おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の渡邊です。
「箱世界」と書きましたが、
この世界はどこか巨大な箱の中にあると感じます。
それも大まかに二つ存在している。
組織や文章となって現れる概念としての箱。
私たちの視覚や感覚で触れられる、物理的な箱。
概念的な箱としては、
一番大きな箱→私たちにとっての地球や宇宙
真ん中くらいの箱→国や各自治体であったり、
それを統率する法律。
最小単位の箱→1家族単位。
そしてその概念的な箱を守るため、
その箱を上手く活用したり活性化するために
物理的な「箱」が存在する訳です。
建築は目に現れますし、触れられます。
かと言って法律が何も無いのかというとそうではない。
結果的に物理的な箱になる概念物、
それが建築ではないかと考えています。
人間の感情や環境に直接関わる箱です。
とある学校の記事に、いじめは学校の建築的環境で劇的に変わる
という記事を見つけました。
従来の片廊下式の少し七不思議でも
出てきそうな、独特の閉鎖的な空間と威圧感は
私も忘れたことがありません。
幾重の箱の中に私たちは生きているのに、
またその箱を追加してその中で整列して、
「何年何組」という箱の中で
学んでいるのです。
決してその箱自体は悪くありません。
でも、何か物足りないと思うのです。
「何年」はまだなくすことはできないけれど、
「何組」はあやふやにしていいのではないか。
そんな記事を見て、
全て「いつもどおり」、「一般的慣習」のまま
でいいのか?
とても考えさせられました。
人が作る以上、全ての生き物、全ての人に完璧に寄り添う建築を
完成させることは不可能と考えます。
いつでも、「多数決」です。
少なきものに寄り添うために
多くの代償を払うか、
多くのものに寄り添うために、
少なきものの代償を払うか。
こう聞くと大変大袈裟ですが、
日常茶飯事に起きている難しい問題です。
完璧にはできないけれど、
「箱」を考えて創造することができる。
一人ではなく、私たちで。
今よりもっと良い箱を、
その気持ちが、
形になることを切に願って。
【引用記事】
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