年は変わって、2008年になった。
正月早々、沼津駅に向かっているコスモタイガー。
もう、麻薬のようなもので、旧街道runの魔力から逃れられない。
幸い、天候は穏やかな晴れ空だ。
富士山も期待できそうだ。
沼津駅に到着し、コンビニで軽く腹ごしらえ。
すでにお昼を回っている。
乗継もここまで来ると大変だ。
土日フリー切符も、片道だけで元取ってるからね、物凄い有効活用だ。
(豊橋~沼津間片道2940円)
さっそく駅前をスタート、駅前通を南下、大手町交差点を左折すると、前回のゴール地点(歩道橋)にすぐに到着。
先々を考え、ここは歩道橋を渡って、右側の歩道を走った方が良いね。
三園橋の交差点も直進。
すぐにまた歩道橋があり、右に分岐する道が。
もう完全に感覚を掴んでるからね、迷わず右の道を選択。
すぐに日枝一里塚跡がある。
江戸から30里、とあるからね、残りすでに120kmを切ったんだね。
再び県道に合流。
それにしても富士山が今日は綺麗だな~。
今度は「東下石田」の交差点で再び右に分岐。
でも少し行くと、黄瀬川の土手にぶち当たって行き止まり。
階段あるからね、、土手を上がって橋を渡って反対側へ。
そのままさらに進むと、「対面石」の案内板がある。
少し街道をはずれるけど、案内板に従って左手奥に入ると、八幡神社があり、その境内に対面石がある。(写真)
平家追討の狼煙を上げた源頼朝、そして奥州から駆け付けた異母弟の義経が初対面した場所とされる。
兄頼朝は涙ながらに喜んだと云われている。
(※2012年大河ドラマ「平清盛」でも紹介された。対面シーンに涙はなかったけど)
東海道に戻る。
しばらくは道なりに走るだけ。
一応、県道145号となっているらしい。
「八幡」の交差点を越えると、すぐに両側に一里塚がある。
不思議なことに右と左で名前が違ってて、左が「玉井寺一里塚」で、右は「宝池寺一里塚」と称するらしい。
パッと見、宝池寺の方が綺麗だけど、逆に不自然すぎる。
案の定、復元されたもの。
左の玉井寺の方は、木々が生い茂り、少々見栄えしないけど、こちらは現存する一里塚だ。
さらに道なりに走る。
「千貫樋」の交差点を過ぎてすぐ、小さな川(境川)を渡る。
この橋が、千貫樋というらしく、武田・今川・北条の3国同盟に由来するらしい。
そしてこの小さな川で沼津市から三島市に入った。
長かった長かった、駿河の国から、伊豆の国に入ったってこと。
でも静岡県はまだまだ続くんだけどね…。
正面に電車が走っている。
近づくと左手に「三島広小路」駅。
伊豆箱根鉄道(駿豆線)だよ。
これまた無性に乗りたいけど、道草ばかりじゃ先進まないからね、今回は断念。
ちょっとした商店街っぽくなり、正月早々、凄い人だよ。
両側に本陣跡があるはずだけど、人だかりでそれどころじゃないんだけど。
左手に大きな神社。
三嶋大社ね。
まぁ、正月にこんな有名な神社の前を通れば、そりゃ、走れんわな。
初詣はすでに済ませてあるけどね、せっかくだから三嶋大社に寄ってお参り。
給水ということにして、甘酒をゴクリ。
さぁ、人込みを何とか抜け、再び東海道runを続ける。
県道はそのまま右にカーブするんだけど、直進する細い道がある。
これが東海道。
そしていよいよ、ここから長~い箱根峠とのお付き合いが始まるのさ。
さっそく道は緩やかに登っている。
今井坂、というらしい。
途中、JR東海道本線を越える。
「歴史の道百選」にも選ばれた有名な箱根越えの道だからね。
さすがに案内板は整備されているから、迷うことはないけど。
そして長く寄り添ってきた東海道本線とはしばしお別れ。
JRはこの先、熱海、真鶴と海沿いを行くからね。
逆にいえばここからしばらく、アクセスはバスのみ。
しっかりリサーチしておかないとね。
「五本松」の交差点で国1に合流。
しばらくは国1を緩やかに登っていく。
といっても、国1の上り線がそのまま旧東海道だからね、歩行者用に遊歩道っぽく整備されているから安心だ。
錦田一里塚。
両側とも現存する貴重な史跡だ。
左に某電話会社の小さな交換所があり、そこを過ぎると左折して登っていく道が東海道…。
のはずなんだけど、何と!通行止めの上、進入禁止のバリケードが立ててある。
まぁ、リサーチはしてあったけど。
仕方なくすぐの信号(塚原新田)を左折し、すぐに突き当たったところで左手から来る東海道に合流、こちら側もやっぱり進入禁止になっている。
どうやら高速道路の建設中らしい。
まぁ、たかだか100mぐらいのことなんだけど、残念だなぁ。
右手少し離れたところに国1が並走するものの、静かな集落の中を東海道は箱根に向かって登っていく。
案内板さえ見落とさなければ気持ち良く走れる。
途中で左に分岐し、うっそうとしたクロカン道。
案内板によると、「臼転坂」というらしい。
かなりの急坂だ。
すぐにまたさっきの道に合流。
法善寺という静かなお寺の前を通る。
すぐに道は左右に分岐、ここは左を選択。
ここから駆け上がっていく階段があって、東海道はここを登るらしい。
これが「題目坂」。
登りきったところに幼稚園と小学校がある。
左折して小学校の脇を走り、少し広い道に合流。
しばらくはこの道を走る。
「三ツ谷新田」というらしい、静かな集落を走り抜ける。
正月早々、こんなところ走ってる奴なんていないしね、静かだなぁ。
そもそも峠の反対側(東側)では、つい先ほどまで華々しく箱根駅伝が開催されていたのに(今日は復路)、よりによって峠の反対側を登ってるわけだからね~。
こんな自分がとても大好きだ。
右の高台に小さな神社がある。
案内板に従い、ここで左に分岐する小道を入っていく。
「こはめし坂」。(こわめし坂)
箱根峠西側ではもっとも険しい坂とされている。
いや、これは確かにハードな登りで、良いトレーニングだ。
両側に家がそれなりに建っているものの、周囲はもう完全に山の中の雰囲気になってきた。
国1と交差する。
ここに「笹原」のバス停がある。
そのまま国1を横断し、直進。
石畳が整備されている。
すぐに案内板があって、奥まったところに目立たない形で笹原一里塚がある。
右側のみ現存している。
さて、本心はこのまま箱根峠の頂上まで行きたいんだけどね。
時計を見るとすでに15時半を回っているからね、そろそろ帰路に付かないと厳しいな。
それに前述したとおり、ここまで来るとアクセスはバスのみだからね、中途半端にチャレンジすると、路頭に迷うことに成りかねない。
ていうか、今日のコースは当然ながら、全体的にひたすら登ってた感じで、ちょいと疲れた。
基本、登り苦手なんだ。
とはいえ、箱根の登りはまだまだ続くんだけどね…。
でもまぁとにかく、アクセスも考えて、今日はここで終了だ。
何だかんだと寄り道もしてるし、実走距離、18~19kmぐらいかな?
先ほどの国1との交差地点に戻り、「笹原」バス停にて三島駅行パスを待つ。
運行は「沼津登山東海バス」。
何やら聞き慣れない長い名前だけど。
要するにこの辺り一帯で活躍する東海バスの子会社ね。
そしてその東海バスを運営する持株会社が東海自動車。
細かな歴史的背景や紆余曲折は省略するが、東海自動車は現在、小田急のグループ会社ということになっているらしい。
ということは「沼津登山東海バス」は、まぁ簡単にいえば、小田急の孫会社みたいなものやね。
行楽シーズンでもないこの寒い季節に、駅伝関係者でもない者が箱根走ってるから仕方ないけどさ。
この時期、バスは概ね1時間に1本。
でも初体験(だと思う)の「沼津登山東海バス」にもテンションはあがるけどね。
三島駅行のバスの中は暖かく、ホッとした。
約30分で三島駅に到着。
さぁ、またこれから、長い乗継で帰宅するぞ。
※2015.11.23追記:地図を作成しました。(ここをクリック)