「こんど修学旅行で行く長崎にグラバー園ってあるんだけど、そのグラバーって名前のファラン(西洋人)が東インド会社と関係ある人間でねぇ、東インド会社といえばヤーバー(麻薬)を売ってインドや中国を占領した会社ね。そいつらが竜馬たち倒幕勢力に金を貸したらしくてねぇ、もしかすると日本も麻薬漬けにして、あわよくば、、、あれ?」調子良く話を続けるが、途端に眠たくなった娘は赤い目をこすりだしてストップ。

じゃあ気分を変えて、次に理科のプリントもさせてみた、空気ができてるのは?「酸素と窒素と二酸化炭素~!!」と叫んで空欄に書き込んむ。

フレーズごと覚えさせるのが有効なようだ。

覚えられない言葉も多かったが、ここまで来るのに相当な訓練を受けてきたのが伝わるのに十分だった。

もはや以前のように気分屋で感情的でワガママなだけの娘ではなく、特段の進化を感じさせてくれた。

が、姉に言わせると全くの不十分、このままでは中1の段階で落ちこぼれは確定らしい。

そんなおばちゃんから毎日毎日しごかれて、泣きながら耐えて頑張った成果を目の当たりにして、ついついオヤジの涙腺は緩んでしまうのであった。

息子がボクにも読ませろと割って入ったが、読めたのはひらがなだけww( 一一)・・・

 

ランダムに100問の漢字を選んでテストするのが日課らしい

 

そうやって親子で学習できたのは二日間だけ

3日目からエジプト人が帰国するから「メーの家にお泊まりしていい?」とおねだり開始、断る理由もなく許可を出した。

母親の家にも二泊して、家に戻ったその晩にはフライト、娘の里帰りはあっという間に終わった。

 

「メーの家はどうだった?」と聞いてみると、一瞬暗くなって「あの家は変わったよ」と答える。

そして、外の門が電動リモコンで開け閉めできるようになっているとだけ報告

 

 

二年前は猫のいる喫茶店でサンドイッチを食べたよね

 

今回の在タィ中では、8年間も通ったP学校のピの字も話題に出なかったが

日本人学校での親友KちゃんAちゃん姉妹とは連絡が取れたようで、ご両親から最終日の晩餐にお呼ばれになった。

残された時間は2時間しかなくて、その後は空港へ直行という強行スケジュールとなる。

あまりにも短い再会であるが、あの気が強そうなお嬢様キャラのKちゃんが大泣きして別れを惜しんでくれたそうな。

「Kちゃんは人情があるね、優しくなったんだね」

そういうオヤジをキッと見返して「前からずっと優しいんだよ!」と言い返されたりして、この子らはほんとに気心が知れてたんだなと今更ながら感心した。

そうやって自分のために泣いてくれる友達は○子の勲章だ、これからも人情で繋がる本当の友達を増やしていってくれ。

KちゃんAちゃん、良い想い出をありがとね

 そういうことで最後の最後にサプライズ、美しい記憶と共に故郷から飛び立つことができたのだった。

 

 

その後、姉からの報告により「母親の家が以前と変わった」と評した理由が判明した。

娘の部屋がエジプト人の部屋になっていて、洋服タンスには娘の服ではなくてエジプト人と母親の服がギッシリ詰まっていたそうな。

自分が居なくなると速攻で足跡を消されてしまうってのはどんな気持ちだろうか?

自分の幸せに捉われていると、他者の幸せや不幸せには鈍感になってしまうのだろう。

 

そして息子の話では、連日のように母親から電話があり「あの子は変わった」と長々と愚痴を聞かされて目眩がすると。

どうやら自分の思惑通りに娘をコントロールできなかったようで? また娘から強烈な突っ込みなり注意なりが入ったのだろうか。

いずれにしても変わったのは確かだろう、娘とていつまでも子供のままではない。

どの大人が何を考えているのかは、既にお見通しなのかもしれない。

 

そろそろ1セットだけ残して処分する時がきたかな (´;ω;`)

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息子のチキチキ高校受験 その③

2019-08-18 17:48:09 | 育児

そういうことで、予期せぬ私立M高校に合格してしまった息子

こうなれば生来の無計画さが露呈してしまい作戦変更となっちゃうわけで

「単なる腕試し、合格しても入学はしない」という親子の共通認識、合意が崩れ去るのは早かった。

まず一次試験と二次試験を合わせて特別数学クラスの合格者は45人、うち1組の合格者は25人だそうで「その中に僕が入ってるんだよ」と言う息子の説明に貧乏性的「モッタイナイ精神」が刺激された。

そして、その25人中の15人はM校中等部からの繰り上がり採用で、残りの10人が他校からの合格者だと説明する息子の顔は、あの交渉時に使用する得意技「眼力」をMAXで使用しているではないか。

「あちゃー、こいつマジ手のひら返しで説得工作を開始しやがった・・・」

そうは思うが、気になるのはM校の入学資金と授業料、そして有名大学への進学状況だ。

「入学金はだいたい4万だって」速攻で答えて、上目遣いでこちらの表情を伺う息子(4万バーツは約14万円)

そこまで言うなら仕方がないと、少ない情報網にアクセスして進学状況を調べることにした。

塾友バイファーンちゃんは惜しくも英語クラスで2組合格となったが、その伯母ちゃんの情報ではM校の数学ギフテッドクラスは優秀だから行くべきだという意見。

母親の古い友人プンちゃんの息子さんもバンコクで受験であるが、そのプンちゃんのヤワラート華人ネットワーク情報からも「公立Y校よりは私立M校の方が」と言われたらしい。

そしてご存じB先生の調べでは、「Y校の進学クラスで真面目にやっているのは5人だけだという話です、もしできるならばM校へ行かせてあげてください」という衝撃のお言葉をいただけた。

ここに来て、二年半通ったY校とのお別れは決定的となった。

小学校の時から気心のしれた親友ファースト君や初恋のカオホームちゃんともお別れとなるだろう。

すこし潤んだ息子の瞳が別れの予感を噛みしめているようでもある。

 

オヤジとしては、数か月後に受験が控えているチェンマイ県のトップ2である私立P校と公立S校を希望していたのであるが、考えてみるとM校とてトップチームに限っては同レベルかもしれない。

息子の友人の中でも学業優秀なアンフィル君(理科)とガーン君(数学)の二人ともがM校に合格しているが、「彼らはどうするのだ?」と探らせたところ、やはり予想通りM校の入学金を納めて滑り止めとして使用、S校、P校、或いはバンコクの有名校を受験する方向である事が知れた。

「よし!決まった!」 オヤジも腹を括った

「まずはメ~(お母さん)に相談して、捨て金として入学金をお願いしろ、無視されたらオヤジに言え」←ここ重要w

母親は息子の中学校費用を担当している、オヤジは日本に居る娘の資金でアップアップなので(汁笑)、しかも息子の生活費や塾費用までほぼ全額拠出しているし、ここは息子の「眼力」を活用してもらうことにした。

その晩、喜々とした息子の顔を見て、どうやら母親への説得工作が成功したようだと知れた。

「メ~はOKだって!入学金を払ってくれるよ!」

「そうか? そりゃよかったな」(親父にとってもw)

ステッキを持った財津一郎ばりのステップで喜びを表していた息子は、ピタッと止まって

「だけど、バンコクのトリアムウドムには絶対に行かせないんだって・・」と怪訝そうな顔

「ん? なぜ?」

トリアムウドム校は長らくタイ国で一番の高校、タイ国の東大といわれるチュラロンコン大学に隣接する場所柄、付属高校としての立ち位置もあるだろう。 

日本で言えば、なんだろ?? 灘高とか開成高とか、よくわかんないけどそんなもんだ。

普通の田舎モンなら土下座してでも入れて欲しい幕府直轄みたいな学校のはず

なのにダメって意味がわからなかったが、M校入学申込日の前日に「ダメ」の理由が判明した。

その晩、全ての書類を自分で用意した息子は「準備万端だ!」という顔で就寝に付こうとした時

電話のベルが鳴った、母親と明日の段取り確認かな?と思って少し安心した。

程なく「ええ~!!!!」と奇声を上げたかと思うと、顔が青黒く変色する息子

すえた目でスマホ電話をオヤジに差し出し「明日、メ~は行かないんだって…(-_-;)」と報告

「ななな、なに?」

「ハロー?ハロー?」聞きなれたキンキン声が耳に飛び込んでくる。

「明日は、メ~はお仕事でバンコクなの、M校へはパパーが行ってね」ちゅーじゃないですか!

息子人生の分水嶺よりも恋人とのバンコク遊びが大切なのか?と瞬間沸騰しそうなのをグッとコラえた。

恋人っていうか、カモネギっていうか、次のターゲットがお泊りに来ている事は子供らの証言で明らかだった。

「で、お金を出し換えといてね、絶対に後で払うから」ちゅーじゃないですか!

ここでキレたり不許可を出したりすると、後でどんな意地悪が飛び出すのかわかったもんじゃない。

娘の親権移動でゴネられても大変だしと頭を高速回転させて

「ああそうなの?はいはい」と表面上は快く了承するしかない。

「もしバンコクの学校に合格したら入学金は無駄金になるけどね」と振ってみた。

すると、「トリアムウドムは絶対にダメ、プンちゃんが話した、アパートに入れると悪くなるから」という、反対に「マヒドン校ならOKよ」ちゅーじゃないですか!

同じバンコクにある「マヒドン校ならOK」ってなんだよエラそうにと思うが、マヒドン校は国策の超エリート養成学校にして学校側があらゆる費用を援助してくれるらしいが、反対にトリアムウドム校は学費のみならずアパート代など出費が嵩むから嫌がってるのが読み取れた。

つまりケチケチしてるだけ?(;´・ω・)

「お前な~3500万バーツの土地を所有しるんだろ? どんだけケチくせーんだよ」というセリフをグッと飲み込んで、「じゃあ、チェンマイのP校とS校ならいいだろ?」と振ってみたら、待ってましたとばかりに「P校に行かせるならパパーがお金払ってね」とゆーじゃありませんか!

「アタシはATMじゃないから」と言い放って、ここは交渉タイムだと勘違いしている。

またしても愛情と交渉をゴッチャにしてしまおうという算段に目眩がクラクラ

「一日コイツに接すれば一日の憎生じて。三日接すれば三日の憎生ず」と、増田宗太郎ならば評するだろう

「くそ~とことん足元見るなぁ、ダミダコリャ」そう思って話を切り上げた。

「心配するな、明日の書類をもう一度確認しといてくれ」そういうと、息子はショックと安心が複雑に絡み合ったような表情でうなずいた。

 

 

              雨のM校  いつ晴れるや?

さて、小雨がぱらつく翌日の午後、すっかり当日のスケジュールを失念していたオヤジは息子からの電話にせかされて慌てて車に飛び乗った、よほど慌てていたのか靴を履くのを忘れて便所ぞうりのままだ。

M校の門をくぐると駐車スペースが満車で、まず息子を先に降ろして路駐場所を探した。

雨に当たりながら講堂のある建物に走り込んだ時、ベンチに座って談笑する見慣れた顔が目に入った。

4人のマダムに囲まれて口元に笑みを浮かべた男性がマダムの頭越しにこちらをガン見している。

口は笑っていたが目は笑っていない、それはまさに息子の卒業した小学校の校長後継者にして同窓BBちゃんのお父様のように見えた。

しかしカケスのサミーによるとM校中等部のBBちゃんは不合格だったはず。

目は合ったが何もアクションがないので別人だったかな?と思って二階の講堂へ登った。

息子が入り口で待っていたので「BBちゃんのお父さんに似た人がいるけど…」というと

「あ、BBは二次試験で数学2組に滑りこんだらしいから」そういって二本の指をスリスリ擦り合わせた。

「寄付入学?そいういう噂になってんのか?」そういうと、「10万バーツらしい、M校生の2組には多いいんだって」と言うと突然ガッツポーズをした息子、小声で「倍返し」と呟いた。

カケスのサミーはBBちゃんの親友であるからして信憑性のある話だ。

 

小学校体育館ほどの広さがある講堂の壁には歴代の校長だろうか写真の額が掛けてあった。

また100年の歴史を物語る古い写真がズラリと並んでいる。

中央にはひと際大きな写真、新しい王女様の御尊顔がドーーン!と飾ってあった。

アテンションプリーズと挨拶したりして、で、まず手前のカウンターで書類検査から

オヤジのパスポートコピー、住所登録証の母親と息子のページのコピーの不備を指摘され、学校のコピー機を拝借

そして入学金を納めるカウンターに並ぶこと8人目、息子から「この封筒に5千バーツ入れて」と大きめの封筒を手渡された。

「なんの封筒なんだ?」と質問するも、困り顔になる息子からは正確な答えが返ってこない。

「ああ、なるほど寄付金ってやつかな?、うちは10万じゃなくて5千でいいのね」そう呟いて財布の中から5枚を抜いた。

列に並んでいると、前の保護者と談笑していた上品そうなダンディー保護者が息子の姿を見て驚いたように息子と話し始めた。

なんだか政治家か医者の風格、親しく笑いながら息子に色々と声掛けしている。

後で聞いた話では、ビデオ塾で一緒になったY校特進クラスに通う子の御父上だそうだ。

彼は私に向かっても丁寧に両手を合わせてワイ(挨拶)、すごくフレンドリーだし動作に品格が溢れている。

それを見た周りの保護者たちからも俄然注目を浴びたりしてオヤジの背筋が伸びてしまうし

皆さん、そうやってにこやかに勝利の栄華を共感し合っているようでもあり? 

今更ながら便所ぞうりであることを悔やんだw

 

      水槽の魚のような表情で緊張する息子、生徒の姿は少なく、ほとんど保護者のみが出席してる

「なんだか、ここの人たちレベルが違ってそう…」と思っている矢先、自分の番が来た。

書類一式を手渡すとコンピューターに打ち込んでゆく二人の先生

封筒の中もさらけ出されて少しコッパズカシイ気持ち

VISAカードが面倒だと言われたので入学手付金4万〇千〇百〇十〇バーツという細かい数字の金額を現金で支払った。

これで終わったかと思ったが、二人の先生は言いにくそうな表情で何やら息子に説明している。

途端に顔が赤黒く変色して目が泳ぐ息子。

「何か問題でもあるのか?」と隣で固まる息子に質問すると「お金が足りないらしい」という返事。

「ご、5千じゃなくて、い、い、、一万バーツだって」そういうと情けない顔で下を向いた。

「なーに、10万に比べたら安いもんよ」と気前よく財布を開き、追加の5枚を引きぬくオヤジ

どうせお母さんの支払いだからなとは言わなかった。

 

よし終わった!と思えば次のカウンターへどうぞ、「2千バーツ払って」と言われるままに

ヨシ終わった!と思えば次のカウンターへどうぞ、「2千バーツ払って」と言われて財布の中はスッカラカン寸前になった。

「やべー、ギリギリセーフだよ、誰だよ全部で4万だと嘘つきやがったのは」

「メ~だよ~、5千だって言ったんだよ~」(´;ω;`)

そういう事で、無事にM校の入学権利をキープ

安心して喜ぶ息子の顔を見ると、いつ戻るかもわからない母親への貸し分は忘れるしかなさそうだ。

 

 

めでたし めでたし?