滋賀県に入ると、先ほどの登りが何だったのかと思うくらい、緩やかな下りだ。
両側は視界が開け、茶畑が広がっている。
しばらく穏やかな感じで道なりに下ると、右側に大きな常夜灯。
「万人講常夜灯」と言うらしい。
国1に合流し、地下道を渡って反対側の歩道を下る。
しばらくはそのまま国1を走る。
反対側に「山中城址」なる史跡の看板が見え、そそられるが、渡るのも面倒なので先へ行く。
ほんの一瞬、旧道が残っているだけで、またすぐに合流。
右斜めに分岐する形で旧道が現れる。
旧道に入ると静かな田舎の集落。
前方に場違いな高架が見える。
建設中の新名神高速道路やね。(2012年現在、すでに開通済)
国1との合流点付近に「山中一里塚公園」がある。
ここから少しだけ再び国1runとなるが、「猪鼻」という交差点を右折し、S字にカーブしたところから左に行く道が現れる。
これが旧道やね。
静かで走っていて楽しいけれど、またすぐに国1に吸収されちゃった。
右手に神社が見えると、再び旧道が始まるから、迷わずそこを入る。
この辺り、「蟹坂古戦場」の看板を目にする。
戦国期の合戦跡らしい。
工場の横を通り抜け、新しい「海道橋」を通って、田村神社の境内へ。
名前のとおり、坂上田村麻呂を祀った神社らしい。
そして東海道はこの田村神社の境内を通っている。
日坂宿手前にも、事任(ことのまま)八幡宮という田村麻呂ゆかりの神社があったし、東海道が古くから「道」として機能していたということやね。
せっかくだからお参りをするため、本殿へ。
広々とした、静かな神社だ。
神社の参道をそのまま直進、交差点に出て国1に交わる。
渡ると目の前に「道の駅あいの土山」。
ここ始発で、甲賀市運営のコミュニティバス、「あいくるバス」が1時間に1本程度出ているし、買い物や食事もできるから、ゴール候補地の1つに考えていたけれど、この道の駅の裏から、素敵な土山宿の街並みが始まっている。
無性にもう少し走りたくなり、バスの時間にもまだ余裕がありそうなので、RUNを続けることにした。
いかにも東海道特有のうねりを残しつつ、静かな街並みが続いている。
案内表示の石柱もあり、ほどなく一里塚跡を発見。
この辺りから土山宿の中心部となり、旧街道らしい、静かな街並みが続く。(写真)
良い意味で観光地じゃないからね、人通りも少なく、素敵な雰囲気だ。
すぐに本陣跡。
建物は現存し、見学もできるらしいが、バスを1本遅らせるのも嫌だし、二川宿をはじめ、似たような施設はすでに見てるしね。
runを優先し、外から写真を撮るだけにした。
道なりに進み。土山宿が終わると、南土山という交差点で国1に合流。
ここから100mほど国1を行くと、あいくるバス「土山西口」のバス停があり、ここを本日のゴールとした。
前半はほぽ100%クロカンだったから若干足張ってるけど、距離的には16~17kmぐらいかな?
さぁ、あいくるバスに初乗車!
走るだけじゃない。
旧街道だけでもない。
まだこれから楽しみは続くんだ♪
このあいくるバス、何と!観光バス仕様のかなり大きなバス。
コミュニティバスというと、マイクロバスのイメージがあるけれど、こりゃまた随分と豪華なバスの旅が楽しめそうだ。
(マイクロバスの場合もあるそうだけど)
このまま終点のJR貴生川(きぶかわ)駅まで乗車し、JR草津線で、柘植駅か草津駅に出るのが普通に考えられる経路だけどね。
柘植で乗り換えて関西本線で亀山に戻るか、草津なら東海道本線で米原経由になる。
いずれにせよ、「青空フリーパス」のエリア外だから、亀山か米原までの切符買わないといけないし、おまけにかなりの迂回ルートになり、何だか面白くない。
「新町」という停留所で下車。
新町交差点から北上して徒歩約5分。
近江鉄道の「水口」(みなくち)駅がある。
これがまた小さいながらも木造で(完全な木造じゃないらしいけど)、レトロ感のある素敵な駅舎なんだよね~。
あくまでも「時刻表」が趣味なんで、駅舎にはそれほどのこだわりはないんだけど、それでもやっぱり歴史を感じる駅舎は見ていて楽しいね。
ちなみに土日祝日は無人駅。
近江鉄道は、一応西武系列ということになっている。
何で?と思うなかれ、西武グループの創始者堤康次郎氏は滋賀県出身。
西武グループにとっては近江は故郷の地なのだ。
さぁ、ここからは近江鉄道の旅。
楽しいなぁ。
このまま近江鉄道の本線を、終着「米原」まで行くのさ。
JRばかり乗ってるより、こういう地元のローカル私鉄の方が絶対楽しい。
利用者は地元民が多く、「地元密着」感がJRより強い気がする。
駅間距離が短く、スピードも遅いけど、ルート的にはこっちの方が近道だし、乗換も少ない。
乗る機会もそんなにないしね。
この近江鉄道には、何とも不思議な割引切符がある。
この水口から米原までの普通乗車券(片道)は、950円。
で、土日祝日のみ利用できる、全線乗り放題のフリー乗車券(S・Sフリー切符)があって、こちら、550円。
要するに、まじめに片道切符を購入するのが馬鹿馬鹿しいってこと。
水口駅は無人で買えなかったため、窓口でしか買えないのかな?と思ってあきらめ半分で訊いたら、車内でも販売してくれた。
のどかな風景を見ながら、約90分、米原駅に到着。
青空フリーのエリアに戻ってきた。
東海道本線に乗換、大高まで戻ったコスモタイガー。
行き帰り、まったく別のルートってのも、楽しいね。
ちなみに米原~大高間も片道切符を普通に購入すれば、1,620円。
往路(大高~亀山間)が1,280円だったからね。
2,500円の青空フリー、充分元は取れました。
※2014.9.22追記
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