空腹もそれほど感じることなく、道なりに足を進める。
くねくねと緩やかなカーブが街道らしさを伝えてくれてはいるが、これといったシャメポイントはない。
3kmぐらい走ったかな?
右手やや奥まったところに神社らしき森が見える。
久々のシャメポイントを期待して、立ち寄ってみる。
「石津太神社」
わが国最初の戎様、ということらしく、相当の由緒があるそうだ。
かつては広大な社領を持ち、太閤秀吉の手厚い保護もあったそうだけれど、今は住宅地の中にひっそりと存在している。
手だけ合わせて街道に戻る。
すぐに石津川を渡る。
その渡り終えたところにあるのが、北畠顕家戦死の地。..
南北朝時代の悲運の名将として、歴史ファンなら知っている。
さぁ、ここもそのまま道なりに進む。
右手少し離れて南海本線「諏訪の森」駅がある。
しばらくするとあれれ、その南海本線の線路に遮られ、行止まりになってしまった。
でも地図で確認すると、線路の向こう側に明らかにそれとわかる形跡が残る。
いうまでもなく、南海本線によって旧街道は寸断されているわけね。
仕方なく少し戻って踏切で線路の反対側に廻り、広い幹線道路(府道204)にいったん出る。
斜め前方に何やら大きな公園があるが、とりあえず視線を左に移せば、旧街道の残骸ともいうべき脇道が100mほど残っている。
さて、右前方の大きな公園は、浜寺公園だ。
1873(明治6)年に完成という歴史ある公園で、「名松100選」といわれる松林と広大なバラ園も有している。
などという説明不要なぐらい、関西地区の人はおそらく誰でも知っているスポットではなかろうか。
そしてコスモタイガーも大好きなレースの一つ、毎年2月開催の「泉州国際市民マラソン」のスタート地点でもある。
(※残念なことに、2023年2月を最後に開催休止となりました)
なのでこの公園自体はコスモタイガーはすでに5~6回目になるのさ。
でも走る前の緊張感ある風景しか知らないからさ。
せっかくだからちょっと散策run。
こんなにのんびりした浜寺公園は初めてさ。
何せ広大な公園で、このままずーっと公園内走ってても飽きないぐらいの場所ではあるけれど、それじゃ紀州街道runにならないからね。
ちなみに最寄駅の南海浜寺公園駅は、私鉄最古の駅舎として保存されている。
しかも初代東京駅舎と同じ、辰野金吾氏デザインのものであって、鉄チャンとしては外せない場所ではあるものの、これまた泉州マラソンで何度も利用してるからね。
旧街道runの趣旨からは外れるからスルーしておく。
厳密にいえば府道204に戻るところだけれど、旧街道らしいところは何もなく、しかも泉州国際市民マラソンのコースとして何度も走っている幹線道路を走るだけのシチュエーションだから、ここはそのまま公園内を南に走る。
道沿いには古い消火栓も残され、公園としての歴史を伝えている。
2つある野球場と交通遊園を後にして、ボチボチ公園を脱出。
すでにここは高石市に変わっている。
すぐに左折して、まずは旧街道(府道204)に復帰。
そのまま府道runすれば、線路下を潜る。
南海電鉄高師浜線だ!
ここも鉄チャンとして、特にローカル私鉄大好き人間としてはぜひ乗りつぶしておきたい路線ではあるが、今日のところは鉄オタの衝動を抑えてこのまま走る。
その先すぐに、高師神社前という信号で、左斜めに分岐するのが旧街道。
そしてこれだけあちこち旧街道走ってくると、地名には一定の「くせ」みたいなものがあって、「高石」は「高師」の転訛したものだろうという見当が付いてくるよね。
ここから再び街道らしさをわずかに残すうねり道となる。
1.5kmほどで再度府道に合流し、今度は右に分岐。
堺泉北有料道路をアンダークロスしてしばらく。
右手にいかにも歴史ゆかしき大きな屋敷が!
登録有形文化財「助松本陣田中家住宅」。
ここ助松は宿場では正規の宿場ではないから、いわゆる御休処としての本陣だね。
まぁそれでもお殿様用の建物には違いなく、荘厳な佇まいである。
残念ながら内部見学は不可らしいので、未練たらしく?周囲をウロウロ。
別アングルでシャメしてみたりする。
ここから先、まだまだうねるように街道が続く風景に思わずパチリ。
迷うこともなく、うねる道を走る。
さぁ、そろそろ今日は終わりにしたい。
300mほど走った先にあるのが、助松村境石造物群として、隣接の延命地蔵尊とともに今も大切に保存されている。
府道38号をアンダークロスして少し走れば、右手に松ノ浜温泉。
といっても、要するに昔ながらの銭湯ね。
時計は15時を過ぎた。
銭湯すぎると街道は府道204に吸収されたから4、ここを本日のゴールとしよう。
南海本線松ノ浜駅はこのまま府道を渡って直進すれば徒歩でも3分とかからない。
ホッと気を抜きつつ歩いていたら!!
とある商店のウインドーケースに目が惹きつけられた。
ヤマト!
ヤマトがいるぞ!
戦艦大和じゃなくて、頭に「宇宙」が付く方のヤマト♪ (冒頭写真)
その隣には、ヤマトの艦載機、コスモゼロとブラックタイガー。
またの名を「コスモタイガー」
なぜこんなところに置かれているのか全く不明ではあるが、思わず足を止めて立ち尽くす。
ご本家?の「コスモタイガー」に出会えてテンション爆上がり。
艦載機のように縦横無尽に飛びまくりたい(走り回りたい)と思って名乗りだしたのがハンドルネームの由来なんだけどね、もはや年齢的に縦横無尽とは言い難い状況ではある。
なにはともあれ、心地よい疲労感の中、そろそろ帰りたい。
松ノ浜駅到着。
鈍行しか停車しない目立たぬ駅ではあるが、本線だからね。
運転間隔は心配なく、途中で急行に乗り換える。
寄り道もせず、いったん社宅へ戻ろうかな、と。
洗濯物、ベランダに干したままなのさ。