B&B&B

回り道を全力疾走

首の皮一枚

2009-05-11 17:46:49 | 未分類
小学3年生の時、縄跳びに一番ハマっていた。

授業でも縄跳びがあったからだ。

冬である。

5分休みという短い休憩時間でも外に飛び出してヒュンヒュン回していた気がする。

小さい頃から運動神経には苦労してなくて、学年でもトップクラスの実力を持っていた。

いつからか、たっちんという友達から「師匠」というあだ名で呼ばれるようになった。

中学に上がっても、去年の同窓会でもまだそう呼んでくれていた。


小学三年で使える技のメインは二重飛びで、俺を含め数人の友達がなんとか三重跳びできるといったレベルだった。

自然に二重跳びの回数によってロイヤリティが決まっていた。

猛者どもは最高記録が出る度に周囲に報告しあっていた。

けれども結局は運動能力が高い数人だけが名を残していく。

それでも大台の100回には届かない。

そこで馬鹿な俺が考えた策は、裸足で跳ぶことだった。

季節は冬である。

靴を脱いで軽くする。さらに縄に当たる恐怖心でさらに余裕を持って跳ぶ。

現に俺は軽く100回を越せた。
ただそれを真似して友達も記録を伸ばしてきた。



想像でも、経験でもいい。
そういった恐怖心こそ今の俺を育ててきた。

なんとかなると思ったときは決まってなんとかならなかった。

人を守るセーフティーネットは、次第に人を弱くしてきた。

弱肉強食の環境を忘れた人間は生き方が分からなくなったようだ。

人間は賢くなってリスクヘッジとして保険システムを編み出した。

効率化の観点から国際的な分業も始めた。

それは個としての能力を廃れさせ、集団の中でしか生きられない体を作った。

弱い者が群れるのではなく、群れたものが弱くなるのか。


自らを追い込み、疲弊させ、地獄をみる。

そうやって成長した自分をさらに成長させるにはさらなる苦しみが必要だ。


もっとボロボロにならなきゃ強くなれない。

あの時のベジータのようだ…




土に根を下ろし、風と共に生きよう
種と共に冬を越え、鳥と共に春をうたおう。