その1 ↓↓
(只今編集中)
先の10月に一時帰国した時は、例年にない10日間もの日程だった。
そんなに長い時間、日本の澄んだ空気に触れ続けたのは16年ぶりだった。
その間、座敷に毎晩布団を横に並べて娘とおねんね
就寝中どんどん布団を占領されては畳の上で「イタタタ…」と目覚める日々
稲はたわわに実り、緑樹と紅葉のまだら模様に、どこまでも深い晴天とのコントラストを堪能した
「ああ、秋ってこうだったのか」 と新鮮な感覚に浸った10日間は夢のように過ぎ去った。
しかし、図らずもその一か月後には再び日本へ飛ぶ予定となり慌ててエアーチケットを購入するべく財布をパカッと開いたのであるが、家庭裁判所へ足を向けて説明を受けた姉からの知らせにより、今回のようなケースでも簡易手続きで遺産放棄は可能だと知らされた。
つまり書類に印鑑ポンでOKというわけだ。
(場所により違うようです、もよりの裁判所へお確かめください)
「あちゃー、なんでそれを早く調べてくれないの」とは思うが、今回の渡航には別の使命もあるので気を取り直して出発の準備を粛々と続けた。
別の使命とは、娘の親権を母親から父親(私)へ移動させる手続きのこと。
半年前、娘の親権移動をお願いすべく市役所へ向かった姉であったが
タイ国の裁判所での判決内容とその日本語訳を揃えて提出したにも拘らず、市役所員からの返答は「裁判所へ行ってください」という素っ気ないものだったそうな。
いったい親権登録が何処の管轄なのか不明瞭、且つ不親切に感じるものの、ことさらデリケートな内容ではあるし、ここはやはり自分で調べるしかなかろうと思った。
そしてもう一つの使命は自分の病院巡り、先月の人間ドックの結果では「悪い箇所は専門医に診てもらえ」という記載であった。
①水晶体剥離による飛蚊症の治療法があるのかどうか、また悪化する可能性を確かめるべく眼科へ
②チェンマイではPM2.5が200を超える煙害が三か月も続く、それのみならず真っ黒な排気ガスをボンボン吐きながら走るディーゼル車に交じって走行する毎日
今回の肺機能低下という指摘に少なからず不安を感じるし、最近は息苦しい時も度々あるので呼吸循環器科へ
③ピロリ菌感染の正確な検査、胃の張りと鈍痛、胃カメラによる胃内変色の原因と対策が必要、また背中痛や突然の睡魔による昏睡が関係するのかどうか内科消化器内科へ
④今年あたりから物忘れが酷くなり、ついさっき思ったことを失念「なんだっけ?」という惨状が頻発するようになった。
仕事を途中で中断して再度見直すと、必ず記述ミスを見つけて「なんでこんな間違いをしてるのだろ?」と唖然とするし、
それが持病の片頭痛と関係するのか、また強いピリン系の頭痛薬が影響すしているのか、それとも脳内に欠陥があるのかを調べるため脳神経外科へ
⑤10年前から高音が聞こえなくて難聴ぎみ、最近は低音でも音がこもって聞こえない時があり耳鼻科へ、以上を予定していた
けっこう多いなぁ (;´・ω・)
だらだらしてると直ぐに5日くらいは過ぎてしまうので、到着の翌日には市役所へ
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「すみませーん、 子供の親権移動をお願いしまーす」
「は?」 と固まる市役所員さん
上司のような人が呼ばれて、「通常は裁判所で確かめる案件だと思いますが、裁判所出張所が近くにありますので、そちらで質問されてみてはいかがですか?」 ってな感じの返答。
「なるほど、ここで止まったのだな」と思って、裁判所出張所なる建物に移動
なぜか草ボーボーな駐車場に車を止めて小さな建屋に入ると、狭い部屋には派遣職員と思しき二人の男性が神妙な顔つきでこちらをガン見していた。
「今日はなんの要件でしょうか」
「いや、実はですね… カクカク云々な事で、止まってるんですよ」 てな説明をじっくり真面目に聞いてくれるお二方は、「それは、こういうことですか…」と、いちいち私の話すアホ用語を法律用語に変換させて確認されるので、戸惑うペリカンになるばかり。
「ああ、なるほど、頭が法律用語になっちゃってるんだな」 と判ってからは、意味不明ながら話の腰を折らないよう気を付けて、「ハイハイ、そうと思います」と生返事するに徹した。
そして「うん!」と頷いた担当者の方は、「それならば、県の中心にある家庭裁判所へ行き、受付に質問してみてください、きっと何か説明があるはずです」と教えてくれた。
さっきの市役所と違って真摯な態度で話を聞いてくれて(聞きたかっただけかもしれないが)、タイ国での親権裁判で役場のたらい回しになった時の事を思い出して
「やはり対応に違いがあるな」と独りごちた。
「話を聞いていただき助かりました」と部屋をでようとすると
二人の職員さんが、ガタッ!と椅子を鳴らして席を立って「頑張ってください」と深々とお辞儀をして送り出してくれた。
「あ~なんだろ、この感触…」
ここまで来るまでにどれだけ大変だったかってのを肌で感じてくれたようでもあるし、そんな過去に対して同情してくれたような気もするし…
ま、単なる礼儀作法というか、おもてなしの延長というか、もしかするとSNS対策かもしれないが?
タイではそんなことは起こりえない、誰がどんな目に合おうが、どれだけ努力してようが無関心だし、無感動にみえる(見えるだけ)
もっと悲惨な人生の人は多くて、いちいち感情を動かしていたら身が持たないだけかもしれないし、それだけ大陸は世知辛いってことなのかもしれない。
この時は日本人のウエットな感性に接して、心に温かく懐かしい感触に抱かれたような気分になったが、それは単に秋風のせいかもしれない。
ガラス越しにみえる二人の直立不動のシルエットに軽く会釈して、
「すんませんね、タダで教えてくれて」とつぶやいて、おふたりの人生の幸運を軽く祈りつつ、まったく手入れされてない草ボーボーの駐車場を後にした。
大型スーパーの夜七時になると半額になる刺身
目が血走るスナイパーどもと鍔迫り合いの末に勝ち取った戦利品w
さて次の日は、朝も早よから県中心街にある裁判所へGO
JRと地下鉄を乗り継いで、約1時間半で到着
さわやかな秋晴れ、気持ちよくてハイキング気分
どんどんどん! 遠山左衛門のジョー様の おなーーーりーーーーー
日本の裁判所もけっこうデカくて威張ってる感じ
タイのこた笑えないなと思いながら真新しいビルの門を潜った
受付に案件を伝えると、1階の奥が家庭裁判所だからと、そちらで質問するように促された。
で、バリアフリーだかなんだか知らないが、敷居のないだだっ広い部屋には30人ほどが忙しく働いているが、そのうちのマスク姿の男性が近寄ってきた。
「本日は何を?」
マスクだけど男性の声だけに辛うじて聞こえた
「カクカクしかじかで、娘の親権が宙ぶらりんになっております」と説明
その職員さんは学歴エリートなのだろうが、みずぼらしい様相の相談者を見下すようなぞんざいな態度など微塵もなく、日本語に不自由で要領を得ない説明を一通り頑張って聞いてくれた。
「それならば「調停」か「審判」かのどちらかになると思いますが、そもそもの話、タイ国で裁判が終わった後の書類を日本の役所へ持ち込んで登録したわけですよね?」
「はぁ、そりゃそうですが?」
「ならば、日本では調停も審判も裁判も行っていないというこで、それを登録したのが市役所ならば、今回の親権変更書類も同様に有効のはずすので、市役所の方へそう説明されてください」
「はぁ、そんなもんですかね?」
「それでもダメならば、こちらへお越しいただき審判なりの相談をされてください」
とまあ、そのような説明を受けて納得した。
「なるほど…」
ま、考えてみれば、最初の親権登録だってタイ側の裁判結果を持ち込んで決められたわけだし、ならば変更だって可能なはずだ。
やはり丁寧に直立で見送りされる家庭裁判所職員さんに深々と頭を下げて、「あんたさんも良い人生を過ごしてくんなはれ」と思いつつ、「よし、いっちょ強気で話してみるか」、そう思って下城した。
田舎だけでなく、都会の公務員も礼儀正しいなぁ
以前の公務員は感情のない鉄面皮か、もしくは迷惑そうな顔であしらわれてた記憶
そう、ちょうど在タイ日本領事館の職員のように冷血ツッケンドンで慇懃無礼だった気がするがなぁ…などとブツクサ呟きながら市役所に到着
せっかくのシティーなので昼飯はコレ、血圧や尿酸値は無視 (;^ω^)
「こんちはー! 子供の親権移動をお願いしまーす!」
「は?」と固まる市役所の職員、ここまでは前回と同じ
「向こうで裁判は終わってるんすよ!、ほらこれが証拠です!」
そう言って、タイ語のコピーとその翻訳を差し出した。
少し慌ただしくなって「こちらへどうぞ」と敷居の向こうにあるカウンターへ通され、
そこで現れた上級職員と思しき古参の女性に、家庭裁判所で賜った論調をぶつけてみた。
「離婚時はタイの判決内容を持ち込んで内容承認されたわけですから、今回もタイの裁判所による変更内容ですから当然通りますよね?」
ふにゃふにゃしたタイ語で書かれた白黒の書類を見て、「これはコピーなのですが、現物はおもちでしょうか?」 といわれるので、「現物は裁判所に保管してありますよ、持ち出し禁止なんで」と返答。
「あ、それはそうですよね」とバツの悪い苦笑いに
「その承認ハンコ付きコピーが手元にありますが、紛失すると再発行が面倒なので、今回はそのコピーを持ってきました」と説明した。
(やっぱ白黒じゃなくて、赤い印鑑付きが良かったかなあ…)
どうしたものかと思考を巡らしている担当者さん、「う~ん…」と質問を思案中
後ろの職員さんたちも固唾を飲んで伺っているようでもある。
そこで一席ぶってみた、「子供はすでにA小学校へ通っていてもうすぐ1年になるんですよ、担任はM先生からお世話になってますーー!」と押してみた。
地元でも古い歴史のある校名を高らかに叫んだからか、「ああ、A小学校なのですね?」と幾分か表情がやわらいだ。
何年生なんですか?など他愛もない会話を数回繰り返して、何かの疑念が消えたのか、「うん、うん」と頷かれた担当者さんは
「わかりました、ではこの書類に書き込んでください」と、1枚の申請書を差し出された。
(おお!、意外と早く受け付けてくれたか?)
まあ東南アジアってだけで胡散臭いと思われるだろうし、疑われてもしょうがない身分
途中で担当者さんの気が変わられてはかなわんと思って(笑)
急いで慌ててふるえる指先で空欄を埋めていった
「親権移動は簡単な作業ではなくて、数日掛かると思います。 もしその本物のコピーが必要だといわれたならば、後日提出していただいてよろしいでしょうか」
「ハイハイ、当然でございます、ブッとばして持ってきます」と調子よく答える私
「○○と申します、私が責任をもって手続きを行いますので、なにか不明な点などあれば私の方へ質問されてください」と名刺までいただき、恐縮至極
個人名でサポートをいただけるとは、なんて心強く、ありがたいんだ!!!!
娘はゴジラなんですが、どうぞよろしくお願いしますと深々と頭を下げて、ついでに聞き耳ダンボな職員さんたちにも丁寧に頭を下げて(ここは日本的にやると好印象)、笑顔で市役所を後にして、
そしてやっとガッツポーズ
「ヨッシャ!!終わったぜ」
やっぱり田舎だし、ガイジンってだけで前例に倣うマニュアル外だろうし、
親が直接出向いて膝と膝を突き合わせて話すと対応が違ってくるのだろうか
顔容姿や人間性が確認できることで安心するのはタイも日本も同じだなぁ
なんて思いながら、結構長かった作業の終わりを噛み締めた。
皆さんの親切なご協力と迅速なお手続きに感謝します<m(__)m>
もうすぐセーラー服の注文が始まる LLLサイズあるの?
生姜みたないナニか 「菊芋」というらしい
デンプンがなくてイヌリンが多いので健康食品だとか?
さて、お次のスケジュールは病院巡り
まずは国立大学の医師が診てくれるという評判の眼科へ
タイ国の総合病院と日本でも診てもらった事があると自己申告したところ
その初老の医者さん、私が病院遍歴をしていると勘繰ったのだろうか
「どこで診察したって同じだよ」みたいな態度にカチンときた。
「ま、通常の日本医者なんて威張ってるだろうし、ちょっとでも不具合を感じると悪評判を振りまく患者もいるだろうからピリピリもするわ」と理解して、神妙にして話に耳を傾けた。
「これはね、水晶体剥離はね、単なる老化現象ですから、
もう治りませんから!」
「治らない?」 がびーーーーーーん!!!!
「これからどこの病院で診てもらっても同じだし、
よって処方する薬もありません!」
「薬がない」 がびーーーーん!!!
まるで「バカにつける薬なし」のような表現だが(笑)
そこまでハッキリ言われたのは初めて、逆に潔ぎ良さを感じて
「症状と原因がはっきりしたので良かったです」と、正直に感想を述べたところ
機嫌を良くされたのか、権威のドクターは次々と最新機種で眼球を調べてくれた。
(さほどはチェンマイの総合病院と同じ器具)
で、横からの断面図をモニターで見ながら、
「ほら眼底が波打って剥離してるでしょう、危険ではないけど、こうなると目の中に糸状の影がフラフラ見えるのですよ」と丁寧に説明してくれた。
(この画像と説明は初めて)
また帰国時には診察にどうぞと予約カードまでいただけたw
もう死ぬまでボウフラがゆらゆら揺れるのを見つめながら過ごすのかと思うと落胆激しいが
「やるな、さすが日本の医者と医療器具だぜ」と肯定的に嘯いて帰宅した。
☆☆☆☆星4つ
そして、お次は内科 あるか? ないか?
ありました、目と鼻の先の駅前に、レヴュー評価の高い内科が
そこのドクターは50代後半かな?
「いや~、この診断書ではピロリ菌があるのかないのか、判断しかねまして…」
一通りの説明が終わって口を開いたドクター
「これは、グレーゾーンってやつですね」
ピロリ菌の検査には数種類あって、合わせて検査すると正確に測れるという話だ。
「症状からは結石の疑いもあるし、今回は時間がないので次回の帰国時に検査しますので予約を取ってください」
で、終わり。 だいたい検査は4~5日で結果が出るらしい。
肝臓や膵臓内の結石だと厄介だなぁ
今のところ☆☆星2つ
お次はレヴュー評価こそ低いが、姉から「良いらしいよ」と紹介された呼吸循環器科へ
かなり古い感じの病院をリニューアルして名前も変えたばかり
順番は3番目 「客が少ないなぁ」
お客は全員女性 そして医者も50前後の女性だ。
最近の病院では看護婦が患者を呼ぶのではなくて、医者がドアを開けて直接呼ぶスタイルのようで、○○さーんとは聞こえるが、高音の周波数が聞こえない私は誰が呼ばれたのかわからない。
更にマスクを付けていると声がこもってしまいサッパリ聞こえない。
タイの病院のように電光掲示板やモニターで「ピンポーン♪45番のお客様3番窓口へ」とやってもらえるととても助かるのだが、日本ではそんなおもてなしは無しのようだ。
この病院でも女医から呼ばれて、やっぱり高周波&マスクなので聞こえない。
で、看護婦がやってきてお年寄りのように腕を持たれて連れていかれる始末
で、その私と同年齢と思しきメガネの女性ドクターからの質問に、耳に手を当てて「は?」「は?」「は?」の連発になっても彼女はマスクを取ろうとせず、いきなりイラついたのか紙と鉛筆を持って筆談を始めた。
「それはいつからですか?、今も続いてますか?」と書いててあるのを読んで
「ああ、先月からです」 「今も時々痛む時があるのですが~、うへへ」 と答えていく。
なんだかガイジン扱いされてるのか、老人扱いされてるような気がして、以前の私ならばカチンときて、ちゃぶ台でもあればひっくり返そうかと思ったはずだが、今の我がメンタルは超合金Zに近い(はず)
「この程度で俺を怒らせるつもりか?、フフ怒るまでもない、タイではもっと恐ろしい屈辱を味わい尽くしているからなぁ」 と余裕のよっちゃんでいると
「今回は検査をしたいのですか? どうしますか?」 と難易度の高い質問を書いたまま、女医は明後日の方向を向いて止まっている。
検査をしたいのかどうか?
それ意味がわからんな~!!!
さすがに意味が分かんねえよ
「ここは何をするところ? 病院は検査をする場所じゃないのかな?」
と答えそうになったが
それも日本的には角が立つ言い方になるかなと思って
う~~~ん…としばし固まって
ここの病院は、もしかして女性向きの病院なのかな? ワシ場違い?なんて思いながら
「は~、まあ、その、、、 病院には検査をしに来たのでありますから…」 と答えると
ではどうぞと、目も見ずに一方向を指さされて、同時に看護婦から検査室はこっちですと言われて「ああ、ハイハイ」と、やっと今から検査するのだなと理解した。
胸部レントゲンとか心電図とか、なにやったか覚えてないが一通り調べて、
「心臓も肺も悪いところはないです」と書かれた文字を見て終わり。
ま、肺も心臓も悪くないってんだから、ご機嫌になるべきだなと思って
「ああ~どうも、アリガトゴザーマチター」と手を合わせてワイをすると(癖です)
冷酷だと思った女医さん、意外にもドアが閉まる瞬間まで丁寧にお辞儀をしてくれた、目は最後まで合わせてくれなかったがw
性格が悪いんではなくて、単にコミュ障〇、 もしくは男アレルギー?
或いはアロムマイディー(愛想が悪い)なだけかも
申し訳ないが ☆星ひとつ (。-人-。) ゴメン
ずいき(芋茎?)というらしい
近くには生産者が直接出品する市場が4か所もあって滞在中はあっちゃこっちゃ市場巡り
こんなの食べてたら長生きしそう!!!
やっぱりレヴューは嘘つかな~いってことで、
最後の脳神経外科も、グーグルMapで高評価な医院をチョイス
かなり新しいマンションの一階に広々と間借りしている
中に入ると、7人は並んでいたので「こりゃイケそうだな」と思った。
ドクターはやはり50代前半で温厚そうな感じ
持病の頭痛と闘病16年の話や常薬の話を一通り済ませるとゆっくり説明を始めた
「片頭痛は若い人に多いのですよ、うちにも3人いますけど30代までです、50代になっても治らないのは珍しいですね~」
「あ、そうなんすか?」
「中には、一度痛み始めると数日間は苦しみ続ける方もいますよ」
「それ地獄ですね、私は薬が手元になかったときはゲロゲロ吐きながら半日で落ち着いてきましたよ」
「で、そのクリアミンですが、これは血圧160~90から考えて止めた方がいいです」
「え? いや普段は148~82とかなんですよ」(ラーメンとか食っちまったからな)
「それでもだめです、上は120までです、でないと脳梗塞になる危険性があります」
「ええ~~~!!!!? そんなの無理っすよ30歳じゃないし」
「タイの病院では注射されてたと、たぶんそれはトリプタンでしょう、トリプタンなら大丈夫です」
「どう違うんすか?」
「クリアミンは膨張した血管を収縮しようとしますが、トリプタンという新しい薬は膨張しないように止める薬なのです。 どちらも激痛になってからでは効果がありません、今は自分で腿にブスッと刺す注射もあるんですよ」
「ええ? そうなんすか? トリプタンは痛みが始まってから飲むんだとばかり…」
「それ違います、ヤバいなと思った時には直ぐに飲まなければなりません」
「なんだか、だまされた気分~…」
「いつも行かれてる病院は外科さんですから専門外、そんなに詳しいわけではないでしょう」
「そりゃそうですね」
「しかし、体調不良で血圧も高い、物忘れも激しいということで、前回のMRIによる検査から6年経ってますからやっときましょうか?」
と奥の部屋に通されると、なんと、こんな小さなクリニックに
MRIの最強マシーンがドーーーーン!と設置してあるし
なんだかチェンマイの山奥でフェラーリやランボルギーニを見た気分
「ちょっとも動かないでくださいね~」
これ専門のオバちゃんから優しく説明されて
いつものように狭い棺桶のような筒に突っ込まれて
ギンコーンギンコーン、グワングワン、ボロロロロ、ギャンギャンギャン…
難聴の私でもはっきり聞こえる雑音を聞き続けます
- せっかくなので死者の瞑想でもやろかと、自分の死んだときを想像して、20分~30分、ハイ終わり
12時半ごろ誰もいない待合室から診察室に通されて
モニター越しに、我が脳内鑑賞会のはじまり
「お!!」 と目を丸くしてモニターに食らいつく医師に冷や汗が噴き出る
「こ、これは…」
「え、 え、 ヤバいっすか? ヤバいっすか? ((((;゚Д゚))))ガクブル」
「いえ、とても綺麗な脳なので驚きました😃 」
「なんだよ先生~、チビりそうになったよ~(;´∀`)」
次は脳内血管の立体図をグルグル回して見て
「とても綺麗ですね、どこも悪くないですよ」
そりゃまあ、タバコは吸わないし、酒は飲まないし、もちろん麻薬もしませんから(このギャグは滑った)
「脳や血管が綺麗だと頭痛にもなりますね、古くなってくると治るんですけどね」
ん? 褒められてんだか、ごまかされてるのか?
ま、悪くないのだから、ご機嫌になるべきだよな
「では、試しにトリプタン錠を飲んでみてください、これで効果があれば乗り換えできます、今は予防薬もありますから毎朝1錠飲んでください、そして、いつものクリアミン錠は三か月分にしときましょう」
それはありがたい! あ、クリアミンは危険じゃなかったの?
また宜しくお願いします~と、私が部屋を出るまで丁寧にお辞儀されるドクター
なんだか日本の医者も役人も、腰が低くて礼儀正しい人が多いなという印象を残し、今回のドタバタスケジュールを終えた。
片頭痛で苦しむ全ての人の回復を願って
☆☆☆☆☆星5つ≧∇≦
上から命のクリアミン 血圧の高い方や高齢者には危険度UP
トリプタン 一度服薬して効果がありました でも眠たくなるので一日潰れます
セレニカR これが予防薬 あれから一か月間で発作は一度だけなので効果があるのかもしれない
それ入らんだろ 特注じゃないとね