レジに並んだ幼な子が
必死に商品を握りしめて離さない時、
親御さんが、
ほら、レジのお姉さんにピッてして
もらいましょうねー
と促したときの、
私の心の中の微妙な気持ち。
言われた幼な子が、
私を睨みつけながら値踏みしている
ときのあの瞬間が、
嫌い、さ。
嫌いなのさ。
あゝ、君はきっと。
この人、お姉さんなのか?
この人、おばさんじゃないのか?
てか、このお菓子を取られちゃうかも。
なんて、
疑心暗鬼にそう思っているのだろうね。
分かる。分かるよ。その眼差しで。
だから、
私はおどけてみせるしかないのさ。
大丈夫だよーピッとするだけだからねぇ、
(ハンドスキャナーをひらひらさせる)
ピッ!
ホラ、終わったぁ!
(ハンドスキャナーを伸ばして、
身を乗り出すようにして、
商品を取り上げることなく
バーコードを読みとってやる)
そんなサービスを
本日も何度も提供しましたわ。
ま。いいんだけど。