しっかり前夜から降っていたが、「サッカーやる天気ならテニスもやる国」の習いどおり余裕の決行。
例によってドロー数は少ないものの、テニスが結構さかんな地方で県大会オープンクラスの本戦入り狙う奴(市民大会やJOP大会で県の予選参加資格取得済)が普通にいる大会なので相手が誰でも何も期待できない。
1回戦、序盤は様子を見ながら徐々にペースを上げてくるのかな?という感じの相手。僕の方は直前まで感じていなかった緊張を始まってから感じてしまったものの、結構体が動く。最初からしっかり回転のかかったフォアの強打をコーナー深くに決めることができ、ドロップショット等のチェンジオブペースもそれなりに成功。リードが大きくなるほど腰が浮いてきてショットが怪しくなる問題が出たが、なんとか終わらせることができた。
<気がついたこと>
・試合では大変珍しいことだが、しっかり踏み込んで早めにボールを捉えるストロークを続けることができた。インプレー中の上半身のブレは結構少なかったと思う。
・トップスピンとスライスでラケットフェイスにボールを当てるポイントの使い分けができていた(薄くてしなるラケットなので僕はこれがミスに影響する)。
・うまくいくと大きな武器だが、感覚の調整が難しいスライスでの攻撃的リターンをせず、フラットドライブ~トップスピンでリターンを行ったが、概ね成功。だが中盤以降集中力が途切れると踏み込まないままヒットしてネットにかける悪癖が時々出た。
・やはり中盤以降、短く弱い球の処理に問題。甘いアプローチでパスの餌食になったり、フォアのアングルショットをネットする場面がしばしば。これも集中力が欠けてボールへの反応(動き出し)が遅れ、きちんと打てる姿勢をつくれなかったためと思う。
・バックハンドは大きな失敗はなかったものの、トップスピンの強打で攻めるところまでいかず、フラットドライブ中心で深く返すレベルだったので、相手にボールを(バック側に)集められる現象は起こった。それでもフラストレーションをおこすことはなく、フォアの逆クロスで決めることもできた。
・サービスは安定せず。スイングスピードの維持はギリギリ許容範囲だったが、とにかくトスの高さと上げるタイミングがバラバラ。すぐにクイックモーションであることを忘れてしまう。よって配球以前の問題。練習量が必要。
2回戦の相手は第1シード。アップのとき打ってきたフラットドライブの強打は決め球かと思っていたら実はそれがメインの球種だった。当然全体的にレベルが高かったのだが、どうしてもラリーになると(かなりの強打であっても)回転を強めにかけて落としてくるこのクラス標準の軌道を無意識に期待してしまう。そんなところへ、雨に濡れたオムニコートで深くフラット気味の強打が飛んでくるので対応をミスすることが多かった。基本攻めるのが好きな僕にはこの問題が極大化し、中盤からチャンスがそれなりにあったにも関わらずゲームを取りきれない。唯一回転系のサービスで揺さぶってキープした以外はあまり見所のない試合になってしまった。
<気がついたこと>
・あまりにも頭が悪かった。低い弾道に対応した姿勢になっていなかった。ちなみに相手はパスの時等は弾道の高いエッグボールも打った(フラットドライブでもボールを潰してコートに入れてくる)。決勝で第2シードとやっているときはエッグボールの割合を増やしてミスを減らしていたようだ。つまり僕のときはそこまで必要なかったということ。
・相手はサービスも強く、こちらのリターンミスもまあまああったのだが、踏み込む距離を多目にして返すやり方はOKだった気がする。ヘッドスピードを上げる動きができていたことと、他のショット含めフカすボールが無かったのは収穫。
・競っている状態でのチャンスをミスる場面がちらほら。やはり腰が浮きラケットヘッドが下がってしまう傾向があるようだ。(相手が決勝で決め球を似たようにミスる場面を見てやはりプレッシャーの影響はあるんだなと。結局優勝していたが。)
・反応も1回戦と比べて悪かったかもしれない。本来なら逆になるべきなのだが、相手が強いと思うとどうしても相手を見ている(だけの)時間が長くなってしまう。
・サービスは…とにかく練習。
そういえば決勝は昨年と同じ顔合わせでの2連覇だったらしく、連続準優勝の人は一昨年の優勝者で、相変わらずの不思議な達人ぶり。このコンディションで真新しいルナ・ヴェイパー・ツアー(ナイキのフェデラーモデルね)を履き、今ではビギナー向けに見られるクラシックで廉価なストリングを「普通の」テンションで張った(但し張りたて)重いラケットで強烈なスピンをかけていた。
ガキの頃から早起きが苦手で、特に社会人になってからは、早朝に起きると半日ぐらい頭も体もほとんど鬱病のような状態だったのだが、非常に珍しく今回は体調不良もなく試合直前までの緊張もなかった。
早朝でなくとも梅雨のような低気圧が続く状態がダメな人間がOKだった理由として考えられるのは、まず真夏の暑さ対策のため春先から厚着してテニスしてきたこと。さすがに5月終盤からは厚手の長袖T+半袖ウェア×2は難しくなりセッションの途中から長袖Tだけは脱いでいるものの、結構な気温と照りの中で激しく動いてきたので、確実に内臓が高温でバテない夏仕様に(毎年これが遅れてやられる)なってきており、もちろん皮膚の方も酸化膜でもできたかのように耐性が高くなり半袖1枚だとかなり快適。当然自宅では空調なしだが全く暑くない。この「厚着テニス」のもう一つの利点は、神経系も「夏時間」にできることのようで、体にスイッチが入りやすくなっていた。もちろん心身ともにストレスをかけることになるので、随時若いとはいえない自分の状態を観察しながらやらないといけないが(厚着してなくてもいっぱいいっぱいになるまで心拍数を上げているので)。
もう一つの理由は、戦績はさておき、それなりにそれらしいテニスができるようになってきたこと。コンピューターゲームで例えると、その都度DVDへ読みに行かなくとも内蔵の2次キャッシュに蓄えられている「テニスゲーム」のデータがそれなりに増えたので、精神的な余裕が少し出てきた。初心者に教えるように自分に動作を命じなくとも、テニスに必要な基本的な動きが無意識にできるようになってきたのだ。これも結局、負荷の大きな練習を続けることで正しい動きを記憶の深いところに刷り込むことができる、という脳の機能的特性にかなったものだろう。そしてこれまでの経験からはっきり言えるのは、どんくさい僕は、負荷の軽い練習では何年続けてもここまでできなかったということだ。