つれづれな日々のつぶやき♪

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モダンスイマーズ 『ロマンサー~夜明峠編』

2013-01-24 | 舞台/DVD

昨年、録画したまま、まだ観ていなかった舞台を観ました。作品は、モダンスイマーズ 『ロマンサー~夜明峠編』です。
「観よう!」と思い立ったときに観ないと、そのまま再生リストの底に埋もれてしまうんですよね(苦笑 まだ、あと数本あったはず。。がんばって観ようっと。

【収録】2012年2月29日 世田谷パブリックシアター
【放送】NHKプレミアムシアター 2012年9月3日(月)【2日(日)深夜】午前0時~午前4時30分
【作】蓬莱竜太
【演出】蓬莱竜太
【キャスト】
古山憲太郎
小椋毅
西條義将
佐藤めぐみ
千葉哲也 
松永玲子(ナイロン100℃)
粟野史浩
斎藤ナツ子
宮崎敏行
石田えり
【ストーリー】
舞台は少し昔の日本。ある日、峠に暮らす親子のもとに「人食い熊が出た」と里の村人とマタギたちが現れる。
共同生活を過ごす中、やがて親子と熊狩りの人々との関係は変化し、思いがけない結末を迎える。
泥臭く、命を前傾姿勢でおし進める人間たちの姿が激しく描かれる。

NHK BS プレミアムシアターのサイトはこちら → プレミアムシアター


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いつものことながら、実際の舞台を観劇したときとは違い、DVDや放送で映像として観るときには、演劇作品としての客観的な見方が多くなりますね。今回もそんな感じで観ておりました。

人喰い熊に襲われた里の村人、彼らに雇われたマタギ、峠の親子。それぞれ三様の正義と理屈が存在し、ぶつかり合い、反目し、やがてなんとなく協調していく。
人間の感情の醜さ、不思議さ、泥々としたやりきれなさが描かれ、苦しくなりながらも観てしまいます。蓬莱竜太さんの作品はいつもそんな感じです。
目を背けたいのに観てしまうのは、結局、人が好きなのだからかもしれません。。 たとえそれが醜いものだったとしても。

キャストさんでは、石田えりさんがどっしりと、それでいていろいろなものを抱合した女性を演じていてよかったですね。ふっ。。と薄笑いをしながら里の村人たちやマタギに話す言葉の重みの前には、正論などなんの役にも立たない気がしました。ふと、高村智恵子を演じた、柄本明さんとの二人芝居のことを思い出しました。
松永玲子さんはこの手の役をやるとはまりますね。変顔、開脚、どんと来い!な感じで。AGAPE STORE のときの、皿袋&サラも、ものすごかったですし。
ほかの方たちも役にぴったりな感じで、安定感があり違和感がありませんでした。

おそらく、この作品は2011年に起こった震災に影響されて作られたのではないかと思われます。
こんな件がありました。
「人はなぜ危険とわかっていても生まれ育った土地を離れないのか?」そこが生業、生計を立てる場所だからと。故郷とかそんな甘い感傷的なことではないと。
「人はなぜあんなにむごいことがあったのに忘れてしまうのか?」
私にはこの問に答えることができません。。 人は不可解で複雑な生き物なのですよね。。