「天国はほんとうにある」は、三年ほど前に友人がプレゼントして下さったのです。
そのときは、なぜか、読みかけてやめてしまいました。
あまりにも、典型的なアメリカの家族の「温かい話」が始まるのを、
行間を漂うそのやさしいリズムを、警戒したのでしょうか。
牧師とその家族の上に起きた物語で、しかも主人公は幼い子供です。
死に瀕した三歳の子供が天国を見てきたお話・・・。
★ ★ ★★★
天国について、何か言われるのがいやだったのかもしれません。
何しろ、それは、私にとってあまりにも重い切実なテーマ。
大きなまばゆい世界。
天国は、聖書にもあちこちに描かれているけれど、
最後には、自分でこの道をまっすぐ進んで、自分でドアを開けて(ドアがあるなら)
自分の目で一望したい・・・!
◎ ◎ ◎ ◎
ときどき話題になるように、死に瀕したとき、
人は死後を見るらしいのです。
では、これは臨死体験の物語なのでしょうか。
この世の生の終わりに、死後の世界へのトンネルを通って、
行くべき場所の入り口まで来たとき、
何か光り輝くものが現れて、
「引き返しなさい」と命じられるような話なのでしょうか。
それも違うのです。
とにかく温まってくるのです。
三歳の子供が天国に入り、そこで経験する物語が
あまりにもリアルなのです。
それで、一度は投げ出した本を、
あっという間に読んでしまったのです。
お勧めの一冊です。