2023年 2月になっている
この間まで小学生だった娘が高校入試というから月日の流れる速さに驚くばかり
入試とは言うが 実のところ推薦入学のための面接
自宅から高速飛ばして2時間ばかりの高校まで 付き添える大人がいないということで
急遽オヤジが一時帰国する事となった1月中旬
娘の志望は(自称ネイティブ発音が活かせる)英語で学ぶ国際科
なんでも娘が帰国子女枠に該当するそうで、専願だと試験免除だと知らされたのが昨年の9月
どうせ苦手な国語や古典、歴史や物理化学の試験がないという理由だけで選んだに違いないと思った
11月頃に進路を決定してからというもの、危機感を失った娘は勉強する気力を失ってしまった
「記憶力だけだはスゴイな」
塾講師から認められる程に上位だった漢字や英単語の記憶力テストが下位に沈んでしまう体たらく
やる気のない子に構っていられるほど塾講師は暇ではないし、そんな子が教室にいるだけで危機感持って勉強する子らにとって邪魔になる
必然的に隅の方へ追いやられてモチュベ-ション消失の娘は冬期講習が始まる直前にその進学塾を辞めてしまった
なんてイージーなヤツ!!
またしても授業料をゴミ箱に捨てることになるとはな!!
これで何回目だ?とスマホ越しに𠮟りつける毎日
「そういう安易な道を選んでサバーイサバイになりたがるところがタイ人っぽいんだよ、日本にいるなら日本人っぽくやれよ」
日本人は投げ出さずに最後の最後まで努力するものだ
もしタイに住んでれば今のままで普通だよ
ぜんぜん変じゃないよ、むしろ良い子だと思うよ
だけどね、日本でそういう困難から逃げるような人は必要とされない
どこの会社でも雇われない
何か問題と直面するたびに「マイサバーイ・ジャイ」なんつって引きこもられたら会社はたまったもんじゃねーだろ?
「ノーイジャイレーウ~~」なんつって 涙ウルウルさせたって日本じゃ誰も助けてくれないよ
「おまえ なんの努力をしたんだ?」って叱られるだけだよ 厳しいんだよ日本は
ヨッシャ 困難にブチ当たって克服したるぞ~ かならずやり遂げてみせる! みたいな人だけが高給取りになれるの
そうじゃなければスーパーのレジでピッピッっとやって時給千円で働くしかないよ、パートタイマーが関の山
「自分で食べた食器くらい自分で洗え」とオヤジから命令されて渋々従う娘
冬の制服姿を見たのは今回が最初で最後?
若い時の苦労は買ってでもしろ、その努力こそがが将来の実力となって身を助けるし
たとえ負けたとしても努力したその軌跡は無駄ではないのだ~~的な根性論を諭すのだが、段々棒読みになる
「だけど もう寮に住むことに決めたから」
そう言って話をはぐらかす娘に何を説明したところで無意味でしかない(;´д`)ダみだこりゃ
まあ、約束の英語検定3級は合格したし、まったく努力してないわけではないのでダメ出しは程々にしよう
日本語と英語の面接に絶対の自信をみなぎらせる娘
校長先生直々のご指導でシュミレーションを繰り返して鍛えたという面接馴れと 持って生まれた口八丁に期待するしかなかろう
(校長先生 ありがとうございました<m(__)m>)
日本の冬は19年ぶりだろうか
ちょうど10年に一度といわれる寒波に見舞われて、滞在中ほとんどが摂氏0度前後という極寒の中
キーンと冷える冷気はタイ国の温暖な気候に馴れている身には厳しい
気温が落ちたなと思えばサ~~っと粉雪が舞いだして、あっという間に風景を白く染めた
B先生やLHのやつに画像を送ると大喜びで感動してくれたようだ
外気温は なんとマイナス3℃
ハイテク満載の自動車にワイパーの作動法すら戸惑うウラシマタロー
大雪の晩にマンションの水道管が凍結してしまって水が出なくなり大騒動になった
これでは食器が洗えない、トイレの水も流れない、風呂にも入れない、顔も洗えない
もちろん娘の朝シャンは禁止となり不機嫌の極致となる
「クソイラつく~~!」と叫ぶから
「意外とメンタル弱いな、キャンプと思って楽しめてるぞ めっちゃ楽しいやん」と指摘するオヤジ
路面の凍結状態を確かめつつ 帰宅した娘を近場の温泉へ連れて行ったが
「なんだか、シワクチャのお婆ちゃんだらけでカッパに見えた・・」と楽しめないようだ
「はやく家のお風呂に入りたい~~!」と文句ばかり言うので説教開始
おまえなあ、産まれた時はサンカンペーンの井戸水で水浴びしてたんだぞ
戦中戦後となると爆撃で電気すらなかったが、家にはエアコンはあるし電気ケトルでお湯も沸くし
煎餅布団ではなくてフカフカのお布団もある それだけでも有難いと思えないのか?
オヤジとて戦中戦後は見たことないが爺さんの受け売りを炸裂させて
「ほれ、飲料水の確保に行くぞ!」とホームセンターを駆け回った
試験前日は制服を自分でアイロン掛け
あれだけ地黒かった娘の肌が白いのは画像処理?
しかしこの寒気団は半端ない 面接当日が雪になれば遅刻欠席は免れないということで、
前日現地入りしてホテル宿泊する段取りとなった
「やり〜!」と喜ぶ娘、タイの広くで豪勢なホテルを思い描いているようだ
晩飯は高速パーキングエリアで済ます予定であったが、食べ物が喉を通らないという娘はフライドポテトのみを食す
さすがに緊張でブルっているのだろう
リラックスできるように温泉付きのホテルを選んで朝食バイキングも別途注文している
しかしホテルに入るや否や「なにこの狭い部屋、ツインベットが近すぎる~ パパ-のイビキがうるさくて眠れないよ~」
モンクばかり言っている
オヤジはといえば 大浴場温泉にゆったり浸かって冷え切った手足がビリビリするのを楽しんで大満足
「うおー 生き返ったぜ・・・」なんつって部屋に戻ると
犬小屋のような狭いユニットバスでアップナーム(シャワー)を終えた娘
「温泉メンドクサイ!、お婆ちゃんたちがカッパに見えるから」と 意味不明な理由をつけて早々と布団にもぐりこんだ
ちょっと前まで「パパーと一緒に入る~!」と狭いマンション湯船にドボンと飛び込む娘であったのに寂しい気持ち
コロナ禍から国境封鎖をして会えなかった2年半で すっかり巨大化してしまった娘は着替える時でさえ「こっちを見ないで~!!」と絶叫するようになっていた
もう15歳だからね
↑ 後ろから逆エビ固めで攻撃したくなるが我慢した
夜中の2時ごろだろうか、ポンポンポンと背中を叩かれて目が覚めた
「スマホで音楽聞きたい、ネットに繋いでくれる?」という
「はやく寝なさいよ、明日起きれないだろ?」 そう言って無視しようとすると
「お願いしやっす このベット眠れんのよ・・」と情けない声で嘆願するので
「30分だけだからな」と念を押しグーグルファミリーを起動して繋いであげた
6時半からの朝食では 開店するまで順番待ちでずらずらと並んでいる
映画で見た刑務所か兵隊チックな態度で食べ物をお膳に乗せてゆく
その時点で娘の食欲が萎えてしまったようで、せっかく集めた食事を「パパ-食べていいよ」と言ってお膳を横流し
ヨーグルトだけ喉に流し込んでいた
「みんなのドカ食いみてたら気持ち悪い」などと意味不明な感想をつぶやくし
ナーバスなまでに神経質になっているのが感じられた
早朝温泉に後ろ髪を惹かれながらチェックアウト 冷凍庫のように冷えた自動車へと乗り込んだ
昨年の9月にスポーツクラブ体験で参加していたので学校への道順は覚えている
あの時はお婆ちゃんも一緒に現地入りしたので 娘だけを学校にポイ置きして観光巡りを行った
終了時刻になって迎えにいくと、卓球場はコチラですと案内され
門外にある古めかしい建屋に歴史を感じた
昭和40年代だか50年代だかに建てられた感じの卓球場へ入ってみると 薄暗い中を娘と一緒にコーチと顧問の3人が待っていた
悲しいことに神経性難聴である私にはマスク越しの会話が聞こえない
「ハイハイ、ありがとうございます」と答えていれば問題なかろうと思っていたのだが、予想を上回る長丁場の説明にうんうんと頷き続けるしかなかった
帰りの自動車で「なんの話か聞こえてなかろ?」と娘がいうので 「うへへ、なんの話だった?」と質問してみれば
「卓球のスポーツ特待生で来てくださいという話だよう!」
興奮冷めやらぬふうの娘は帰りの自動車の中で「先輩全員に勝ったもんね」と鼻高々に自慢した
コロナ前の小学校5年生の娘とボーリング場で卓球したときは下手くそで下手くそで、
それでも負けん気だけは強くて閉口したもんだ
オヤジに勝てない娘はメンタル崩壊して半泣きでホームランを打ちまくってたが、それから4年後の昨年9月に遊んだときは卓球選手のそれになっていた
七色の変化球といえるサーブは そのどれも返すことができないオヤジの完敗(-_-;)チクショー
オヤジ相手では楽しくないとバトミントンに切り替えて遊んでくれたのだった
(Aクラブのコーチ、厳しいご指導を有り難うございました<m(__)m>)
「インターハイで全国大会に行けたらいいね」というと「ムリムリムリムリ」と言って手をひらひらさせる
テンション上がりまくって独演会が続く車内、思い出したように卓球部にタイ人がいて彼とタイ語で会話したと報告した
そのタイ人先輩は奇遇にもお兄ちゃんと同じチェンマイM校から留学してきたそうな
まるでお兄ちゃんと一緒にいるような気がしたらしくて目が潤んでいる
そうか、日本でお兄ちゃんと再会して、かれこれ4年だからな
「もう疲れたから寝る!」と言って、ひと通りしゃべくり回った娘は助手席シートを倒したが
バックミラー越しに見える娘の目はらんらんと輝いていた
話は戻して今回の面接であるが、国際科の待合室に保護者同伴の生徒が5人いて
その誰もが帰国子女にてハーフの子のようだ
緊張でガチガチになったらイカンと思ったオヤジ 面白いギャグでほぐしてやろうと試みる、
オヤジの中学時代、ある男子がスピーチするべく登壇の時に手と脚が同時に動いて全校生徒の爆笑をさらった話をしてあげた
ジェスチャーで手足が同時に動くロボットのような動きをして見せると
ブッ!と吹き出した娘は顔を伏せて暫くクククっと笑っている
その他にもギャグを連発していると おもむろに赤くなった怒顔を向けて
「パパ-は落ち着きがない、もう静かにしていて!」と叱られてしまった
ホグシは成功!(^^)!
そうこうするうち順番がきて名前を呼ばれる、
一人当たり30分の計算になるが まあ30分くらいなら化けの皮が剝がれないだろうと高を括った
オヤジも別室に呼ばれて 別々に面接
娘さんにはどんな将来を期待しますか?的な質問には困った
~考えてみると 期待するものがナニもない~
まあ人様に迷惑掛けないよう、自分で仕事して食べて行けるような人間になって欲しいくらいで
高望みはしないという面白みのない返答になってしまった
それ以外にも数々の質問に答えたが 後で聞いた話では親子の話に食い違いがあるのかを調べるのだそうな
世の中には偽装親子ってのがいるのかもしれない
緊張の待機 このあとオヤジギャグの攻勢に晒される
まあそういうことで数日後には合格通知をいただけて、入学金と協賛金を即納
コンビニではカード決済が不可だということで地銀へ向かうも郵貯からの方が無難だといわれた
郵貯へ行くと「金額が金額なので」と娘の預金通帳からの振り込みになるだのと
超メンドクサイので結局コンビニにて現金決済で済ませた
(日本の送金システムは古めかしくて驚愕)
金額はナイショだが、息子のM校とほぼ同額である
振り込み証書のコピーを中学校へ届けるべく娘に手渡す
その時点で不安定だった娘のメンタルは落ち着きを取り戻した
と同時に地元の卓球クラブへの再開を嘆願されて資金投入を了承
さっそく4か月のブランクを取り戻すべく厳しいトレーニングを再開した
筋肉痛で脇腹が痛いよう~と愚痴りながらも「ぱぱー一!一緒に走るよ」と催促されては極寒マイナス3℃の暗闇の中
川沿いをランニングして鼻水を垂らして(スピードで追いつけないショック( ;∀;)
縄跳びでどちらが多く二重飛びできるか競争したりして(娘は連続12回 オヤジは7回で負け続け(-_-;)
今後オヤジが帰国しても高校に住む娘とは気楽に会えなくなるので
残り少ない貴重な時間 親子の触れ合いを堪能するのであった
さてさて、3月は伯母さん仕事で出張中だし82歳のお婆ちゃん一人で卒業式に出るの辛かろうというこで
三年間の無遅刻無欠席は娘一人だけ、それと中体連県大会で3位入賞したので校長先生からの賞状授与が予定されている
「見に来れる?」と何度もお願いされたが
その時期 なんと滞在ビザの更新手続きだった (゚Д゚;)がびーーん
「もし飛べたなら出席するけど、入国管理局次第だな~」と娘に伝えたが、
みるみるテンション落ち込むのがスマホ越しに伝わって来て
電話の後で「家族は誰も来なくていいよぅ!」と婆ちゃんに叫んだそうな
なんとか入管に許可をもらいたいが・・・
いつも応援をありがとうございます‼