横浜の建築設計事務所 コア建築設計工房のブログ

建築のこと、 横浜のこと、保育や福祉施設のこと、介護のことを表現します。

陰翳礼讃と日本文化私観2

2021年10月01日 | 展覧会・アート・本

おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の野上です。

先日の記事の続きです。

坂口安吾は捻くれているけれど、実は優しい印象があります。
救われない小説も笑える小説も書くし、特に『堕落論』はネガティブなタイトルですが、実はポジティブな意味を含んでいたりします。
『日本文化私観』もそのような印象を受けます。

まず、序盤からブルーノ・タウトの名を出し、皮肉を炸裂させています(タウトは桂離宮を褒め称えたことで有名ですね)。
伝統や国民性に疑問を呈しています。

また、故郷の風景が壊され現代的になることを、悲しく思わないようで、

伝統の美だの日本本来の姿などというものよりも、より便利な生活が必要なのである。京都の寺や奈良の仏像が全滅しても困らないが、電車が動かなくては困るのだ。
我々に大切なのは「生活の必要」だけで、古代文化が全滅しても、生活は亡びず、生活自体が亡びない限り、我々の独自性は健康なのである。
なぜなら、我々自体の必要と、必要に応じた欲求を失わないからである。

と痛快な主張です。

以下、「四 美に就いて」より

さて、ドライアイスの工場だが、これが奇妙に僕の心を惹くのであった。
 工場地帯では変哲もない建物であるかも知れぬ。起重機だのレールのようなものがあり、右も左もコンクリートで頭上の遥か高い所にも、倉庫からつづいてくる高架レールのようなものが飛び出し、ここにも一切の美的考慮というものがなく、ただ必要に応じた設備だけで一つの建築が成立っている。町家の中でこれを見ると、魁偉かいいであり、異観であったが、然し、頭抜ずぬけて美しいことが分るのだった。(中略)

美しくするために加工した美しさが、一切ない。(中略)
ただ必要なもののみが、必要な場所に置かれた。そうして、不要なる物はすべて除かれ、必要のみが要求する独自の形が出来上っているのである。

「装飾は罪悪である」と言ったアドルフ・ロースと同じ考えだと思いました。
古今東西を問わず生まれる考えかもしれません。

 

法隆寺も平等院も焼けてしまって一向に困らぬ。必要ならば、法隆寺をとりこわして停車場をつくるがいい。
我が民族の光輝ある文化や伝統は、そのことによって決して亡びはしないのである。(中略)

真に必要ならば、必ずそこにも真の美が生れる。そこに真実の生活があるからだ。

そうして結びます。
高尚より俗に寄っていますね(個人的には安吾に諸手を挙げて賛成はできません)。


陰翳礼讃のあとに読むと心に沁みます。
便利を受け入れていいのだと、優しいのです。
そして、どちらも「生活」に要点があり、考えさせられました。
もっと実感として理解したいです。

『日本文化私観』は人によっては気分を害するかもしれませんが、皮肉が最高に効いていてエンタメの読み物としても楽しめる傑作でした。

 

 

【関連記事】当ブログの中の「展覧会・アート・本」に関連する記事一覧


横浜の建築設計事務所 【コア建築設計工房】
https://www.arc-core.co.jp/
〒231-0013 神奈川県横浜市中区住吉町6-69 馬車道STビル5階 
>>googlemapで見る TEL 045-212-3739

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

陰翳礼讃と日本文化私観

2021年08月31日 | 展覧会・アート・本

おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の野上です。

お盆中、外出し難い時期だったので本を読んでいました。
文豪が建築について言及していることが面白いので取り上げます。

※没後50年経過しているので、存分に引用します。

 

妖しい耽美を描いた谷崎潤一郎と、捻くれてるけど実は優しい坂口安吾は随筆をのこしています。
建築に関わる記述(どちらもあらかじめ「建築については門外漢であるが…」と丁寧に前置きしています。謙虚ですね)が多くあり、日本の西洋化への考えの相違が面白いです。

ひとつめ、『陰翳礼讃』(いんえいらいさん)は建築業界では有名で、羊羹から建築に至るまで、その名の通り陰翳を礼讃する旨です。
個人的な解釈では「影」は姿がわかるカゲを、「陰」「翳」は薄ぼんやりとしたカゲリを表し、その暗さの文化を語っています。そして、その描写がいちいち凄まじく耽美なのです。

▲ 陰翳礼讃 谷崎潤一郎 中央公論新社 (青空文庫もおすすめです)

-----------------------------------------------
のように半透明に曇った肌が、奥の方まで日の光りを吸い取って夢みる如きほの明るさを啣んでいる感じ、あの色あいの深さ、複雑さは、西洋の菓子には絶対に見られない。クリームなどはあれに比べると何と云う浅はかさ、単純さであろう。だがその羊羹の色あいも、あれを塗り物の菓子器に入れて、肌の色が辛うじて見分けられる暗がりへ沈めると、ひとしお瞑想的になる。人はあの冷たく滑かなものを口中にふくむ時、あたかも室内の暗黒が一箇の甘い塊になって舌の先で融けるのを感じ、ほんとうはそう旨くない羊羹でも、味に異様な深みが添わるように思う。
-----------------------------------------------

軒を深く出す建築で暗い部屋に住まねばならなくなった先祖は、陰翳のうちに美を発見し、それに合わせて陰翳を利用するようになりました。
よって美は常に生活の実際から発達すると述べています。
そして、西洋文化は順当に発達したのに対し、日本は優秀な西洋文化に急に出会ったがゆえに損をしていると主張し、嘆いています。

 

LEDに白く照らし出された部屋で生きる我々は、現実の陰翳を愛でる心はどれほど残っているのか哀しみを覚えました。
論理的に日本文化を語られても完全な理解はできませんが、本によって、その世界に没入すれば見えるものもあると思います。
対して、感覚的に理解していること、例えば「わびさび」を外国人に説明することがあれば、言語化された谷崎の文学をもってすれば幾らかは伝えられるかもしれないと思いました。

長くなるので安吾は次回書きます。

 

【関連記事】当ブログの中の「展覧会・アート・本」に関連する記事一覧


横浜の建築設計事務所 【コア建築設計工房】
https://www.arc-core.co.jp/
〒231-0013 神奈川県横浜市中区住吉町6-69 馬車道STビル5階 
>>googlemapで見る TEL 045-212-3739

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ローズフェア with 趣味の園芸in横浜市役所~バラの新しい空間~

2021年05月28日 | 展覧会・アート・本

おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の渡邊です。

「ローズフェア with 趣味の園芸」が5月12日から5月16日まで横浜市役所のアトリウム内で開催されていました。
今回はその様子をお届けしたいと思います!


▲フラワーデザイナー ローランさんの「バラの小さなブティック」

バラの品種展覧会でもある本イベント。
日本のバラを専門とする庭師さんや、世界の庭師さんがバラを使った新しい空間づくりの提案をしていました。
上の写真は日本の田園調布で活躍されているフラワーデザイナーのローランさんが故郷フランスのバラに対する精神をブティックとして、
空間をデザインしたものです。


▲横から見た「バラの小さなブティック」

正面より天井の抜け感があって、爽やかな印象を持ちます。
お店だとすると、正面はお客さんに見せるショーウインドーとして、側面はお店を運営する人の視線で作られているんだなと
強く感じるものがありました。
物凄くバラのいい香りがするのですが、見る角度によってまた雰囲気が違って見えたので私自身とても驚きました。
また、建物を見る際建築物だけでなく、その周りの環境も如何に重要かを知りました。

それでは次もよろしくお願いします!!

【関連記事】当ブログの中の「空間づくり」に関連する記事一覧


横浜の建築設計事務所 【コア建築設計工房】
https://www.arc-core.co.jp/
〒231-0013 神奈川県横浜市中区住吉町6-69 馬車道STビル5階 
>>googlemapで見る TEL 045-212-3739

 

 



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鍛錬その2(横浜のまち)

2020年08月27日 | 展覧会・アート・本

おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の渡邊です。

今回は横浜のランドマークタワーを中心としたスケッチを描いてみました。
スケッチ自体は横浜市庁舎3階から撮った写真を元に描いています。

▲横浜市庁舎3階から見るランドマークタワー(写真)

▲ランドマークタワーと横浜のまち(フリクション0.5青・カランダッシュスケッチャー使用)

道路の交差部分や奥の建物とランドマークタワーのメリハリで悩みましたが、また学ばなければ
ならない点が見えるきっかけにもなったのでまた練習したいと思います!
最後に暑い日が続いていますが水分補給、周りとの距離を適切に守ってお気をつけてくださいますようお願い申し上げます。
それではまたよろしくお願いします。

【関連記事】当ブログの中の「展覧会・アート・本」に関連する記事一覧



横浜の建築設計事務所 【コア建築設計工房】
https://www.arc-core.co.jp/
〒231-0013 神奈川県横浜市中区住吉町6-69 馬車道STビル5階 
>>googlemapで見る TEL 045-212-3739






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鍛錬

2020年05月28日 | 展覧会・アート・本

おはようございます。
神奈川県横浜市にある建築設計事務所・株式会社コア建築設計工房の渡邊です。
緊急事態宣言が解除とのことですが、まだまだ警戒を怠れないと思います。
外に出て建築を見たりすることも難しいなかではありますが、出来ることはあります。
それは日々の鍛錬の一環として今まで見てきた建築物の写真をもとにスケッチをすることです。
今回はフランク・ロイド・ライト設計の自由学園明日館のスケッチを描いてみました。
出来はまだまだこれからですが、これからも鍛錬を怠らず努力していきたいです。



▲自由学園明日館 スケッチ(ボールペン)

【関連記事】当ブログの中の「展覧会・アート・本」に関連する記事一覧



横浜の建築設計事務所 【コア建築設計工房】
https://www.arc-core.co.jp/
〒231-0013 神奈川県横浜市中区住吉町6-69 馬車道STビル5階 
>>googlemapで見る TEL 045-212-3739

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山下ふ頭にガンダム?!

2020年05月01日 | 展覧会・アート・本

おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の宇都宮です。

現在コロナウィルスの緊急事態宣言により外出自粛の日々が続いていますが、先日、山下公園まで自転車を走らせ行ってきました。
ふと、山下ふ頭のほうを見ると何やらガンダムファクトリーと書かれたガンダムカラーの建物ができていました。

2020年の夏に山下ふ頭に実物大の動くガンダムが出現するそうです。
GANDAM FACTORY YOKOHAMA

▲ 「GANDAM FACTORY YOKOHAMA」
左側の鉄骨フレーム内に実物大ガンダムが格納されるようです。
もういるのかな・・・?

18Mの実物大とされるガンダムが鉄骨フレーム内に格納され、実際に動くところも上から横から間近に見ることができるそうです。
個人的にガンダムが大好きなわけではないですが、18Mの実物大の動くガンダムを開発し、展示するまでのプロセスは気になるところです。

このようなイベントに出かけられるような日常に戻ることができるよう早くコロナウィルスが落ち着きますように。


関連記事】当ブログの中の「山下ふ頭」に関連する記事一覧


横浜の建築設計事務所 【コア建築設計工房】
https://www.arc-core.co.jp/
〒231-0013 神奈川県横浜市中区住吉町6-69 馬車道STビル5階 
>>googlemapで見る TEL 045-212-3739

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

聴竹居

2019年10月04日 | 展覧会・アート・本

おはようございます。神奈川県横浜市にある建築設計事務所、株式会社コア建築設計工房の伊部です。
先日、目黒区美術館で開催された展覧会「太田喜二郎と藤井厚二-日本の光を追い求めた画家と建築家」を観覧してきました。

お目当は、藤井氏の環境共生実験住宅-聴竹居-についての展示です。
藤井氏は日本の風土に適した和風住宅を追求した建築家です。
壁面いっぱいにとられた窓には、障子を設けて光を調整しています。
外気に比べ安定した温度の地中を利用したクールチューブによる換気などパッシブな工夫がいっぱいです。
機械のチカラを極力借りず、地形や風土を活かして、建築デザインにより室内環境を整えるのは理想的です。
とても興味深いです。

また時代を感じさせないインテリアデザインも素敵でした。
是非、京都に行ったら本物を見学したいと思っています。


△お二人の交流のエピソードも興味深かったです。


△太田氏の作品は初めて鑑賞しましたがファンになりました。

【関連記事】当ブログの中の「展覧会」に関連する記事一覧


横浜の建築設計事務所 【コア建築設計工房】
https://www.arc-core.co.jp/
〒231-0031 神奈川県横浜市中区万代町2-4-1東カン横浜パークサイド2階 
>>googlemapで見る TEL 045-212-3739

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

横浜市電保存館

2019年04月22日 | 展覧会・アート・本

おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の宇都宮です。

2018年度の締めくくり3月まで横浜市交通局さんとのお仕事がありました。
横浜市営地下鉄の駅務員さんや乗務員さんが利用するエリアの改修工事の設計をしました。
その打合せ帰りに「横浜市電保存館」のチラシを見つけ、お休みの日に行ってみました。


▲ 実際に使用されていた市電の展示


▲ 中に乗ってみることができます!

こんな車両が昭和47年まで横浜市内の路面を走っていたとは知りませんでした。
今実際に見てみると木がふんだんに使われた暖かみのある贅沢な空間と感じました。


▲ 市電以外にも横浜の歴史についての展示もあります。

市電にまつわる横浜の歴史についてもとても勉強になり、おもしろかったです。

隣接したところに、しでんほーるが新築されていました。


▲ 期間によっては中で色々なイベントが開催されています。


▲ シャープで繊細な庇のアプローチ


▲ 天井の梁を活かしたデザインが特徴的です。

子どもが喜ぶと思って連れて行ったつもりが大人の私のほうがはまってしまい、じっくり堪能することができました。
ここは、おすすめスポットです!

横浜市電保存館
住所:〒235-0012 横浜市磯子区滝頭3-1-53
TEL:045-754-8505
駐車場16台(無料)

【関連記事】当ブログの中の「電車」に関連する記事一覧

 


横浜の建築設計事務所 【コア建築設計工房】
https://www.arc-core.co.jp/
〒231-0031 神奈川県横浜市中区万代町2-4-1東カン横浜パークサイド2階 
>>googlemapで見る TEL 045-212-3739

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ル・コルビュジエ展に行ってきました

2019年04月18日 | 展覧会・アート・本

おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の清泉です。

先日のblog(ル・コルビュジエ展)で取り上げました展覧会に行ってきました。


▲国立西洋美術館「ル・コルビュジエ展」看板

展覧会が始まったのは2月でしたが、4月半ばとなっても結構混んでいました。
内容としては、コルビュジエを中心にピュリスムやキュビズムの絵画、彫刻等が集められていました。
もちろん図面や家具、模型も展示されておりました。
写真や図面だけでなく、模型で見ることでコルビュジエ作品の美しさをダイレクトに感じることができたかと思います。
また、コルビュジエの描いた静物デッサン(原画?)やキュビズム絵画も多数展示されており、芸術的志向の変化も感じることが出来ました。


▲国立西洋美術館 19世紀ホール

館内は基本的に撮影禁止なのですが、こちらの19世紀ホールは撮影OKでした。
今回初めて西洋美術館の中に入りました。ホールの天窓、2階に上がるスロープ、2階通路の階段等、洗練されたデザインでとても居心地がよく、美術品とのバランスが絶妙な空間と感じました。
また別の展示会の機会に訪れてみたいと思います。


【関連記事】当ブログの中の「ル・コルビュジエ」に関連する記事一覧


 横浜の建築設計事務所 【コア建築設計工房】
https://www.arc-core.co.jp/
〒231-0031 神奈川県横浜市中区万代町2-4-1東カン横浜パークサイド2階 >>googlemapで見る
TEL 045-212-3739

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ル・コルビジェ展

2019年04月05日 | 展覧会・アート・本

おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の清泉です。

先日チケットショップでル・コルビジェ展のチケットを買いました。

ル・コルビジェ 絵画から建築へ HP

社内にもチラシが置いてあり、5月からかと勘違いしていましたが、2月~5月でした。
上野の西洋博物館で開催されていますが、こちらもコルビジェの作品です。
外から見学したことはありますが中に入ったことはないので、展示と合わせて楽しみです。


▲上野公園 西洋美術館

見学に行ったら、またblogで報告したいと思います。


【関連記事】当ブログの中の「ル・コルビジェ」に関連する記事一覧


 横浜の建築設計事務所 【コア建築設計工房】
https://www.arc-core.co.jp/
〒231-0031 神奈川県横浜市中区万代町2-4-1東カン横浜パークサイド2階 >>googlemapで見る
TEL 045-212-3739

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

子どものための建築と空間展

2019年01月30日 | 展覧会・アート・本

おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の宇都宮です。

パナソニック 汐留ミュージアムで開催されている『子どものための建築と空間展』に行ってきました。

明治時代→現代の子どもの教育施設の変遷がわかりやすく写真パネルや模型、当時使用されていた教材等が展示されていました。


▲ 自由学園明日館 中央棟食堂 <設計:フランク・ロイド・ライト、遠藤新>

最初は最低限のみんなが集える部屋(教室)の集合だったのが、徐々にオープンな教室の作り方になったり、形状も時代によって様々。
地域によってもその土地ならではの校舎のつくり方がなされています。

学校の教育方針から設計されるものや、建物のつくりによって生まれる教育の仕方等、校舎や園舎等をつくるアプローチのしかたも様々です。

また、教育施設だけではなく公園のあり方、遊具についても時代と共に変わっていく様子を見ることができました。


▲ 今でもたまに見かける「タコすべり台」彫刻家発案のデザイン

公園の遊具はひと昔前の方がバラエティーに富んでいて、自分が子どもの頃楽しんでいた遊具がどんどん消えているように思います。今、子どもを連れて公園に行くと、どこの公園(小さめの公園)にも同じ種類の遊具しか無くてちょっと寂しいような気がします。

安全性はとても重要な要素ではありますが、子どもも大人もわくわくするような、面白くて色々なデザインの遊具がまた公園に増えていくと良いなと思います。



▲ 箱根彫刻の森美術館 ネットの森<設計:手塚貴晴+手塚由比(手塚建築研究所) ネット作品:堀内紀子> 

ちょっと離れたところに行けばこんな遊具にも出会えます。
今度子どもを連れて遊びにいってみたいと思います!


【関連記事】当ブログの中の「子供」に関連する記事一覧

 


横浜の建築設計事務所 【コア建築設計工房】
https://www.arc-core.co.jp/
〒231-0031 神奈川県横浜市中区万代町2-4-1東カン横浜パークサイド2階 
>>googlemapで見る TEL 045-212-3739

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ものつくりに込める想い

2019年01月25日 | 展覧会・アート・本

おはようございます。
神奈川県横浜市にある建築設計事務所・株式会社コア建築設計工房の伊部です。

お正月休みにNHKスペシャルでサグラダファミリア教会の特集を見ました。
サグラダファミリア教会は、有名なのでご存知の方も多いと思います。
着工から130年以上経った今でも建設中の世界遺産です。
設計は、スペインの建築家アントニオ・ガウディ。
志半ばで没したガウディが残した資料は、内戦によりほとんどが消失してしまいました。
意思を受け継いだ弟子たちが彼ならこうイメージしていたであろうと試行錯誤しながら設計、建設を進めています。

今回の番組は、内装デザインのスタッフの一員である日本人彫刻家・外尾悦郎氏を通してどのようにガウディの想いを表現しているのかを伝えた内容でした。
昨年10月から教会のシンボルとなる「イエスの塔」の建設が始まりました。
その内装をどうするか外尾氏がガウディが表現したかったであろうことを突き詰め、それをどう実現するのかを追っています。
何度も試作品を作り、思うものに辿り着けなくても決して諦めない、妥協しない姿勢は同じものづくりをする者として頭が下がり感動しました。

年頭にこの番組を見て、仕事に対して改めて気を引き締めて、自分自身こうありたいと思いました。
本年もどうぞよろしくお願いします。




▲建設中のサグラダファミリア教会

【関連記事】当ブログの中の「建築」に関連する記事一覧


 横浜の建築設計事務所 【コア建築設計工房】
https://www.arc-core.co.jp/
〒231-0031 神奈川県横浜市中区万代町2-4-1東カン横浜パークサイド2階 >>googlemapで見る
TEL 045-212-3739






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

木材利用促進

2018年12月06日 | 展覧会・アート・本

おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の森です。

先日、木造準耐火建築の見学会に行ってきました。


▲横浜市内 用途:保育所

平成22年に公共建築物等木材利用促進法が施工されてから徐々に住宅以外の
建物でも木造化が進み、準耐火・耐火建築物でも木造で行うことが増えてきました。
弊社でも保育園を中心に多くの建物を木造で設計してきました。

近年では平成30年の建築基準法の改正により、木造の1時間耐火構造の告示仕様が
でき木造耐火建築物は4階建てまで一般的な告示で対応できるようになりました。
構造面でも耐力壁の仕様が追加され高倍率の耐力壁が利用可能に、CLT(直交集成板)も
床、屋根でより薄いものが使用可能になり、木造での意匠の幅も広がって来ています。

法整備はだいぶ追いついてきた印象がありますが、まだ材料の木材に関しては国産材、県産材
の流通量は少なく、コストも高いというお話をよく聞きます。木材の流通が活発になり、
多くの木造建築が増えることで、日本の林業が活発になり、森林資源が守られる良い
サイクルができればと思っております。

 

【関連記事】当ブログの中の「木造」に関連する記事一覧


 横浜の建築設計事務所 【コア建築設計工房】
https://www.arc-core.co.jp/
〒231-0031 神奈川県横浜市中区万代町2-4-1東カン横浜パークサイド2階 >>googlemapで見る
TEL 045-212-3739


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

子どものための建築と空間

2018年10月17日 | 展覧会・アート・本

おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の宇都宮です。

まだ先の来年のお話ですが、

子どものための建築と空間展』が、2019年1月12日(土)~3月24日(日)まで、

パナソニック 汐留ミュージアムでの開催が決まり発表されました。


▲ ふじようちえん<設計:手塚貴晴+手塚由比(手塚建築研究所)>

幼児教育および初等教育の場、児童遊園、図書館等の児童施設作品を中心に展示されるようです。
この展示会の開催趣旨に、
「子どもの時に過ごした空間は、原風景として長く記憶に留まり、その後の生き方や考え方の形成に与える影響は少なくありません。」
とあります。

実際に私自身も数十年前に過ごした幼稚園や小学校で、友達と遊んだ思い出やそれぞれの行事等の記憶と共に、その場所の景色が今でも鮮明によみがえってきます。
特に、こういう空間づくりの仕事をしているから思い出せるのかもしれないし、そういった空間の居心地が良かったからこういう仕事をしているのかもしれません。
どちらにしても、私自身とても影響を受けています!

時代の流れによって、その時、子供達にとって必要な空間も変わっていきます。
これからの子どものための空間に必要なものは何なのか、、、
この展示会に足を運んで改めて考えてみたいと思います。

子どものための建築と空間展
2019年1月12日(土)~3月24日(日) @パナソニック 汐留ミュージアム

【関連記事】当ブログの中の「子供」に関連する記事一覧

 


 横浜の建築設計事務所 【コア建築設計工房】 
https://www.arc-core.co.jp/
〒231-0031 神奈川県横浜市中区万代町2-4-1東カン横浜パークサイド2階 >>googlemapで見る
TEL 045-212-3739

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1番を目指して

2018年10月16日 | 展覧会・アート・本


おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の長谷川です。

現在、神奈川県立近代美術館・葉山館で行われている「アルヴァ・アアルト展 もう一つの自然」を
鑑賞してきました。
展示会では数多くの原図と模型、実際の建物で使用された取手やタイル、彼がデザインした照明、テ
ーブル、椅子、花器、衝立等が展示されていました。

フィンランドの代表建築家と言われるに相応しい作品の数々ですが、代表つまり1番になるために、
その優れたデザイン性の前にある戦略があったそうです。それは名前です。彼の本名はヒューゴ・
アルヴァ・ヘンリック・アアルト。頭文字はH・Aになるわけですが、名簿で調べた時に1番最初に
くるA・A表記になるようにアルヴァ・アアルトとしたそうです。1番を目指す強い意志を感じます。


▲企画展覧とは別室に特設コーナー「アアルト ルーム」があり、代表的な家具が体感できる様に
 なっています。 これはフィンランド家具ブランド・アルテックの『STOOL60』


▲「アアルト ルーム」内の展示  手前にアルテック『ARMCHAIR400』 奥にはアアルトの写真
  ARMCHAIR は曲で全体を支えているので、背もたれに深く座ったとき気持ちよくしなり、リラッ
  クスできます。

「アルヴァ・アアルト展 もう一つの自然」
  神奈川県立近代美術館 葉山館にて 
2018年11月25日日曜までです。

【関連記事】当ブログの中の「展示会」に関連する記事一覧


 横浜の建築設計事務所 【コア建築設計工房】 
https://www.arc-core.co.jp/
〒231-0031 神奈川県横浜市中区万代町2-4-1東カン横浜パークサイド2階 >>googlemapで見る
TEL 045-212-3739

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする