横浜の建築設計事務所 コア建築設計工房のブログ

建築のこと、 横浜のこと、保育や福祉施設のこと、介護のことを表現します。

建築コスト計画

2015年07月09日 | 設計のポイント

横浜の株式会社コア建築設計工房の井下です。

公共工事や、保育園などの補助金事業は、必ず積算業務を行います。
図面を描いたあと、その工事がいくらになるか、
全ての項目を一つ一つ拾って数量を積算し、それらに設計単価を入れて工事予定価格を作成します。 
横浜市の保育園事業に関しては、その作成した積算資料を横浜市監査課のチェックを受けて、
初めて入札を取り行うことができます。
また、設計から工事までが単年度事業のため、
とてもタイトなスケジュールで行わなくてはなりません。
この作業を短期間で行うには慣れた事務所でないととても難しい業務です。 

設計着手段階で、大まかな概算工事費をお伝えしますが、
設計の中で、施主のご要望、法的に行わなくてはならないこと、地盤改良、近隣への配慮、など、
増額傾向にあります。
追加金額をご準備いただけることが大変ありがたいですが、
減額しなければならないときは、仕様を落とす、何かをあきらめるなどしていただかなくてはならず、
とても心苦しい作業になってきます。
かけるべきところにはかけて、下げられるところは下げて、
バランスとメリハリが重要になってくると思います。
減額案がかえって良かったと思えるご提案ができるように心がけています。 

お金の話はとてもしづらいですが、避けて通れないことなので、
あえてお話いたしました。

 


横浜の設計事務所 
【コア建築設計工房】 
http://www.arc-core.co.jp/

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新国立競技場

2015年07月02日 | 設計のポイント

コア建築設計工房の井下です。

新国立競技場の建築費予算が大幅に膨らんでいることがニュースになっています。
当初のザハの案よりもかなり縮小されたにもかかわらず、工事費は2520億円という金額です。
著名な建築家も異議を唱え、修正案、代替案を提示されていました。
それでも、具体的なところは明かされないまま、旧国立競技場の解体がされて、事業は進んでいます。 
なぜ、こんなに金額が膨らんでしまっているのか、様々な意見が飛び交っています。
ザハの案そのものが、予算を超えることは選定時から予測されていました。
また、開閉式の屋根で、スポーツの他、コンサート等にも使用する、8万人収容のスタンド、天然芝のグラウンド、という、
当初の想定そのものがコストがかかること、
競技に直接関係の無い部屋(VIPルームなど)がかなりの面積を占めている、
屋根をささえる長手方向にかかるキールアーチが1本500億円もかかるなど。

コストがなぜこんなに高騰してしまったのか個人的に思うのは、
「ECI(アーリー・コントラクター・インボルブメント)方式」とも呼ばれる施工予定者技術協議方式によるところも要因のひとつではないかという気がしています。
設計段階から施工者が関与し、施工上の課題を設計にフィードバックすることで、工事費のリスク軽減および工期の短縮を図る、
早期の発注が可能で、発注時に詳細仕様の確定が困難な事業に適しているというのが、この方式のようですが、
施工者が先に選定されてしまえば、価格は施工者の言い値になってしまうのではないかと思います。

お金のかからないオリンピックというのが当初のコンセプトだったような記憶がありますが、、、

最近の状況は、私共の設計する規模のものでもコストコントロールはとても難しい問題です。

 

------------------------------
横浜の設計事務所 
【コア建築設計工房】 井下
http://www.arc-core.co.jp/

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雨水処理の計画

2015年06月19日 | 設計のポイント

コア建築設計工房の伊部です。

梅雨まっさかりですね

まさに今日は、図面中も雨水処理の計画をやってます

軒樋、縦樋の位置は建物の印象に大きくかかわってきます。
なるべく見せないようにするか。
どんな材料を使うか。
結構悩みます

また、敷地内にレベル差がある場合や、道路より敷地が下がっている場合は、
処理方法をしっかり検討しておかないと、大雨のときは大変なことになります
最近はゲリラ豪雨などもありますからね。


 

------------------------------
横浜の設計事務所 
【コア建築設計工房】 伊部
http://www.arc-core.co.jp/

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雪に耐えて梅花麗し

2015年06月18日 | 設計のポイント

おはようございます。
コア建築設計工房の井下です。

タイトルの
「雪に耐えて梅花麗し」は、
広島カープに復帰した黒田博樹投手が高校時代から大切にしている言葉だそうです。
寒い冬を耐え忍んだ梅の木ほど、華麗な花をつける、という意味で、西郷隆盛の漢詩の一節です。 
高校時代は補欠ピッチャー(とはいえ名門上宮高校)で、ひたすら走り込みの日々でしたが、
腐ることなく、黙々と練習を続け、専修大学の4年生でようやく才能が開花したのです。

カープの苑田スカウトは、大学2年生のころから目を付けて通い続け、その恩義を感じた黒田は、
即決でカープ入団を決意します。
入団後もドラフト1位の澤崎が新人王を獲得する活躍で、黒田はその陰に隠れた存在でした。
しかし、その後もコンスタントに成績を伸ばしていきカープのエースとなりました。
メジャーへ渡っても大きな故障をすることなく、40歳になった今も尚、現役のトップアスリートとして活躍できているのも、
若いころの練習のたまものなのかもしれません。


同い年の野球選手がどんどん引退していく中、勇気づけてくれる存在です。
黒田の心を動かすエピソードは他にもたくさんありますが、それはまたの機会に。 

------------------------------
横浜の設計事務所 
【コア建築設計工房】 井下
http://www.arc-core.co.jp/

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

植栽計画 真(しん)、副(そえ)、控(ひかえ)

2015年06月04日 | 設計のポイント

おはようございます。
コア建築設計工房の井下です。

先日、自宅の植栽をしてもらいました。
その時、植木屋さんから、3角形を基本にしてそれを組み合わせていくとまとまると教えていただきました。
その話を妻にしたところ、生け花と同じなんだ、とのこと。
真(しん)、副(そえ)、控(ひかえ)の組み合わせが基本だそうです。
確かに見ていてバランスがいいなと感じるものは、3点で支持されているようなもののような気がします。
今まで設計してきた建築も、3色または3素材で組み合わせてきたものが多かったと改めて気づきました。
建築をデザインするときにも参考になる考え方を改めて知ることができました。 


 

------------------------------
横浜の設計事務所 
【コア建築設計工房】 井下
http://www.arc-core.co.jp/

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

敷地にとって道路って大事。

2015年05月29日 | 設計のポイント

建物の設計をするとき、敷地の情報(用途地域や防火地域等)と同じくらい大事なのが接している道路の情報です。
道路には種類があって、建築基準法上の道路として認められていないと建物は建てられません。
建物を建てる時に強制的に道路幅を広げなければならないと指定されている道路もあります。(自分の敷地が減るのです。)
また、どんなに広い敷地でも道路に接している部分が短かったり、道路幅が狭かったりすると大きな建物は建てられないのです。
その基準は条例によって定められており、自治体ごとに違います。
前面道路の幅は、容積率の算定や建てられる高さの制限にも関わってきます。
横浜市の場合、前にお伝えした地図情報システムで確認することができます。
敷地を探すときは、道路のこともしっかり確認することをお勧めします。

 

 横浜の設計事務所 
【コア建築設計工房】 
http://www.arc-core.co.jp/

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

色彩計画

2015年05月21日 | 設計のポイント

物にはそれぞれの色があります。
色は暖かい、冷たい、エネルギッシュ、リラックス、開放的、閉鎖的、奇抜、無難、清潔感、高級感、などさまざまな印象を持っています。 
人それぞれの趣味趣向でも大きく異なってくる要素です。

また、物には塗料によって自由に色を付けることができます。
←日本塗料工業会発行の色見本帳

ですが、私は色は塗装でつけるのではなく、
できるだけその素材の色を生かして建築を作りたいと考えています。 
 木は木の色、石は石の色、土は土の色、鉄は鉄の色、コンクリートはコンクリートの色、それぞれの特色を生かしていきたいです。

外観では、植栽が映えるような色を選定すると外構と一体感が生まれます。

内観では、極力色は抑えめにすることを考えています。
建築は竣工した時点が完成ではなく、生活が始まる出発点です。
そこで生活する方が、絵を飾ったり、花を活けたり、好きなものを並べたりすることで、
初めて建築が機能するものだと思います。
色を抑えることもかなり意識して行わなければ統一感の無いものになってしまいます。
建物全体がキャンバスになるようなものを作っていきたいと思います。 

------------------------------
横浜の設計事務所 
【コア建築設計工房】 井下
http://www.arc-core.co.jp/

 




 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

設備計画

2015年05月14日 | 設計のポイント

建物には、給排水衛生設備、換気空調設備、ガス設備、
電灯照明設備、情報設備、防災設備、機械警備設備等様々な設備が必要です。
それらは、給湯器、室外機、ガスメーター等屋外に露出してくるものも数多くあるため、
外観を損なわず、危険が無いように配慮しなければなりません。
計画の段階からそれぞれどの位置に設置するかを検討します。
内部でも、水栓金物(蛇口)、照明器具、スイッチプレートなど
アクセントにしたり、目立たなくさせたりで空間の印象が変わってきます。
建築化照明(間接照明)は器具を隠して壁や天井に光をあてることで
すっきりとした、かつ深みと広がりのある空間になります。
 


↑水栓とレンジフードをアクセントにして、普通のシステムキッチンもグレードアップ。


↑手前にレバーのある水栓は濡れた手で操作してもカウンターを汚さない。
カウンター一体型の洗面ボールは掃除しやすい。 



↑インターホンモニターや床暖房リモコンなども使いやすい位置かつ目障りにならない位置に配置。


↑神保電気NKシリーズのスイッチプレート。シンプルなデザイン。
高さも床から900㎜と通常より低い位置にして主張しすぎないように配置。



------------------------------
横浜の設計事務所 
【コア建築設計工房】 井下
http://www.arc-core.co.jp/

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

建具計画

2015年05月07日 | 設計のポイント

どこにどのような開口部を作るかによって外観内観とも印象が大きく変わってきます。

また窓は様々な機能を併せ持っており、時にはその機能を分解して計画することでその窓に意味を与えることができます。

人が出入りする窓、光を取り込む窓、風を取り込む窓、景色を取り込む窓等の役割がありますが、

例えば眺めのよい景色があった場合は、景色を取り込むためだけの窓、とその機能を限定することで、

景色を切り取ったピクチャーウィンドウとなります。

風を取り込む窓は南北に配置、光を取り込む窓は高い位置に配置することでより効果を高めます。

 

室内の部屋を間仕切る建具も様々な種類がります。

開き戸は閉じていることが前提、引戸は開け放して使用することが前提の建具として使い分けます。

開け放てば隣り合った部屋を一室として仕様できる引戸は、

空間をフレキシブルに利用することができます。

天井までめいっぱいの高さの建具は開け放つとより空間の連続性を作り出します。

 

防犯のためには鍵が必須となりますが、その種類も様々です。

堀商店のトライデントシリンダー錠は、

ピンが3列になったことでよりピッキングしにくい鍵になっています。

http://www.hori-locks.co.jp/products_cylinder.html

室内の簡易的な鍵は、

かんぬき錠のようなアナログなものが故障しにくいです。

http://douki.jp/7designers/05.html

保育園では押入れの引違戸のロックを求められますが、

アウトセット引戸錠というものはワンタッチでロックが可能です。

http://direct.atomlt.com/hikidojyou/outset/

防犯用サブロックを追加したいときは、

後付のものもあります。

http://www.alsok.co.jp/person/goods/lock.html

 

 

------------------------------
横浜の設計事務所 
【コア建築設計工房】 井下
http://www.arc-core.co.jp/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

内装計画2

2015年04月30日 | 設計のポイント

シックハウスを気にされる保育園はとても多いです。

現在通常使用される建材でもF☆☆☆☆(フォースター)と呼ばれる有害物質の基準をクリアしているものを使用します。

法律上ではそれで十分なのですが、それ以上の対策をされたい場合は、

珪藻土塗りの壁はホルムアルデヒド等有害化学物質を吸着分解する効果があります。

その他にも、ホタテの貝殻を粉末状にして再利用した壁材チャフウォール、

卵の殻を再利用したヴィーナスコート、

エコカラットというタイルなども、同様の効果があります。

それらは、ハイクリンボードという石膏ボードを下地に使うことでより効果を高められます。

壁には必ず窓枠やドア枠など木部がありますが、

その塗装を有害物質を含まない自然塗料を合わせて使用することもあります。

オスモ、リボスなどが代表的なメーカーです。

 

保育園では掲示物がとても多いですが、今は画びょうを使用することはありません。

ピクチャーレールで吊るしたり、テープで留めたります。

壁一面をホワイトボードシートで作って、マグネットが付くように鉄板を下地に入れることもあります。

 

防音に配慮する場合は、その対策レベルにもよりますが、

下地に遮音シート、天井を岩綿吸音板を張って、遮音と吸音を組み合わせて防音することもあります。

 

子供たちの手の触れる高さは、壁が傷みやすいので、腰壁を張ることが多いです。

シナ合板や羽目板などで仕上げます。

出隅は、丸く面を取ってぶつかっても危険が無いように仕上げます。

ガラスは強化ガラスを、照明はカバー付きの器具を使用します。

 

 

------------------------------
横浜の設計事務所 
【コア建築設計工房】 井下
http://www.arc-core.co.jp/

 

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

内装計画1

2015年04月23日 | 設計のポイント

室内の計画に当たって考慮することは、

その部位に適した素材であるか、メンテナンスはできるか、という使い勝手や、

費用対効果に見合うか、

常に目線に入り、空間を印象付けるものなので、色味、質感、肌触りなども検討が必要です。

また、形、高低差、組み合わせのバランスなどによっても雰囲気が違ってきます。

 

床材を選定するにあたっても、保育園によって何を重視されるかさまざまです。

メンテナンスしやすい床をご希望される場合は、ウレタン塗装されたフローリングや塩ビシートなどをお勧めします。

室内では裸足で過ごして足裏での感触を重視される場合は、無垢フローリングのオイル塗装は木の温もりを感じられます。

浮造り仕上といってわざと表面に凹凸をつけたものは、より足裏の感覚を刺激します。

和の雰囲気を出したいけどメンテナンスにも配慮したい場合は、

竹集成材のウレタン塗装もお勧めです。竹の節目がアクセントになって趣があります。

保育士さんは常に膝をついて保育にあたるので、クッション性の高い床材を希望される場合もあります。

緩衝材の入った塩ビシートや、コルクタイルなどがお勧めです。

トイレや厨房の床は今はドライ化されているので、

防滑タイプの塩ビシートを選択することが増えています。

 

フローリングの巾、長さ、張り方でも印象が変わります。

幅広、長尺だとダイナミックに、細幅、乱尺だとモザイクのような仕上がりになります。

樹種もそれぞれさまざまな特徴があります。

メープル、タモ、ナラ、チェリー、ウォルナット、チークなど広葉樹系は、固いのでキズに強いです。

杉、檜、桐、パインなど針葉樹系は、柔らかいのでキズになりやすいですが、温かみがある樹種です。

床暖房する場合には、専用の床材を選定する必要があります。

湿気の多い場所には、収縮の少ない合板フローリングの方が適している場合もあります。 

犬がいる場合は、つるつる滑る床は犬の足腰に悪影響があるので、

グリップの利く床にしてあげた方がいいです。

最近は少ないですが、防音性を高めたい場合は、絨毯敷きにします。

 

玄関など土間部分には、タイルや石張が多いです。

滑り止めのために豆砂利舗装とすることもあります。

スロープなど転倒することが想定される部位には、ゴムチップ舗装で柔らかい材料があります。

ウッドデッキはとても人気があります。

風ざらしでも耐久性の高いイペ、ウリン、セランガンバツなどの南洋材を使用しますが、

灰汁が流れたり、こどもの柔らかい肌には小さなささくれが刺さったりデメリットもあるので、

木粉樹脂でできたデッキ材などにする場合もあります。

 

床だけでとりとめもなくだらだらと書いてしまいました。すみません。

次回は壁についてさらにだらだらと書いてみます。

 

------------------------------
横浜の設計事務所 
【コア建築設計工房】 井下
http://www.arc-core.co.jp/

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

立面計画

2015年04月16日 | 設計のポイント

建物の外観は、外壁、屋根、開口部(窓)等で構成され、

プロポーション、色、素材によって決定されます。

その他検討しなくてはならない事項は、

防火・耐火等法令の規定、耐久性、メンテナンス、施工性、防犯性、コスト等多岐にわたります。

上記のスペックを満たすことは大前提ですが、

設計をするものとしては、デザイン性は大切にしたい要素です。

この地球上の大地に一定期間根ざした建物を建てるということは、

周辺への配慮、社会性を伴ってきます。

施主のご要望の中に、この要素を織り込むことで、

期待されていた以上のご提案ができたとき良いコラボレーションが生まれると思います。

その形はなぜその形なのか、

その色はなぜその色なのか、

設計者の独りよがりではなく、またスペックだけの理由ではない、

その根拠を明確に持ちながら設計するよう心がけています。

 

 

------------------------------
横浜の設計事務所 
【コア建築設計工房】 井下
http://www.arc-core.co.jp/

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

断面計画

2015年04月09日 | 設計のポイント

天井の高い空間は開放的で気持ちがいいです。

ただ、すべての空間の天井を高くしても、その効果は半減します。

天井の高い空間は、天井の低い空間と対に設けることで、その良さが強調されます。

あえて天井の低い廊下を通ってから、天井の高いリビングに入るとその高さは

数字以上の高さに感じられます。

茶室は、にじり口という小さい戸を潜り抜けて入ることで狭い空間を広く感じさせています。

ただ広く高い空間にすれば良いというわけではなく、

限られた広さであっても、気持ちよさとは、設計によって作り出すことが可能になります。

そのほかに、考慮すべきことは、

天井の高い空間は、暖気が上に逃げてしまうので、下から輻射熱で温める床暖房とセットで考えなくてはなりません。

天井の低い空間は、天井が目線に入りダウンライト等も目障りになるのですっきりとした天井にする必要があります。

←低い天井の廊下を抜けた先に

 

←高い天井のリビングが現れます

 

 

 

 二宮の夜桜ライトアップがありました。

 

------------------------------
横浜の設計事務所 
【コア建築設計工房】 井下
http://www.arc-core.co.jp/

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

平面計画

2015年04月02日 | 設計のポイント

ご要望で多くいただくのは、

明るく風通しの良い建物、

プライバシーと防犯に配慮された建物

が挙げられます。

この二つは建築的には相反する条件になります。

明るく風通しの良い建物にするには、窓を多く設けること、

プライバシー、防犯に配慮するには、窓を少なく設けること、となります。

これらを解決する方法としては、

中庭プラン(コートハウス)という手法があります。

敷地中央に中庭を設けてそこに面して窓を設けて、

外周には必要最小限の窓にすることで、両条件を満たすことができます。

←デッキフェンスに囲まれたところが中庭です

←中庭に面して窓を大きく設けて解放感と、プライバシーを両立

ウッドデッキを中庭に設けることで室内と屋外が連続して、境界があいまいになりより広く感じられます

 

南北に細長い敷地は、採光を確保しにくいのですが、

この手法で建物の奥まで光を取り込むことができます。

デメリットとしては、

外壁面積が多くなるので同じ坪数でもコストがかかってしまいますが、

希望する部屋数、面積を少しづつ減らしてでも、

中庭を確保することで得られる空間の豊かさの方が満足感が得られるのではないかと思います。

豊かさは、単純に面積や、坪単価では測れないものがあります。

 

 ------------------------------
横浜の設計事務所 
【コア建築設計工房】 井下
http://www.arc-core.co.jp/

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする