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今後注目すべきホットな路線、それは「JR相模線」だ!

2017年03月19日 22時49分25秒 | のりもの

今後注目すべきホットな路線、それは「JR相模線」だ!

都市圏に住むビジネスパーソンにとって、毎日通勤に利用する鉄道は「生命線」。

すでにビジネスパーソンに人気の路線は、これまで様々なメディアや記事を通じて紹介されていますが、今回ご紹介するのは「今後注目すべきホットな路線」。

ズバリそれは「JR相模線」です!――さっそく注目すべき理由をご紹介します。

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今後注目すべき「JR相模線」とは?

皆さん、「JR相模線」はご存知でしょうか?

…と質問されて答えられる人は、相模線沿線にお住まいの方、あるいは鉄道マニアくらいかもしれないほど正直、マイナーな路線です。

JR相模線は神奈川県茅ケ崎市の中心駅である「茅ヶ崎駅」から、同じ県内の相模原市で、こちらも市内で大きなターミナルである「橋本駅」を結ぶ、全長33.3kmの電化路線。

大正10年に私鉄路線(今の相模鉄道)として開業した当時、「相模川の砂利輸送」を目的としていました。

※余談ですが明治〜昭和初期に開業した、川沿いに敷設された路線の場合、セメント等の材料になる川の砂利を採掘〜輸送することを目的に建設されているケースが多くあります(JR南武線等)。

その後昭和19年に国有化し、支線である「寒川駅〜西寒川駅」の廃止や平成3年の電化開業などを経て、今に至ります。

今でこそ4両編成の電車で運行されていますが、ちょっと前まではディーゼルカーによって運行されていました。この「平成3年の電化」という時期は、JRの首都圏路線においてはとても遅く、これより遅い電化は平成8年の八高線(八王子〜高麗川駅)のみ。あとは「八高線(高麗川駅〜倉賀野駅)」と「久留里線」という、東京を起点に考えるとかなり離れた路線だけが非電化で残るだけです。

つまりそれだけ他の通勤路線に比べて、“ゆっくりしたスピードで成長してきた路線”であるといえるでしょう。

リニア新幹線に東海道新幹線の駅も!? 急速に発展する可能性を秘める

これまでずっと地味な路線として、神奈川県央エリアで地道に通勤・通学輸送を支えてきた相模線ですが、今後は神奈川県内や首都圏、さらに全国的にも大きな注目を集める可能性があります。

まず一つは「中央リニア新幹線」の開業。

現在の「橋本駅」付近に2027年、リニア新幹線の駅が開業予定となっています。

ご存じリニア新幹線は、国鉄時代から半世紀以上に渡り研究が進められてきた、次世代の高速鉄道。それがいよいよ現実となる日が近づいています。

そしてもう一つの注目点が、「東海道新幹線新駅設置の可能性」。

現在、相模線の「倉見駅」近くを東海道新幹線が通っていますが近い将来、ここに新駅を設置する動きがあります。

理由としては

「新横浜〜小田原駅間の距離が約51.2kmと長く、中間付近にある相模線付近に新駅を設置する利便性」


「中央リニア新幹線開業後【のぞみ】を中心にリニア新幹線にシフトするため、東海道新幹線の運行ダイヤに余裕が生まれるのを機に、新駅を設置することで東海道新幹線の地域輸送を強化できる」


といったもの(※詳細はこちらを参照)。

つまり「中央リニア新幹線」「東海道新幹線」という、日本を代表する高速鉄道の新駅が、相模線に開業する可能性が高まっているのです。

ただし相模線以外にも、その相模線の“おとなり”を並行して走る「JR横浜線」や「名古屋駅」に2つの路線の駅はできます。

しかし「その路線沿いに“住む”」という視点でみると、横浜線や名古屋駅周辺に比べて沿線開発が進んでいない相模線の場合、相対的に地価が安く、「JR」「相鉄」「小田急」「京王」等横浜や新宿・東京方面を結ぶ既存路線と接続している点も、大きな利便性につながります。

このように、普段は通勤に、また将来はリニアや東海道新幹線を利用した出張に活用でき、なおかつ首都圏の他の通勤路線沿いに比べて安価に住めるJR相模線は今後、ビジネスパーソンにとって要チェックの路線なのです。

WRITING:山田モーキン イラスト:海月あいる


自分が高校生だったころは、まだディーゼルカーが走るローカル線で、心が疲れるとよく乗りに行っていたもんなぁ。

大都市特定ルールとかいうのがあって、住んでいた町田から最短区間の切符を買っての大回り乗車をして癒されていたんだった。

懐かしいなぁ。

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枕木に「君の名を。」 映画で一躍観光名所の駅 秋田

2017年03月13日 22時01分07秒 | のりもの

枕木に「君の名を。」 映画で一躍観光名所の駅 秋田

枕木に「君の名を。」 映画で一躍観光名所の駅 秋田

前田南駅=秋田内陸縦貫鉄道提供

(朝日新聞)

 秋田内陸縦貫鉄道(北秋田市)は、大ヒット中のアニメ映画「君の名は。」に登場する駅にそっくりと話題になっている前田南駅構内の枕木にオーナーの記念プレートを設置することにし、募集を始めた。プレートには名前とメッセージを刻むことができる。既に東京や神奈川から申し込みがあるという。

 前田南駅は映画封切り後、駅が登場するシーンと構図がそっくりとSNSなどで話題になった。実際にモデルになったのかどうかは明らかにされていないが、アマチュアカメラマンらが大勢訪れるなど、一躍観光名所になった。

 同社はこうした人気を利用者増につなげようと、本来無人駅にもかかわらず入場券を発売し、急行列車を臨時停車させるなど観光客の便宜を図ってきた。プレート設置は、社内でアイデアを出し合って決まった。

 募集数は100人で1本3万円(消費税込み)。設置開始は4月1日で、プレート取り付けから1年間オーナーとなる。プレートは縦40センチ、幅15センチで、色は指定できないが、内陸線の車両と同じレインボーカラーのいずれかになる。名前は6文字程度、メッセージは20文字程度となる。

 オーナー特典としてオーナー証書、プレート取り付けの写真、前田南駅入場券、内陸線の乗車券や急行券として使えるギフト回数券2千円分がもらえる。オーナー期間終了後、プレートももらえる。

 問い合わせ、申し込みは秋田内陸縦貫鉄道(0186・82・3231)へ。(加賀谷直人)


いい写真だねぇ。

旅に出たくなってきたよ…5社目も不採用だったから。

なんとなくだけど、手ごたえを感じていただけに…ねぇ。

…などと現実逃避しようとしてないで、気持ちを切り替えて前へ前へ。

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開発費25億円 時速140キロの夢、鉄くずに JR北海道、新型特急試作車を解体

2017年03月03日 20時42分04秒 | のりもの

JR北海道の苗穂工場で解体される「285系」。最先端の技術を集めながら、日の目を見ることはなかった

開発費25億円 時速140キロの夢、鉄くずに JR北海道、新型特急試作車を解体

(北海道新聞)

試作車3両を解体 札幌市のJR苗穂工場

 JR北海道が開発を中止した新型特急用ディーゼル車「285系」の試作車3両の解体作業が、札幌市東区のJR苗穂工場で行われている。解体後はスクラップとして業者に売却される予定だ。

速度よりも安全対策優先に方針転換

 2日は、作業員らがクレーンで車両のドアや窓を取り外した後、車体をつり上げていった。苗穂工場を見渡せる陸橋では約10人の鉄道ファンが集まり、作業を見守りながらカメラのシャッターを切っていた。

 285系の開発に着手したのは2006年で、さらなる高速走行を可能にするため、車体を従来より深く傾けられる装置を装着。燃費性能の向上に向け、ディーゼルエンジンとモーターを組み合わせた駆動方式を採用するなど世界初の技術で、カーブでも直線と同様に最高時速140キロで走行できることを狙った。

 ただ、JRは11年の石勝線の特急列車脱線炎上事故などを受け、速度よりも安全対策を優先させる方針に転換、14年に開発を中止した。検査車両としての活用も検討したが、高額の改造費が壁となり断念。開発費約25億円が投じられた次世代新型車両は、営業運転することなく解体の末路をたどった。
 

 
JR北海道はダメでも、他社で使用することはできなかったのかなぁ。
 
もったいない…。
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3月ダイヤ改正「あの」名物列車は生き残るか 変わった経路の列車や長距離普通の行方は

2017年02月25日 22時47分13秒 | のりもの

3月ダイヤ改正「あの」名物列車は生き残るか 変わった経路の列車や長距離普通の行方は

3月ダイヤ改正「あの」名物列車は生き残るか 変わった経路の列車や長距離普通の行方は

3月ダイヤ改正「あの」名物列車は生き残るか

(東洋経済オンライン)

2月20日月曜日、JR時刻表とJTB時刻表の3月号が発売された。いわゆる「ダイヤ改正号」と呼ばれるもので、3月4日に行われるJRグループのダイヤ改正後の時刻が掲載されている。

ダイヤ改正後の新幹線や特急列車の時刻は、1月に発売された2月号の時刻表に掲載されていたため、ほとんどの利用者にとって「真新しい情報」はない。さらに、今年のダイヤ改正はここ数年のように北海道新幹線や北陸新幹線の開業、夜行列車の廃止といった大きなトピックもなく、鉄道ファンが見ても「おおっ!」となることは少ない。なので、今回のダイヤ改正号は、鉄道ファンの間でも大きな話題となることはないだろう。

あの列車は改正を生き残ったか?

だが、ヒマな時には時刻表を開いて、長距離を走る普通列車をリストアップして、長い順にランキングをつけてみたり、変な区間を走る列車を見つけてニヤニヤしたり……そんな、時刻表好きの中でもとりわけ嗜好性がおかしい筆者にとっては、普通列車の時刻が明らかになるダイヤ改正号の時刻表は、どんなに地味と言われるようなダイヤ改正でも、楽しくて仕方のないものだ。

そこで今回は、ダイヤ改正号の時刻表と、ダイヤ改正前の時刻表を比較し、「変わったルートを通るあの列車は生き残ったのか?」「新しい長距離鈍行列車は誕生したのか?」などといったことを紹介していきたい。

内容としては、プロ野球ファンが居酒屋の席で「ヤクルトスワローズのこれまでの助っ人外国人選手について語ろう」というときにパリデス(1992年のみ在籍)の話で大いに盛り上がる、というようなマニアックなものだ。そのつもりで読んでいただけたら幸いである。

2016年春のダイヤ改正で誕生した、岡山16時17分発の下関行普通列車。岡山から山陽本線をひたすら西に進み、終点の下関には23時50分に到着するこの列車の走行距離は384.7キロメートルもある。北海道の根室本線を走る、滝川発釧路行き普通列車の308.4キロメートルを上回り、日本一長距離を走る普通列車として一部の鉄道ファンから注目を集めた。

あれから1年。今年3月号の山陽本線のページを見ると……残念なことに運転区間が糸崎(広島県)−下関間に縮小。走行距離は87.5キロメートル短くなり、297.2キロメートルになってしまった。

山陽本線は2016年のダイヤ改正で、広島エリアに土休日ダイヤを本格的に導入したばかり。岡山地区のダイヤ(平日・土休日がほぼ共通)と広島地区のダイヤ(平日・土休日のダイヤが異なる)を組み合わせた結果として偶然誕生した長距離列車が、今年のダイヤ改正ではうまく組み合わせることができず、運転区間が縮小となったのだろう。

岡山発下関行き普通列車の区間短縮で、北海道の根室本線・滝川発釧路行きが再び日本一となった。だが、こちらは昨年夏の台風被害で東鹿越−新得間が不通となっているため、時刻表上には存在するものの、現在は乗り通すことができない。このため、3月4日以降は「時刻表上の」日本一長距離を走る普通列車は滝川発釧路行き、「実際に乗ることができる」日本一長距離を走る普通列車は糸崎発下関行きとなりそうだ。

北海道の石北本線を走る、上川6時23分発の網走行普通列車も、走行距離189.1キロとなかなかの距離。しかも、途中の遠軽で1時間35分も停車するという、日本一長時間停車する列車として、ごく一部のファンが注目する列車だった。だが、3月4日からは上川発遠軽行きと遠軽発網走行きの2つの列車に分けられ、長時間停車は消滅してしまう。

大きな変化はなく「新顔」も

そのほかの長距離列車については大きな変化はほとんどなく、宗谷本線の稚内発旭川行き普通列車(名寄から快速)が、稚内発名寄行きと名寄発旭川行きの普通列車に分けられたぐらい。東能代(秋田県)と弘前(青森県)を結ぶ五能線全線を直通する普通列車や、豊橋(愛知県)と岡谷(長野県)を結ぶ飯田線全線を直通する普通列車も現行の本数を維持する。

また、「上野東京ライン」で最長距離を走る、土休日のみ運転の黒磯発熱海行きや、関西エリアの新快速で最長距離となる敦賀発播州赤穂行きも、現在と変わらない本数で運転されるほか、東海道本線の静岡発岐阜行き、鹿児島中央と宮崎県の延岡を結ぶ普通列車、香川県の高松と愛媛県の松山を結ぶ普通列車なども引き続き運転されることがわかった。

一方、中央本線には、東京都の高尾を14時2分に出発、甲府、松本を経由して、長野に18時53分に到着するという、走行距離245キロメートルの新たな長距離列車が誕生する。

では、変わったルートを通る列車たちはどうなったか。JR九州では、宮崎を出て日豊本線を鹿児島方面に進み、吉都線・肥薩線をグルリと回って隼人へ向かう列車や、田川伊田(福岡県)から日田彦山線・久大本線を通って大分へ向かう列車は残った。北海道の倶知安と苫小牧を結ぶ、日本で唯一のディーゼルカーと電車を連結して運転する列車も残った。

だが残念なことに、JR東日本では変わり種の列車がいくつか廃止される。高崎(群馬県)から上越線、両毛線、東北本線を経由して黒磯(栃木県)までを結んでいた列車は、時刻と運転区間を変更。黒磯ではなく、手前の宇都宮止まりとなってしまった。

岡谷(長野県)から中央本線の辰野支線を経由して松本へ、さらに大糸線に入り南小谷まで運転されていた普通列車は、岡谷−信濃大町間の列車と、信濃大町−南小谷間の2つの列車に分けられてしまった。111.1キロを3時間47分かけてのんびりと走る、味わいのあるダイヤだけに残念だ。もっとも、ダイヤが見直されたことで南小谷到着は現在より31分も早くなるので、一般の利用者にとっては嬉しい話なのだが……。

このほか、IGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道・JR東日本八戸線の3社にまたがって運転されていた小鳥谷(こずや)発鮫行きの普通列車は青森行きに変更されてしまい、このエリアでの3社直通列車はなくなってしまった。3つの会社にまたがるため運賃は割高で、運転距離は59.9キロと短いものの全区間を乗り通すと1570円もかかる、ある意味では贅沢な列車だけに残念だ。

「味のある列車」を探して

ダイヤ改正は、各路線の利用状況に合わせて、鉄道会社が車両の運用効率をよくするために行うもの。長距離列車は、遠くで起こった事故や悪天候による徐行運転などで列車が遅れた場合、幅広い地域にダイヤの乱れを引き起こす原因となるので、なくなるのは仕方のないことだ。変わった区間を走る列車も、ポイントの切り替えなどは複雑になる。年々味のある列車が減って行くのもやむを得ない。

そんな中でも、今回の高尾発長野行きのように、時代に逆行するような長距離列車が誕生することもある。そういう列車を発見してニヤニヤするのが、時刻表ファンにとってのダイヤ改正号なのだ。

そんな楽しみ方をするのは、もしかしたら筆者だけなのかもしれないが……。

全国の長距離普通列車、ダイヤ改正でどう変わる


時刻表ファンだったのに、もう数十年、時刻表を買っていないなぁ。

時刻表改正号…久しぶりに買ってみるか。


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<奥羽線>寝台特急583系 4月引退

2017年02月18日 22時21分25秒 | のりもの

<奥羽線>寝台特急583系 4月引退

<奥羽線>寝台特急583系 4月引退

引退が決まった583系寝台電車

(河北新報)

 JR東日本秋田支社は17日、東北線の特急「はつかり」「はくつる」(上野−青森)などとして走った583系を引退させると発表した。4月に奥羽線で最終運行する。今後の扱いは未定で、保存も含めて検討する。
 583系は日本初の寝台電車として旧国鉄が設計し、1968年から使用している。座席と寝台を切り替える仕組みを備えて昼夜問わず走れることや、客車列車に比べて加速がよく所要時間を短縮できることから、主に首都圏や関西と東北を結ぶ特急、急行列車として走った。
 夜行列車の減少や車両の老朽化で廃車が進み、走行可能な車両は秋田支社に残る6両だけになっていた。定期運用はなく、臨時や団体列車で運行。秋田や青森と首都圏のテーマパークを結ぶ団体夜行列車は、横になって移動できることから人気だった。
 引退を記念し、4月2日に奥羽線湯沢−秋田間、同8日に秋田−弘前間でそれぞれ団体列車として走る。予約は20日午後2時から秋田県内のびゅうプラザなどで受け付ける。連絡先はびゅう予約センター秋田018(837)6512。
 

 
自分が初めて夜行寝台車に乗ったのが20歳の時で、青森から上野までの「はくつる」だったんだよなぁ。
 
そういえば10数年前、青春18切符を使用しての家族旅行で大阪に行ったんだけど、直江津から富山までは583系を普通電車化した電車だったよ。
 
今でも走っているんだろうか…。
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テレ東「路線バス旅」ヒットの裏に国鉄民営化 バス規制緩和も県境の移動を困難にした

2017年01月28日 21時53分51秒 | のりもの

テレ東「路線バス旅」ヒットの裏に国鉄民営化 バス規制緩和も県境の移動を困難にした

テレ東「路線バス旅」ヒットの裏に国鉄民営化 バス規制緩和も県境の移動を困難にした

テレ東「路線バス旅」ヒットの裏に国鉄民営化

(東洋経済オンライン)

テレビ東京系列の人気番組「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」。2007年にスタートして以来、旅を続けてきた俳優の太川陽介さんとタレントの蛭子能収さんのコンビが今年1月2日、通算25回目の放送を最後に番組を卒業した。太川&蛭子コンビ最後の旅は、福島県の会津若松市から秋田県の由利本荘市を目指すコース。3泊4日という制限時間の最終日、山形県のJR余目駅で、土休日ダイヤの壁に阻まれ、残念ながらギブアップとなった。一般にあまりテレビには登場しない路線バスにスポットを当て、高視聴率番組に育ててくれたお2人に「お疲れさまでした」と伝えたい。春から始まるという新たなシリーズを楽しみに待ちたいと思う。

「路線バスの旅」を楽しむことができた時代

ところで、番組の人気とは裏腹に、「地方の路線バスを乗り継いで旅をする人は一向に増えない」と、多くのバス事業者が口をそろえる。それはきっと、この番組の魅力がアクシデント、つまりコースミスや乗り遅れで生じるドタバタにあり、鉄道の旅番組のように、車窓の美しさや絶品グルメではないことに起因すると思われる。熱湯風呂に浸かったプロの芸人のリアクションはおもしろいが、自分が熱湯風呂に入る人はいないのと同じ理屈だ。

路線バスの乗り継ぎによる旅が思うように進まないのは、地方のバス路線が随所で寸断され、うまくつながらないことが大きな原因である。特に県境や市町村の境では、バス路線が途切れていることが少なくない。ではなぜ、地方の路線バスはこのような形になったのだろうか。

筆者が雑誌などで路線バス乗り継ぎの旅を企画するようになった1980年代、地方のバス事業者には“国道線”などと呼ばれる幹線があり、エリア内の主要な町を結んでいた。そうした路線は本数も多く、乗り継ぎを重ねて効率的に長距離を移動することができた。

国道117号ですれ違う越後交通と長野電鉄の急行バス。両社の相互乗り入れで越後湯沢駅と野沢温泉を結んでいた(写真:1986年筆者撮影)

たとえば、「信濃川バス紀行」と題した旅では、信濃川河口に近い新潟市の新潟交通入船営業所から、千曲川源流の山並みを望む長野県小海町の小海線松原湖駅まで、1泊2日で路線バスを乗り継いだ。途中、信濃川が千曲川と名を変える飯山線沿いでは、越後交通と長野電鉄のバスが相互乗り入れしており、難なく県境を越えることができた。これは決して特別な例ではなく、当時は全国各地で、こうした乗り継ぎの旅を楽しめたのである。

バス路線に並行する国鉄線は当時、数時間に1本、のんびりと普通列車が走るようなダイヤだった。このため運行本数が多く、きめ細かく停車する“国道線”のバスには、多くの利用者がいた。しかし1987年、国鉄の分割民営化が行われると、JR各社は積極的な営業施策を展開。地方路線においても列車のスピードアップや増発、等間隔ダイヤの設定、新駅の開設などが行われた。機を同じくして過疎化と急速な少子化が進んだこともあり、“国道線”の利用者は激減。毎年のように減便を繰り返し、やがて姿を消していった。

“国道線”の中には“特急バス”や“急行バス”の名を持ち、主要停留所だけに停車しながら都市間を結ぶ長距離路線もあった。大きな町では、ローカルバスと相互に接続している例も見られた。しかし1990年代になると、支線クラスの高速道路網が充実。“特急バス”や“急行バス”は次々に高速バスへ生まれ変わっていった。山形〜酒田、いわき〜郡山〜会津若松、広島〜出雲市、広島〜浜田、高松〜徳島、松山〜高知、熊本〜長崎などの路線が、その役割を高速バスに譲って消えた。

バス業界の規制緩和で路線廃止が進む

今は富山駅から放射状に路線を延ばす富山地鉄バス。かつては泊〜黒部〜魚津という北陸本線沿いの路線があった(写真:1992年筆者撮影)

残ったバスは鉄道線の駅を起点に、放射状に延びる短距離路線が中心となった。利用者の目的は自宅と町の中心(病院、商業施設、高校、駅など)との移動なので、町の中心で他のバスに乗り継ぐ人などほとんどいない。また、市町村の境、ましてや県境を越えて隣町に行くニーズもほぼ消滅したのである。

2002年に国は乗合バスの規制緩和を実施。高速バスなどのドル箱路線に競合が現れ、その収益により不採算路線を維持する図式が崩れた。参入と同時に撤退の要件も緩和されたため、不採算路線の廃止がさらに進んだ。

代わって住民の足を確保するため、市町村によるコミュニティバスの運行が活発化する。コミュニティバスのほとんどは、路線がその市町村内で完結。限られた車両・人員で市町村内全域にサービスを提供するため、週に数日だけの運行系統や、集落を結んでぐるぐると迂回する系統も少なくない。それはもう、よそ者が旅に使えるようなバスではない。

熊本から世界遺産の三角西港を経て天草諸島に向かう産交バス「快速あまくさ号」。いまや貴重な一般道経由の長距離バスである(写真:筆者撮影)

一方で、1980年代に比べて格段に進歩したのが、路線・時刻の検索手段である。1980年代、筆者は旅のプランニングにあたり、事業者に電話で路線やダイヤを確認したり、時刻表をFAXしてもらったり、事業者が市販する自社の時刻表を郵送してもらったりした。しかし今日、ほとんどの事業者が自社のホームページを持ち、パソコンかスマートフォンさえあれば、全国のバス時刻を検索できるようになった。先のたとえでいえば、いい湯加減だった風呂は熱湯風呂に変わったが、予め温度を測ったり、差し水をしたりするツールは手に入ったということだ。太川&蛭子コンビの旅がうまくいかないのは、番組のルールとして、そのツールの使用を禁止されているからである。

せっかくバス旅の番組が高視聴率をとっているのだから、視聴者のみなさんにはぜひ、検索ツールを駆使して実際に路線バス乗り継ぎの旅を楽しんでいただきたい。そこで、いまも県境を越える路線バスの旅が楽しめる、いくつかのルートをご紹介したいと思う。

京都と滋賀の府県堺で乗り継ぎを楽しむ

石川県加賀温泉郷の片山津・山代・山中温泉と福井県の曹洞宗大本山永平寺を結んで、京福バスの「永平寺おでかけ号」が走る。1日1往復だが、温泉発が朝、温泉着が夕方なので、永平寺参詣に便利。筆者は1990年代、「おくのほそ道」を路線バスでたどる連載を持っていたが、すでにほとんどの県境で徒歩連絡を強いられた。そんななか、当時から今日に至るまで、芭蕉の歩いた道のりに近いルートで走り続けている貴重な路線といえる。

1本の路線ではなく、乗り継ぎを楽しみたいという方には、京都と滋賀の府県境の旅がおすすめ。京阪電車の出町柳駅と滋賀県高島市の朽木学校前を結び、毎年3月16日〜12月15日の土休日に1日2往復、京都バス〈10系統〉が走る。高島市内にはJR湖西線安曇川駅に発着する江若交通のバスが毎日、およそ1時間おきに運行されている。京都駅〜出町柳駅〜大原間には京都バス〈17系統〉が頻発しているので、三千院や寂光院を散策したのち、滋賀県側に抜けてみるのがよいだろう。

 

小菅の湯に並んだ西東京バスと富士急山梨バス。両者を乗り継ぐことで、奥多摩駅から大月駅までのバス旅を楽しむことができる(写真:筆者撮影)

首都圏では、東京と山梨の都県境を越える旅が楽しめる。JR青梅線奥多摩駅と山梨県小菅村の小菅の湯の間に、1日4往復運行される西東京バス。山梨県東端の小菅村は多摩地域の生活圏に入っており、青梅線と村を結ぶバスは大切な村民の足である。一方、小菅村とJR中央本線上野原駅の間には、新緑・紅葉シーズンの土休日に2往復、富士急山梨バスが走り、登山者などに利用されてきた。さらに、2014年に開通した松姫トンネルを通り、小菅の湯〜猿橋駅〜大月駅間の3.5往復(土休日は3往復)が新設された。これにより、奥多摩湖畔を散策したり、小菅の湯に浸かったりしながら、奥多摩駅〜大月駅間を年間を通じて毎日、旅することができるようになった。

沿線人口の減少が続く地方のバス路線に、旅人の利用は貴重な運賃収入をもたらす。この春、あなたも路線バスの旅に出かけてみてはいかがだろう。


バスの旅、自分は鉄道ファンだけど、地域密着系だから好きだなぁ。

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「江ノ島電鉄」が“普通鉄道”なのはなぜ? 今でも往年の風格が漂う“元・路面電車”が人気の理由

2017年01月15日 22時15分21秒 | のりもの

「江ノ島電鉄」が“普通鉄道”なのはなぜ? 今でも往年の風格が漂う“元・路面電車”が人気の理由

「江ノ島電鉄」が“普通鉄道”なのはなぜ? 今でも往年の風格が漂う“元・路面電車”が人気の理由

「江ノ島電鉄」が“普通鉄道”なのはなぜ? 今でも往年の風格が漂う“元・路面電車”が人気の理由

(GetNavi web)

全国を走る路面電車の旅 番外編「江ノ島電鉄」

 

藤沢駅〜鎌倉駅を走る江ノ島電鉄は、四季を通じて観光客で賑わう。この路線には、延べ980メートルにもおよぶ併用軌道区間があり、民家の玄関前を走る箇所などもあり、鉄道線というよりも路面電車の特徴を色濃く残すポイントが多い。

 

それなのに、江ノ島電鉄は一般の普通鉄道に区分けされている。なぜなのだろう? 今回の路面電車の旅では、番外編として“江ノ電”の魅力に迫った。

↑大正中期の江ノ電の絵葉書。七里ヶ浜付近の波打ち際を路面電車タイプの車両が走っていた。左奥は江の島↑大正中期の江ノ電の絵葉書。七里ヶ浜付近の波打ち際を路面電車タイプの車両が走っていた。左奥は江の島

 

【歴史】“国策”で普通鉄道に変更された

「路面電車」と一般の「普通鉄道」はどのように違うのだろう。実は、法律によって路面電車と普通鉄道が分けられている。路面電車に適用されるのが軌道法と呼ばれる法律で、道に設けられた鉄道に適用される。一方、一般の鉄道に適用されるのが鉄道事業法だ。

 

要するに車両の形で路面電車か、路面電車でないかを分けるのではなく、道に設けられた路線を走る電車なら軌道法という法律が適用され、路面電車ということになる。

↑通称「鎌倉市腰越電車通り」を走る20形電車。「電車接近」の表示に合わせ、車は道路脇に除けて電車の通過を待つ↑通称「鎌倉市腰越電車通り」を走る20形電車。「電車接近」の表示に合わせ、車は道路脇に除けて電車の通過を待つ

 

道に線路がある江ノ電は、どうして普通鉄道に区分けされているのだろう。江ノ電(当初の会社名は江之島電氣鐵道)が開業したのは、1902(明治35)年のこと。1910(明治43)年には、藤沢〜鎌倉間が全通した。当初は江ノ電も路面電車の仲間だった。

 

ところが、当局(内務省)からの指導で鉄道事業法(当時は地方鉄道法)が適用される普通鉄道への変更を求められた。この求めに応じて当時の江之島電氣鐵道が変更を申請。その後、太平洋戦争中の1944(昭和19)年に変更の許可がおりている(法律の適用は1945年11月から)。

 

当時、軍部は物資の輸送に欠かせない東海道本線や、軍関係施設が多い横須賀線が空襲等で長期間不通になることを恐れた。もし不通となったときには、迂回路として両線に接続する江ノ電の路線を利用したいと考えたのだろう。

 

線路幅は元国鉄の路線と同じ1067ミリで、いざというときに、貨物列車を通すことが可能だった(軌道法では車両の長さなどが制限された)。それ以降、江ノ電は路面電車に戻ることなく、普通鉄道として運用された。

↑通りでは係員が車の誘導をしているものの、ときには電車が車の渋滞に巻き込まれてしまうこともある↑通りでは係員が車の誘導をしているものの、ときには電車が車の渋滞に巻き込まれてしまうこともある

 

【車両】新旧さまざまな電車が走るにぎやかさ!

江ノ電の電車は、すべてが2両1組、2両の連結部に台車がある連接車だ。そして、ほとんどの電車が2編成をつなぎ4両編成で運行されている。

 

電車の形式は以下のとおり。レトロなスタイルの10形20形、鉄道友の会「ブルーリボン賞」を受賞した1000形、グッドデザイン商品に選ばれた2000形、江ノ電初のVVVFインバーター制御を採用した500形。そして、1956(昭和31)年〜1968(昭和43)年に造られた江ノ電最古参の300形、計6形式だ。

↑1000形1002-1052号車は、姉妹提携を結ぶ京福電気鉄道(通称・嵐電)カラーの京紫色に塗られている↑1000形1002-1052号車は、姉妹提携を結ぶ京福電気鉄道(通称・嵐電)カラーの京紫色に塗られている

 

そのうち、300形は江ノ電のシンボルとして人気が高い。300形は6編成が造られ、いまは305-355号車1編成のみが残っている。丸いヘッドライト、その下に付く尾灯、広めのおでこに丸い天井部分。顔の真ん中に、四角い3枚窓が並ぶ。決して端正な形とはいえないものの、独特の風貌で新型車両にない風格を伴っている。

↑1960年製の300形305-355号車。正面に「藤沢−鎌倉」と書かれたサボが付く。古参らしい風貌が味わい深い↑1960年製の300形305-355号車。正面に「藤沢−鎌倉」と書かれたサボが付く。古参らしい風貌が味わい深い

 

【沿線】乗って歩いて楽しい江ノ島〜極楽寺間は要注目!

江ノ島電鉄の路線は、藤沢駅〜鎌倉駅までちょうど10キロ。そのうち、路面電車らしい情景に出会えるのが江ノ島駅と極楽寺駅の間だ。

 

江ノ島駅から鎌倉行きに乗ると、駅を出てすぐ龍口寺(りゅうこうじ)前の急カーブに入る。半径28メートル、普通電車の路線では日本一小さいカーブとされる。ここで、カーブに強い連接車の構造が活きるのだ。

↑龍口寺前の半径28メートルの急カーブを曲がる。連接車ならではの構造が活きるカーブだ↑龍口寺前の半径28メートルの急カーブを曲がる。連接車ならではの構造が活きるカーブだ

 

このカーブを曲がると、通称「鎌倉腰越電車通り」に入る。道路の中央を4両編成の電車が走る姿はダイナミックそのものだ。通りを走る車も、電車が来ると道路際に除けて通過を見守る姿が見られる。また、電車に乗って見る風景も面白い。魚屋や食事処などが建ち並ぶ商店街、歩く買い物客や車を、電車のすぐ真下に見ながら通りを走り過ぎていく。

 

腰越駅を過ぎれば、いよいよ七里ヶ浜の海岸が見えてくる。海岸沿いにある駅が鎌倉高校前駅だ。駅を出ると海が見える踏切がある。いま中国、香港、台湾、韓国などアジアのさまざまな地域から、わざわざこの場所を訪ねる人たちが目立つ。

 

これは、人気コミック「SLAM DUNK(スラムダンク)」の影響だとされる。コミックのオープニングシーンに登場するのがこの場所だからだ。元々、電車を背に海が見える“名物スポット”として知られていたが、数年前までは昨今の賑わいぶりなど、とてもじゃないが想像できなかった。

↑真冬の強風が吹き荒れる中でもこの状態、ここ数年の鎌倉高校前駅にある踏切の人気ぶりには驚かされる↑真冬の強風が吹き荒れる中でも、この観光客の数。ここ数年の鎌倉高校前駅にある踏切の人気ぶりには驚かされる

 

電車に乗るだけでなく、途中下車して線路ぞいをゆっくり歩いていただきたいのが、七里ケ浜駅と極楽寺駅との間。とくに七里ヶ浜駅〜稲村ケ崎駅間は、江ノ電とともに海越しに見える富士山を一緒に撮影できるポイントがあるのでおすすめ。空気が澄みわたり、雲が少ない冬の晴天日を選んで訪れたい。

↑七里ヶ浜駅〜稲村ケ崎駅間で撮影した富士山と300形。同エリアでは、色々な構図にチャレンジすることが可能だ↑七里ヶ浜駅〜稲村ケ崎駅間で撮影した富士山と300形。同エリアでは、色々な構図にチャレンジすることが可能だ

 

さらに、稲村ケ崎駅から先の極楽寺駅間への区間は、歩く人も少ない大人向けのおすすめ区間だ。細い道筋を車と並走するように、江ノ電の電車が走り抜ける。道との境には小さな仕切りがあるのみ。併用軌道を走る江ノ電の電車が身近に感じられる区間で、通行する車に邪魔されなければ4両編成の車両を、きれいに写真に納めることができる。

↑稲村ケ崎駅〜極楽橋駅間では、細い道に沿った併用軌道区間がある。趣ある情景を撮るならこの区間は抑えておきたい↑稲村ケ崎駅〜極楽橋駅間では、細い道に沿った併用軌道区間がある。趣ある情景を撮るならこの区間は抑えておきたい

 

【TRAIN DATA】

路線名:江ノ島電鉄線

運行事業体:江ノ島電鉄

営業距離:10.0km

軌間:1067mm

料金:190円〜300円(ICカード利用可能)

開業年:1902(明治35)年

*江之島電氣鐵道が藤沢〜片瀬(現・江ノ島)間を開業


自分も昨夏、青春の思い出、江ノ電の旅を楽しんだのはこのブログでも書いたけどね。

一部新潟県人の薄情さを身をもって知った自分には、東京で暮らした日々が恋しいよ。

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日常に強い小田急ロマンスカー「EXE」が進化、「EXEα」に 唯一無かったロマンスカー

2016年12月16日 23時13分55秒 | のりもの

日常に強い小田急ロマンスカー「EXE」が進化、「EXEα」に 唯一無かったロマンスカー

日常に強い小田急ロマンスカー「EXE」が進化、「EXEα」に 唯一無かったロマンスカー

登場から20年を迎え、リニューアルされた30000形「EXEα」(2016年12月15日、恵 知仁撮影)。

(乗りものニュース)

小田急「ロマンスカー」のうち30000形電車「EXE」はある賞を唯一、受賞していません。しかし一定の評価があり、その能力が登場から20年を迎えて“進化”。快適性などが向上します。

唯一「なかった」ロマンスカー

 小田急電鉄が2016年12月15日(木)、唐木田車両基地(東京都多摩市)で30000形電車「EXEα(エクセ アルファ)」を報道陣へ公開しました。1996(平成8)年にブロンズ色の外装、「EXE(エクセ)」という車両の愛称で登場した特急用車両30000形をリニューアルしたものです。

 この30000形「EXE」は「ロマンスカー」車両で唯一、「あること」がなかった車両です。

「ロマンスカー」と呼ばれる小田急電鉄の特急は、箱根などへの観光特急という側面があり、非日常的な展望席構造を持つ車両も存在。それが小田急のシンボルにもなっています。

 しかし「ロマンスカー」は、通勤などの輸送も大きな任務。展望席構造など「ロマンスカー」に観光のイメージが強かったなか、日常的な需要にも応えるため1996(平成8)年にデビューしたのが、この「EXE」です。展望席構造は採用されず、かんたんにいえば観光でも通勤でも利用できる汎用(はんよう)的な特急車両として登場しました。

 ですがこの「EXE」だけ、「ブルーリボン賞」を受賞できませんでした。

小田急「ロマンスカー」のため作られた賞 しかし「EXE」だけ…

 鉄道愛好者団体の「鉄道友の会」が毎年、新たに運転を開始した優れた車両に贈っている「ブルーリボン賞」。同賞が制定されて以来、小田急「ロマンスカー」の車両はすべてそれを受賞してきたほか、そもそも、1957(昭和32)年に登場し、その後の新幹線誕生にも貢献した小田急「ロマンスカー」3000形電車(SE車)に賞を授与したい、というのが「ブルーリボン賞」の始まりです。

 これを受賞できなかった小田急「ロマンスカー」は同賞の制定以降、現在に至るまで「EXE」のみ。小田急関係者によると「EXE」の登場当時、「展望席がないのは『ロマンスカー』じゃない」といった声もあったといいます。

 しかし、だからといって「EXE」に問題があるわけではなく、定員の多さ、2008(平成20)年に登場した60000形ロマンスカー「MSE」にも受け継がれた、6両と4両に分けて走らせられるといった運用上の利便性、鉄道車両としての快適性などについては一定の評価を得ています。このたび行われた「EXEα」へのリニューアルでは、その「能力」がさらに進化しました。

「EXEα」、その進化ポイントとは? 定評のあった座席はさらに

「EXE」をリニューアルした「EXEα」、進化した能力のひとつは「快適性」です。木目調の内装と、直接照明と間接照明を組み合わせた演出で「気品と落ち着きのある空間」にしたとのこと。

 また「EXE」は元々、クッションが効いた座席が評価されていましたが、それも進化。座面のひざ側が足に合わせて沈む造りになり、座り心地が良くなっています。なおコンセントについては、第2陣以降のリニューアル車両から設置を考えているそうです。

 和式トイレの廃止、広い「ゆったりトイレ」の設置、温水洗浄機能付き便座の採用、授乳などに使える多目的室の設置もポイントです。観光需要にも対応するため、スーツケースを置ける大型収納スペースも用意されています。

「安全性」も進化しました。各車両の出入口や客室内に防犯カメラが設置され、乗務員室でリアルタイムに映像を確認できるとのこと。また省エネ機器の採用、モーターの低騒音化などで「環境性能」も進化しました。

 近年、首都圏の鉄道では有料で着席サービスを提供する動きが進んでいます。そのなかで、「ブルーリボン賞」は受賞できなくとも、利便性や快適性については一定の評価があった「EXE」の、「EXEα」への“進化”。人口減少社会を迎え、各鉄道会社が利用者確保のため沿線価値やサービスの向上につとめるなか、小田急の新たな武器になりそうです。

 リニューアルされた「EXEα」は、2017年3月から運転が始められる予定です。

【写真】「6:4分割式」が特徴の「EXEα」


実家へ帰った際、たまに乗ることがあるけど、『ロマンスカー』で初めてこの車両が来たときのガッカリ感が…ね。 

『ロマンスカー』ではなく、たとえば『ビジネス特急』とでも名付ければ…。 

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仰天!「超長距離」通勤列車の遠すぎる始発駅 東京に3時間以上かけてやってくる列車も

2016年12月14日 22時11分11秒 | のりもの

仰天!「超長距離」通勤列車の遠すぎる始発駅 東京に3時間以上かけてやってくる列車も

仰天!「超長距離」通勤列車の遠すぎる始発駅 東京に3時間以上かけてやってくる列車も

仰天!「超長距離」通勤列車の遠すぎる始発駅

(東洋経済オンライン)

平日朝の通勤ラッシュの時間帯、全国各地のターミナル駅には、たくさんの列車が到着する。

その多くは郊外にある車庫や、駅のホームの脇などにある、一時的に車両を停めておく「留置線」と呼ばれるところに置かれていた列車だ。だが、車庫や留置線にある車両だけでは通勤客を運びきれない、もしくは、増え続ける通勤客に対して車庫が手狭になってしまった、という場合、遠くにある車庫に列車を置いて対応することがある。

時刻表を見ると、朝5時台、6時台に遠くの駅から出発して、8時台、9時台にターミナル駅に到着する列車が各地で走っている。

そんな「一見なんでもないような通勤列車に見えるけれど、実はすごいところから来ている」列車をいくつか紹介したい。

富士山のふもとから来る通勤電車

東京と新宿・立川・八王子方面を結ぶ中央線の快速。この路線には、富士山のふもと、山梨県の富士急行線河口湖駅を朝5時48分に出発し、8時51分に東京に到着する電車が走っている。走行距離114.4キロメートル、所要時間3時間3分。途中47もの駅に停車する。

この電車は新宿に8時35分に到着するので、通勤で乗ったことのある沿線の方は多いと思われるが、河口湖が始発駅だということを知って乗る方は少ないだろう。ちなみに、河口湖発の快速は1日2本あり、もう1本は河口湖を6時18分に出発、東京着は9時20分となっている。

(東洋経済オンライン)

山小屋のような風情の奥多摩駅。東京駅8時14分着の中央線快速電車は、この駅を6時6分に出発する(写真:J6HQL / PIXTA)

中央線の快速にはもうひとつ、変わったところから来ている通勤電車がある。青梅線の奥多摩駅を6時6分に出発し、8時14分に東京に到着する電車だ。

河口湖と東京を結ぶ電車は、夕方の時間帯に通勤快速河口湖行が走っているので「逆もあるだろうな」と想像がつくが、東京発奥多摩行の中央線快速電車は平日、土休日とも1本も運転されていないため、意外な感じがある。始発駅の奥多摩も終着駅の東京も東京都内。2時間以上かけてこの電車を乗り通せば、東京都の広さを実感できるだろう。

新幹線なら40分の距離に4時間!

名古屋エリアで走っている朝の長距離列車は、東海道本線静岡発の岐阜行普通列車だ。静岡駅を早朝5時1分に出発し、名古屋に9時4分、終着の岐阜には9時34分に到着する。静岡を6時41分に出る東海道新幹線の「ひかり493号」に乗ると、名古屋着は7時24分。新幹線だと43分で行ける距離を4時間かけて走るという、なかなかの鈍行ぶりだ。

海沿いを走る紀勢本線。紀伊田辺駅6時ちょうど発の京橋行きは、この路線を大阪方面へと向かう(写真:tarousite / PIXTA)

関西エリアでは、和歌山県の紀勢本線紀伊田辺駅を朝6時ちょうどに出発する列車が、天王寺、大阪を通って京橋までを結んでいるほか、三重県伊賀市にある関西本線の柘植(つげ)駅を6時34分に出る列車は、草津線、東海道線を経由して大阪まで乗り入れている。

九州では、博多に8時19分に到着する普通列車が、長崎県の佐世保の手前、早岐(はいき)駅を始発駅としている。5時34分に早岐を出発した列車は、有田、肥前山口、佐賀、鳥栖、博多を通り、さらに小倉、門司港へと向かう。終着の門司港駅到着は10時11分。午前8時台に博多に到着するこの通勤列車は、JR九州の普通列車の中で、最長距離を走る列車だ。

首都圏では、小田急多摩線の唐木田から東京メトロ千代田線を経由し、JR常磐線の我孫子を結ぶ列車など、3つの鉄道会社にまたがって運転される列車は珍しくない。だが、全国的に見てみると、3社以上を直通する列車は数少ない存在だ。

そんなレアな存在の列車が、朝の通勤時間帯、意外なところで運転されている。まずひとつめは、新潟県の糸魚川を6時41分に出発する金沢行普通列車だ。この列車は、えちごトキめき鉄道の糸魚川駅を出発して、あいの風とやま鉄道、IRいしかわ鉄道を経由して金沢へと向かう。

北陸新幹線の開業によって誕生したこれら3つの鉄道会社だが、時刻表を見ると金沢発富山行など、2社にまたがって運転される列車は多数あるものの、3社にまたがって運転されるのはこの列車と、夕方に金沢を出発する糸魚川行の1往復だけだ。

そしてもう一つは、岩手県の小鳥谷(こずや)を6時33分に出る鮫行の普通列車だ。始発駅の小鳥谷はIGRいわて銀河鉄道の駅で、ここから青い森鉄道、JR東日本の八戸線を経由して、終着駅の鮫に8時24分に到着する。走行距離59.9キロメートル、所要時間1時間51分と、非常にのんびり走る列車だ。

日本で1本しかない通勤列車が北海道に

珍しい通勤列車は他にもある。JR北海道では、函館本線の倶知安(くっちゃん)を6時20分に出発する苫小牧行(札幌8時19分着)が、日本で1本しかない特徴のある列車だ。この列車は途中の小樽と札幌の間で電車とディーゼルカーを一緒に連結し、電力とディーゼルエンジンの両方を使って運転されている。

また、長野県の篠ノ井駅を8時3分に出る豊野行の普通列車も珍しい存在だ。長野駅を発着する在来線の列車は、この列車以外すべてが長野始発、長野止まりで、この1本だけが唯一、長野駅を「途中駅」とする列車なのだ。

最近は、早朝に遊んでから出社する「エクストリーム出社」が話題となっている。もし自分が通う会社や学校の近くに、ちょうどいい時間に到着する列車があったら、早朝、もしくは前日に始発駅へと向かい、長距離列車や珍しい列車に乗って出社する「鉄ストリーム出社」をしてみるのも面白いだろう。

全国の意外な通勤列車一覧


少しでいいから、鉄道旅行をしておきたかった…。 

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JR西日本が「新たな長距離列車」を開発へ 「瑞風」より気軽に乗れる価格帯で登場?

2016年12月01日 23時24分35秒 | のりもの

JR西日本が「新たな長距離列車」を開発へ 「瑞風」より気軽に乗れる価格帯で登場?

JR西日本が「新たな長距離列車」を開発へ 「瑞風」より気軽に乗れる価格帯で登場?

JR西日本が「新たな長距離列車」を開発へ

(東洋経済オンライン)

JR西日本は11月29日、大阪市内のホテルで豪華寝台列車「トワイライトエクスプレス瑞風」の運行開始に向けた詳細を発表した。旅行商品の価格はロイヤルツインで1人あたり27万円(2名利用時)から、最高額のザ・スイートは1人あたり125万円(2名利用時)など。2017年6月17日に決まった運行開始日に向けて期待は高まるばかりだが、この日、瑞風に勝るとも劣らないニュースを来島達夫社長が発表した。

なんとJR西日本が「新たな長距離列車」を開発するというのだ。

「気軽に利用できる長距離列車を」

瑞風は最高級の車内設備に加え、最高級のサービス、食事、観光を売り物にしているが、それだけに価格も「最高級」だ。2015年に運行終了した寝台特急「トワイライトエクスプレス」やJR東日本の「北斗星」は乗ることを楽しみにした豪華寝台列車のはしりであったが、価格はトワイライトエクスプレスの最高級個室「スイート」でも大阪−札幌間で46090円と、一般の人にも十分手が届く価格だった。

新たに開発する長距離列車はこの辺を十分に意識し、「瑞風よりも気軽にご利用いただける列車にしたい」と来島社長は言う。「ようやく検討をスタートさせた」という段階であり、いつ頃運行開始するか、どのルートを走るかといった概要はまだ決まっていない。

「まずは電車タイプにするか、あるいは瑞風のようなハイブリッドタイプにするかを決めたい。それによって、行き先やどの線区を走るかが決まってくる」(来島社長)。車両の内装をどうするか、食堂車を設置するかどうかも含めて、どのようなサービスを提供するかはその後の話だ。

注目したいのは、新たな長距離列車が寝台列車になるかどうかまだ決まっていない、という点である。ただ「サンライズ出雲のノビノビ座席のようなカーペット式の設備にする可能性もある」と来島社長は語っており、昼行ではなく、夜行列車を想定しているようだ。「瑞風と合わせて、別の形で旅をお楽しみいただきたい」と来島社長は言う。

「普通の寝台列車」の需要は高い

JR九州の「ななつ星in九州」、JR東日本の「トランスイート四季島」そして、トワイライトエクスプレス瑞風。これらの豪華列車は話題性こそ抜群だが、一般の人がおいそれと利用できる価格ではない。

が、トワイライトエクスプレスや北斗星の人気でわかるとおり、一般的な価格帯での寝台列車のニーズは確実に存在する。ななつ星、四季島、瑞風がピラミッドの頂点だとすれば、頂点を支える裾野の役割を果たす列車の存在があってもいいだろう。

JR西日本がこれから開発する長距離列車はまさに裾野の役割といえる。新たな長距離列車で鉄道旅の楽しみを覚えた人々が「いずれは瑞風やななつ星に乗りたい」という夢を持つ可能性もある。

かつて全国各地を結んでいた寝台列車は近年廃止が相次ぎ、2009年には首都圏と九州を結んでいた「ブルートレイン」が全廃。トワイライトエクスプレスと北斗星の廃止によって、国内で定期的に運行している寝台列車は、東京−出雲市・高松間を結ぶ「サンライズ出雲・瀬戸」のみとなっている。一方で、夜行高速バスの運行は活発化し、豪華シートなどを売り物にした便も登場している。

こうした中、JR東日本やJR九州にも気軽に利用できる長距離列車の開発が望まれる。バブリーな方向に向かうよりもはるかに日本の鉄道文化の育成につながるはずだ。


瑞風に四季島、ななつ星…って、夜行列車の旅は庶民には手の届かないものになってしまったと嘆いていたら、とても楽しみなニュースが! 

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