昔 昔 ある所に ちっぷという男がおったそうな。
ちっぷは、それは それは 大きな屋敷に住んでいた。
その屋敷で働く者は 老若男女合わせて 千人は下らないという専らの評判だった。
朝は早く、鶏が刻を告げる前には賄いたちが朝食の準備を始めていて、
それらが出来上がる頃には、優しい侍女たちがちっぷを起こしに掛かる。
フカフカの布団の上に座ったまま、侍女たちの差し出すスプーンを口に入れるちっぷ。
ひつまぶし~フィレ・ステーキ~キャビア~からすみ~寒ブリ~etc...
美味しい朝食は、そのまま酒席の肴となった。
昼食も、そして夕食でさえも同じ光景が繰り返された。
そして、漸くちっぷの長い一日が終わる。
今夜もお気に入りの侍女を枕に誘って、、、。
こんな事をしてると、すぐに破産します。
だから誰もやろうとはしませんよねぇ。

あくまで、ちっぷの "微細な夢" 。




