置かれた場所で咲く

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エア・インディア喜劇劇場 ~機内編~

2007-08-22 21:20:22 | インド旅行記
貧乏旅行の名のもとに向かったわたしたち、搭乗したのはもちろんエコノミー。
今回はタイのバンコク経由でインドの首都デリーに向かう。

ほかの航空会社同様、彼らはビジネスクラスとファーストクラスも所有している。
ファーストクラス、その名も“マハラジャ・クラス”

何とも輝かしい名前だ。マハラジャは、いわば王様のこと(・・・と、わたしは後で知った。)
19日から来印する安倍首相も、きっとマハラジャ・クラスに違いない。
願わくば、ボンッキュッボンのヘソ出したねーちゃんが、機内で踊ってないことを祈る。。。


「インドは毎日カレーだよ!!機内食も全部カレー!」
事前に吹き込まれてきた通り、最初の機内食もカレー
日本のそれとは大きく異なり、鼻をつく香辛料の香りと細いお米がちょっと嬉しい。

おしぼりをあけたその時。
左から「ひっっという声が・・・。

誰もが予想しないだろう。まさか、出てきたおしぼりがカビだらけとは・・・

アテンダントに交換を要求する彼女。
さほど慌てる様子も見せず、すぐに持ってきてくれるあたりは最低マナー?
そして開ける。

「・・・・・・。」

またもや、カビである。
どうなっているのだ、ここは。


バンコクに着き、半数近くの乗客が降りていった。
ここでは何時間待ちかな・・・さまざまな思いが胸を過ぎる傍ら、乗って数時間にもかかわらずエコノミー症候群対策なのか、機内を闊歩したり体操を始めたりする乗客たち。

機内清掃に来てくれたらしい、白い作業着に身を包んだあんちゃんたち。

「ぐぅぉおおーーーーーーーーーーーー」

すんごい勢いで、通路に掃除機をかけ始める。
えっ、今かけるの!?まだうちら乗ってるんですが!!?

へたしたら、はたきすらかけ始めそうな勢いで掃除すること10分、一言も声をかけずに颯爽と去っていく彼ら。


次に来たのは恰幅のいいおいちゃん。手荷物のチェックとのこと。
所有者のわからない手荷物は、手にメモしてチェック
おいちゃん、それ洗ったら消えちゃいますよ!!!


極めつけは、再びお掃除のにーちゃん。

「しゅわわわわわぁーーーーーーーーっ」

両手に持つスプレー二本を客席上方部に向かって大量撒布。
消臭系ではない。妙な臭い。口を押さえる客。撒き続けるあんちゃん。全く動揺しないたくさんの客。
・・・これは・・・・・・


やっっっと出航。無事の離陸後、右隣のおいちゃんと話をする。
彼は北インドの登山ツアーに参加するそうで、何度も来たことがあるのかと思いきや、来印は初めてとのこと。

帰りがけ、いろいろ話してちょっと仲良くなった彼、本をくれるという。

「えっ、悪いしいいですよー
「もう読み終わったし、いいよ。」
「いやいや、だってちょっとお話しただけですし。(本と一緒にインドまわらなきゃですし)」
「ほら、4冊持ってきてるしさ。」
「(??)・・・えー・・申し訳ないですよー。(荷物重くなるし)」
「どうぞどうぞ、もらってって。」


ぇえっちょっと・・・。
ちょっと・・・・・・。


・・・・・・嗚呼、NOと言えない、日本人。。。



・・・登山なのに4冊も持ってくるなよ・・・おいちゃん・・・





エア・インディア喜劇劇場 ~出航編~

2007-08-22 21:19:42 | インド旅行記
いつも思う。わたしたちは、慣らされすぎている。
スイッチは押せば動くもの。トイレは流れるもの。いいものは高い。そして、(公共)交通機関のタイムスケジュールは正確だ、と。

座った席は進行方向右手の3席の真ん中。一緒に旅する運命共同体の友人は左通路側に、右は40代くらいの知らない日本人男性だった。

座ってシートベルトを締め、インフォメーションをBGMにチェック開始
頭上には端が欠けているライト、そしてエアコン口。右手横にはライトのスイッチ一つとヘッドホン、音量とチャンネルスイッチが二つずつ。座席前方にはやや大きめスクリーン。もちろん、自分の座席に画面はない。JALは贅沢だーー、といつも思う。

スイッチのチェック。案の定、ライトは点かない。しかし出発前に高鳴るわたしの胸、そんなの関係ない。

12:00発が15分早まって、11:45発のAI309便しかし、12時を過ぎてもまだ出ない。申し訳程度に滑走路に入る前のスペースをぐるぐる回っては「・・・・・・・ムリっすと、動きストップ。
もうちょっとがんばれよ、エア・インディア!!!


10分・・・20分・・・・・・時間がどんどん過ぎてゆく。
救命胴衣と非常時の逃げ方を告げたきり、アナウンスは沈黙を守っている。

ところどころおしゃべりが聞こえるくらいで、誰も何も言わない。まぁいぃか~的雰囲気に、自分も呑み込まれてみる。30分・・・40・・・。

とうに諦めかけていた、定刻からおよそ1時間を過ぎた頃、ようやく再び動き始めた。

そわそわと落ち着かなかったわたしを見透かしてか、右隣のおじさんが話しかけてきた。

「きみたち、今日はラッキーだよ。2時間、3時間だって遅れるんだから。わたしの友人は7時間遅れて、スケジュールが一日ずれたそうだよ。」


・・・やはり、ここは神の国。
全てを鵜呑みにするつもりはないけれど。

全ては神様のおぼし召し。時間に遅れようが、列車が来なかろうが、みな神様の時間調整だ、っていう考え方。

これから、わたしたちにはどんな『おぼし召し』があるのだろうか・・・