非常にゆがめられた世界に、自分しか存在しない。
他人がいても、それは心ある存在ではなく、操作可能なお人形。
そんな世界で生きている人たちが、メンヘラだ。
そのゆがめられた世界は、患者にとって都合のいい、ナルシシズムによって歪曲された自分にとってハッピーな世界。または自分にとって都合のいい、マゾヒズムによって歪曲された自分にとって過酷な世界。
そんな世界で患者は生きている。
そんな世界にも登場人物がいる。
それは患者に切り取られた、患者にとって都合のいいお人形。
こうすればこう動く、そして自分が動く。の繰り返しによる三手の読みによる世界ではなく、自分の指す一手で相手が思い通りに動く、患者独在の世界。
そんな世界に患者は生きているのだ。
これって何の世界だろう。
バイブルの世界だ。
エホバ独在の宇宙に、彼(彼女?)の言いなりになる天使と悪魔がいて、これまた自分が筋書きした人生を歩む生き物たちがいる。
まさにエホバ独在の宇宙であり、彼にとって都合のいい、お人形のいる世界だ。
そしてその世界の通奏低音は、エホバにとって都合のいい、独りよがりな彼の愛の世界だ。
この辺に統合失調症患者とキリスト教との親和性の高い理由があるのだろう。
なぜなら病前の患者は、「誰にも理解されない孤独な神サマ」だから。
(まとめ)
患者の世界は、著しく変形された世界に生きる、患者独在の世界であり、そこに生きる他者は、患者にとって都合のいいお人形。
これが病んだ人々の世界である。
そう考えると、病前の患者の不適応の理由が理解できるのである。
なぜなら、いい意味でも悪い意味でも、お人形とのコミュニケーションは不要だからである。